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津田直士のトピックス

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※今回は都合により、特別寄稿となります。

 

こんにちは。
作曲家・音楽プロデューサーの津田直士です。

現在私は、今月末にリリースとなる全12曲入りのアルバム制作(※)をしております。

作品をいくつも新たに生み、アレンジを施してレコーディングをしているのですが、この「名曲の理由」を連載している私自身も、生み出す作品は常に名曲を…という心構えで臨んでいますから、5週間という限られた制作期間の中、心を傾け、集中して作品を創っています。

またその一方で、この連載「名曲の理由」も、素晴らしい名曲をご紹介したい一心で、動画と文章にじっくりと時間をかけ、充実した内容をお届けできるよう、心がけています。

そういった背景から、音楽制作のスケジュールが非常にタイトな今、配信スケジュールについてmora readingsの編集長に相談したところ、津田さんも真剣に音楽を創っているのだから、今回は閑話休題といった趣で名曲の解説ではなく近況報告的な内容を書いては?というご提案を頂きました。
そんなわけで、今回はこのような特別寄稿をお届けすることに致しました。

 


 

※(3/31 追記)今回制作したアルバムが『Gradation』のタイトルで配信中です!

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DSD専門レーベル「Onebitious Records」第一弾
『Gradation』

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~僕が作曲をした、ある日の様子について~
 
 
現在私が制作を手がけているのは、moraより3月31日にリリース予定の「あなたの人生を映画に・・・」というアルバムで、作品はすべて私の作曲・アレンジによる、インストゥルメンタル曲です。
 
アーティスト物のプロデュース作品とは異なり、私のイメージをそのまま純粋に作品にするため、頼りになるのは自分自身のクリエイティビティのみ、というわけで、日々集中して制作に取り組んでいます。
 
ところで、この連載「名曲の理由」では、歌や楽器演奏、サウンドアレンジなど、様々な要素によって音楽となっている作品を、あえてメロディーと和声という音楽的に最もシンプルな状態に整理した上で、その作品が名曲である理由を解説しています。
 
そしてたまたま、現在私が制作している作品は、インストルメンタル曲ばかり、しかもサウンドについては私の演奏するピアノが基本、というシンプルさ・・・なので、まるで作品自体ちょうど私がこの連載で名曲を解説している状態に近く、私の作品がどれほどのものか、という様子が、一目瞭然となってしまっています。
 
ですから私は今、新たに曲を生む際も制作している際も、自分の作品が果たして名曲といえるのか、という問いかけと常に真剣に向かい合いながら、この数週間を送っているわけです。
 
さて、ちょうどこの連載の前回分が配信された後、このアルバム内容の大まかな方針が決まりました。
 
その方針に基づいて、アルバムの曲を創り始めたのですが、アルバムの内容上どうしても必要な、メインとなる、ある曲調の作品だけが、なかなか生まれません。

核になるメロディーとそれをささえる和声のイメージが、なかなか浮かばないのです。

 
とりあえずその曲は保留のまま、他の曲の作曲やアレンジ、レコーディングなどを進めていたのですが、その作品がないとアルバムの方向性が確定できないので、ずっと気がかりでした。
 

 
そんなある日の朝、その作品のことを気にしながら目が覚めた私は、ベッドの中で寝たまま、何かヒントはないものかと、自分の過去の作品をいろいろ想い浮かべていました。
 
私の場合、作曲は基本的に楽器を使わず、心の中で行います。
 
楽器を使うと楽器の制約が生じますし、そもそもイメージが限定されてしまうからです。
 
ですから、寝ている状態でも作曲はできます。(実際、ほとんどの曲を私は、シャワー中や散歩中、または横になった状態で生んでいます)
 
そうしてふと、三年前、あるアーティストに提供した曲の、サビの終わりのあたりにヒントがあることに気づきました。
 
アップテンポのサウンドの中で、メロディーが下から一気に上がって、そのまま降りてくる、その流れを繰り返しながら、少しずつ形をかえていく・・・そんな漠然としたイメージです。
 
そのイメージに基づいて強く深くインスピレーションを湧かせながら、心の中でメロディーを探っていましたら、突然、サビのメロディーが生まれました。

 
『生まれた!これは間違いない・・・』

 
それはそれは、嬉しい瞬間です。
 
ただ、その段階ではまだ単なるイメージなので、それが消えてしまわないうちに、何かに残さなければなりません。
 
イメージが消えないように意識を集中させながら、そのイメージによる高揚感をさらに膨らませ、核になるメロディーをボイスレコーダーに収録、そしてそのメロディーを支える和声を、再度イメージします。
 
和声をイメージすると、その先が見えて来ます。
 
高揚感がさらに膨らんでいくからです。

いい曲が生まれ始めた瞬間、核になるメロディーを支える和声は、その先に続くメロディーを生み出すためのエンジンの役割を果たすことがよくありますが、この時もそうでした。

メロディーを支える和声が心地よく胸に響き、私はさらに強い高揚感に包まれました。
 
生まれつつある曲が、とても強い生命力を持っているのが、よく分かります。
 
このあと曲がどのように発展していくのか、生まれた曲の生命力に任せて曲を育てるためにも、今度はピアノでもう少し音楽的に確認をすることにしました。
 
幸い、集中制作期間のため、仕事部屋ではいつでもアレンジやレコーディングができる環境が整っています。
 
核になるメロディーをピアノで弾きながら、もう一度注意深く確認します。
 
ほんのちょっとした音程の違いや、譜割り(メロディーのリズム)の違いで、生命力が突然消えたりしますから、ここはとても大事なポイントです。
 
そして、メロディーと心が求めている和声を確認し、さらにそれによってその先どんな風に曲が成長していくのかを、確認します。
 
間違わないよう、慎重にピアノで演奏してみます。
 
心の中で鳴っていた音楽が、より具体的になっていきます。
 
この段階で気をつけるのは、ピアノの音やコード進行によって、イメージがありきたな方向やイージーな方向へミスリードされないようにすることです。
 
そう、オリジナリティの確保ですね。
 
心に生まれた曲の原型はオリジナリティの塊ですが、それを曲として発展させる途中でオリジナリティが薄れたり失われたりしないよう、気をつけます。
 
ここでサビが完成したので、その勢いでAメロも生み、一気に曲を完成させたくなりました。
サビに生命力がちゃんとあると、AメロやBメロも導かれるように生まれることが多いからです。
 
(もちろん、Aメロから生まれてそのままサビまで一気に生まれることもあります。生命力の源がどこのパートから生まれるかは、曲によってまちまちです)
 
何度もサビを弾きながら、心が望む方向を探っているうちに、Aメロの表情が見えてきました。
 
サビが『強い決意と未来の輝きに向うイメージ』だとすれば、どうやらAメロは『心のまま、素直に自分を見つめる感じ』のようでした。
 
その表情に導かれ、メロディーがコード進行と共に生まれ始めます。

途中でよりリアルな感じ、つまり『少し迷ったり未知なものを見つめている表情』も欲しくなったため、それもそのまま曲にしていきます。
 
そうして自然な流れでAメロからBメロが生まれていきました。
 
あとは、それが命あるままサビにつながれば大丈夫。

そこだけは、全体の流れや音楽的なセンスを使って試行錯誤します。

そしてしばらくすると、Bメロからサビにいく力強い流れを見つけることができました。

改めて、Aメロ~Bメロ~サビという流れをピアノで弾いてみます。

メロディーの細かい譜割りはまだ改良の余地はありますが、曲が生まれた瞬間の生命力は全く衰えていません。むしろ、AメロやBメロが生まれたことと、和音の織りなす音楽的な美しさも相まって、より生命力が強くなったようです。
 

成功です。

心から納得のいく曲が、ちゃんと生まれました。
 

音楽に携わる仕事をしていて、本当に良かったな、と思う瞬間です。

そして何より嬉しいのは、この曲が生まれたことで、アルバム全体の方向性がしっかり確定できたことです。
 
生まれた曲をピアノでもう一度弾いて、いつでも聴けるようにラフにレコーディングし、次は全体の構成を考える段階、という状態になったことを確認すると、僕はカーテンを開け窓を全開にして、明るい陽射しと冷たくて気持ちの良い空気を部屋に招き入れ、アルバム全体のイメージをもう一度膨らませました。
 
 

3月31日には、今制作しているアルバムの配信が始まります。
 
それまでにいい曲をたくさん生んで、レコーディングもして間に合わせなければなりません。
 
頑張ってラストスパートをかけ、無事アルバムを完成させたいと思います。
 
ですから、次の「名曲の理由」をお届けできるまで、2週間ほど時間を頂けたら、と思います。
 
 
 
なお、次回は、ある大御所の方の作品を予定していますので、ご期待下さい!
 
 
 

 
 
【著者プロフィール】
 
津田直士 (作曲家 / 音楽プロデューサー)
 
小4の時 バッハの「小フーガ・ト短調」を聴き音楽に目覚め、中2でピアノを触っているうちに “ 音の謎 ” が解け て突然ピアノが弾けるようになり、作曲を始める。 大学在学中よりプロ・ミュージシャン活動を始め、'85年よ りSonyMusicのディレクターとしてX (現 X JAPAN)、大貫亜美(Puffy)を始め、数々のアーティストをプロデュ ース。
‘03年よりフリーの作曲家・プロデューサーとして活動。牧野由依(Epic/Sony) や臼澤みさき(TEICHIKU RECORDS) 、BLEACHのキャラソン、 ION化粧品のCM音楽など、多くの作品を手がける。 Xのメンバーと共にインディーズから東京ドームまでを駆け抜けた軌跡を描いた著書「すべての始まり」や、ドワンゴ公式ニコニコチャンネルのブロマガ連載などの執筆、Sony Musicによる音楽人育成講座フェス『ソニアカ』の講義など、文化的な活動も行う。
 
Twitter : @tsudanaoshi
ニコニコチャンネル:http://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi
 
 
moraで 津田直士の音楽を聴くことができます。
 
・プロデューサーとして作曲・編曲・ピアノを手がけた 
DSD専門自主レーベル"Onebitious Records" 『あなたの人生を映画に・・・』 
☆3月31日、同曲とコンセプトを同じくするフルアルバムがリリース予定!
 
・プロデュースを手がける
mora Factory アーティストShiho Rainbow の『虹の世界』『Real』『星空』 
 
 

 
 
津田直士「名曲の理由」バックナンバーはこちらから
 

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File03. 藍坊主「スプーン」(作曲:藤森真一)
 

今回は藍坊主の「スプーン」をご紹介します。

 

☆ 作品について
 
この曲は、藍坊主のメジャー第2弾シングルとして2005年11月23日にリリースされ、翌年2006年4月26日にリリースされたオリジナル・アルバム『ハナミドリ』に収録されました。
作曲はバンドでベースを担当する藤森真一です。
個人的な話ですが、私がレコード会社を離れてフリーランスの作曲家/音楽プロデューサーへの道を歩み始めたのが2003年、そしてちょうどその頃、藍坊主はインディーズデビューを果たしました。
 
藍坊主が所属する事務所の、別のバンドのプロデュースに私が参加していたため、その事務所のスタッフから「小田原で活動しているとても魅力的なバンドをプロデュースすることになり、そのインディーズアルバムをもうすぐリリースする」という話を聞いていました。
ユニークなバンド名と、小田原で多くのファンを集め、自主制作CDがたくさん売れている、という話、そしてバンドについて説明するスタッフの熱い語り口が印象的でした。
 
それから数年後、あるアーティストのプロデュースミーティングをしていた際に、参考資料として私のオフィスのスタッフがこの「スプーン」を聴かせてくれました。
そして聴いた瞬間、あまりに良い曲だったため、思わず「凄い!曲が良すぎる!これ、何ていうバンド!?」と叫んでしまったのを覚えています。
 
それが藍坊主の曲だと知って、数年前、スタッフの人がこのバンドのことを熱く語っていた理由がやっと分りました。
 
以来、折にふれ、藍坊主の曲を耳にしていますが、藤森真一の生む曲はいつも魅力的で、彼の世代では飛び抜けているその才能を、とても嬉しく感じています。
 
 
 
☆ 曲自体にエネルギーが溢れている
 
実はこの曲には、特別な才能や魅力を持つロックバンドにしかない、圧倒的なエネルギーが隠されています。
 
藍坊主はボーカル、ドラムス、ベース、ギターの4人組、ストレートなロックバンドです。
 
この曲は発表された当時、彼らは22~3才の若者。だからでしょう、アップテンポのこの曲には、ロックバンドらしい、若いが故の力強さやエネルギー、そして希望や未来といった「青春の輝き」に満ち溢れています。
一般的なロックバンドは、こういった要素をリズムやサウンドのエネルギー、あるいはバンドによってはパフォーマンスのスタイルなどで表現します。
 
しかし藍坊主の場合、そもそも原型であるメロディーと和音という曲の基本の部分に、そういった強いエネルギーがこもっているのです。
それが、この曲の圧倒的な魅力となっているのです。
 
曲は、Aメロをシンプルにしたメロディーによる、プロローグ的なパッセージから始まりますが、この部分を聴くだけでそれが分ります。
シンプルなメロディーとそれを支える和声が、若者の持つ「叫びたくなる気持ち」のような強いエネルギーをそのまま表現しているのです。
 
 
音楽というのは不思議です。メロディーを生む時に作者が持っている強い気持ちが、ちゃんとメロディーに込められるのです。
音楽的にどう分析しようが、このメロディーに「青春の輝き」が入っている根拠は説明できません。
 
でも、美味しい食べ物を冷凍して保存、その後加熱するとまた美味しく頂けるように、作者がメロディーに込めた「青春の輝き」は、ちゃんと音を通して聴き手に伝わります。
 
これを可能にするのは、リアリティです。
メロディーを生む時、作者自身が目に見えない大切なものをメロディーに込めることができたなら、それは必ず伝わるわけです。
 
そしてそこに必要なものが、オリジナリティなのです。
作者が借りものや何かのマネではなく、本当に自分の中から生まれた心の動きをメロディーに込めることで、そのリアリティが、そのまま人に伝えることのできる「見えない音の力」となるのです。
 
 
この連載では音楽面をご紹介するため、歌詞にはさほど触れませんが、この作品が持つ強い輝きは、歌詞と密接な関係があるので少し触れてみます。
 
主人公はおそらく青春と呼べる年頃でしょう。そんな年代は多くの場合、親や兄弟など家族という存在から一番離れている時期です。どんどん大人になっていくのですから、当然です。
だからこそ、(おそらく)一人暮らしをしている主人公は、一人の夜に、家族の暖かさや優しさ、その大切さに気づき、感謝の気持ちでいっぱいになります。そして、そんな当たり前の中にある幸せを大事にしよう、と心に誓います。
 
歌詞に描かれている世界は、同じような年代の多くの人の共感を生むでしょう。
 
 
ところで、この曲には歌詞の世界を支えるもう一つの力があります。
それが僕がこの曲に感動するポイントであり、この曲が名曲である大きな理由です。
 
作品に込められたものは、実は家族に対する感謝だけではありません。
歌詞には書かれていませんが、そこに気づく主人公が、自分の夢や未来に向って、もがきながらも力強く生きている、というところがもう一つの大切なポイントです。
 
だからこそ、家族に対する感謝の気持ちが、聴いている人の胸を打つのです。
 
それが聴いている人に伝わるのは、自分の夢や未来に向って力強く生きている様子が、先ほど書いたようにリアルなエネルギーとして、音に刻まれているからです。
歌詞の向こう側にある大切なものを、「見えない音の力」が伝えてくれているわけです。
 
 
 
☆ メロディーと和声の様子 プロローグ~Aメロ
 
そんな「見えない音の力」がどのように成り立っているのか、見てみましょう。
(※ バンドメンバーが歌詞の「湯気のむこうに・・・」から「言い忘れてた気がするよ」までの部分をAメロの後半と解釈しているのか、それともBメロと解釈しているのか、残念ながら私がプロデュースに関わっていないので不明ですが、ここでは曲の構成を大きくAメロとサビの2つに分けてとらえています)
 
この曲は「Aメロの持つ世界」がプロローグから始まってサビの直前まで、少しずつ形を変え、続いていきます。
動画を観てもらうと分かりますが、このAメロのアプローチは、プロローグから先に進むに従って、少しずつ音が増えたり、メロディーの一番上の高さが上がっていったりします。
 
 
① 「なにげない ぬくもり・・・」のところから
 
② 「リズミカルな包丁聞いて・・・」のところで、メロディーの音が増えます。そして、
 
③ 「湯気のむこうに・・・」の「むこうに」のところでメロディーが高くなり、気持ちの高まりと切なさがさらに増します。「ある笑顔に」のところも、メロディーが少し細かい動きが加わります。さらに、
 
④「(ありがとうの)一言を」のところではさらにメロディーが高くなり、そのシンコペーションもアレンジで強調され、気持ちがより強くなっている感じが伝わってきます。
 
 
 
(ピアノによる演奏という都合上、メロディーの譜割りが若干歌詞と違う部分があります。ご了承下さい。)
 
 
もちろん前回までにご紹介した名曲と同じように、こういった微妙な変化は、頭で考えて作られた結果ではありません。
作者の心の動きから自然に生まれているものだからこそ、聴く人にちゃんと伝わるのです。
 
さらに、そうやって少しずつ変化しながらも、メロディーのあり方や支えるコードが生み出す「Aメロの持つ世界」は、基本的に同じように繰り返されています。
こういったところからもまた、一途で純粋、そして未来に向かっていく青春の輝きが伝わってくるのです。
 
 
 
☆ メロディーと和声の様子 サビの直前~サビ
 
その「Aメロの持つ世界」の最後、「言い忘れていた気がするよ」のところでは、まるでサビの終わりのような力強い終わり方をします。
ここにも、私は藤森真一の圧倒的な才能と強い自信、そして意志を感じます。
 
この部分が力強いだけ、次に登場するサビが、その力強さを受けてさらに強く、大切なメッセージとエネルギーを発信しなければバランスがとれないからです。
サビの直前でピークに近い力強さを表現することで、曲と歌詞のどちらもが、それを遥かに上回る強くて大切なメッセージとエネルギーを持っている、と宣言しているような結果になっているわけです。
 
そして、その期待に見事に応える、輝きに満ちた素晴らしいサビが登場します。
 
あたりまえで あたりまえで・・・」と繰り返される歌詞。
 
そのメロディーは、「ミ・レ・ド・ラ」と「ミ・レ・ド・ソ」(移動ドによる表記です)という、力のある音階が、サブドミナントコードとトニックコードという基本の和音の力強さと共に、心に突き刺さります。
 
とても細かい、音楽的なことですが、最初のメロディー「ミレドラレレ~」の「レレ~」の部分は、サブドミナントコード、つまり「ファラド」に対して、6thの音です。
 
つまり和音そのものが持つ音ではありません
 
メロディーの経過音であればさほど目立ちませんが、ここではメロディーの最後、落ち着く音が6thである、ということで、独特の感じが聴く人に残ります。もちろんいつもお伝えしている通り、これは藤森真一が頭で考えた結果ではありません。
 
コードの6thで終わるメロディーといえば、ビートルズの「She Loves You」のサビの終わりが有名(この曲の場合はトニックコードに対しての6th)です。
いずれにしても、「ミレドラレレ~」「ミレドソドド~」という力強いメロディーの登場で、聴いている人の心はサビの世界に、大きく揺さぶられます。
 
 
個人的な話になってしまいますが、私は何度聴いても、次の「大切さに気付いてなかった・・・」つまりサビの7小節目で、必ず泣いてしまいます。
この部分は、サビのメロディーとコードが生み出す「高まる気持ちが切なさに近づくようなギリギリ感」が、メンバーとボーカルの気持ちのこもったパフォーマンスによって何倍も増幅されて、聴いている人の心を震わせてくれるのです。
 
曲を生んでいる時に作者が受けた感動が、そのまま聴く人の心を打つ、まさに名曲そのものです。
そしてまた、バンドという最小単位の表現スタイルが、名曲の持つシンプルな感動を強く増幅させる、とても素晴らしい結果でもあります。
 
これはちょうど過去、初期のビートルズや、藍坊主のメンバーが好きだったブルーハーツが実現していたことと同じです。
 
名曲が共通して持つ「シンプルな感動」が、バンドというシンプルなアレンジで分りやすく伝わること。
メロディーと和音だけでは伝わりきらない「力強さ」が、バンドの持つエネルギーできちんと伝わること。
 
この2つが重なるが故の素晴らしさなのです。
 
こういった作品を表現できるのは、名曲を生むことができるシンプルなロックバンドだけの特権かも知れませんね。
 
 
 
 
☆ メロディーと和声の様子 Cメロ~ラストサビ
 
間奏後のCメロ、つまり歌詞の「ただいまとスプーンに話しても・・・」のところは、主人公が自分と対話しているシーンです。しかもタイトルの「スプーン」が初めて登場するところです。
この曲のテーマである家族の大切さに主人公が気づく、とても大事な場面です。
 
アレンジ的には、ドラミングがキックの4つ打ちにスネアを叩かないことで、スピード感を維持したままダイナミクスを下げ、ギターやベースも8ビートを刻まずに白玉(全音で音をのばす意味)で演奏することで、このセクションの世界観を伝えています。
コードもonコード(=分数コード、変則的なベース音による和音)の多用で心象世界を表現しています。
 
その後、重要な「幸せに気づく」というイメージを表現するため、クレッシェンドでエネルギーが爆発していき、最後のサビに繋がっていきます。
歌詞の世界と連動して、Aメロやサビという曲の基本要素に鮮やかさを加える、見事な展開部分です。
 
 
最後のサビのラストにはさらに、《「あたりまえ」という「しあわせ」を大事にしよう》という、主人公が辿り着いた結論を加えて終わります。
音楽的には、その部分を印象的にしてきちんと伝えるために、あえて他のサビとはコード進行を変えています。
 
 
 
 
 
☆ 「スプーン」以外にも・・・
 
藍坊主は、この「スプーン」が収録されたアルバム『ハナミドリ』以外も、インディーズ盤を含め7つのオリジナルアルバムと2つのミニアルバム、ベスト盤などをリリースしています。
 
それらの中には「鞄の中、心の中」「名前の無い色」「宇宙が広がるスピードで」「伝言」「向日葵」など、素晴らしい作品がたくさんあります。
 
また、藤森真一はその作曲能力を評価され、関ジャニ∞の「宇宙に行ったライオン」や水樹奈々のシングル「エデン」といった作品も手がけています。
 
 
今回はご紹介した「スプーン」は、名曲でありながら、シンプルなロックバンドならではの、4人のエネルギーがひとつになった荒削りな音や演奏も作品の魅力のポイントです。
曲の成り立ちを便宜上ピアノで解説しましたが、良かったらぜひ藍坊主の実際の音源を聴いて、そのエネルギーの素晴らしさを体験してみて下さい。
 
 
 
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藍坊主 ベストアルバム
『the very best of aobozu』

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【著者プロフィール】
 
津田直士 (作曲家 / 音楽プロデューサー)
 
小4の時 バッハの「小フーガ・ト短調」を聴き音楽に目覚め、中2でピアノを触っているうちに “ 音の謎 ” が解け て突然ピアノが弾けるようになり、作曲を始める。 大学在学中よりプロ・ミュージシャン活動を始め、'85年よ りSonyMusicのディレクターとしてX (現 X JAPAN)、大貫亜美(Puffy)を始め、数々のアーティストをプロデュ ース。
‘03年よりフリーの作曲家・プロデューサーとして活動。牧野由依(Epic/Sony) や臼澤みさき(TEICHIKU RECORDS) 、BLEACHのキャラソン、 ION化粧品のCM音楽など、多くの作品を手がける。 Xのメンバーと共にインディーズから東京ドームまでを駆け抜けた軌跡を描いた著書「すべての始まり」や、ドワンゴ公式ニコニコチャンネルのブロマガ連載などの執筆、Sony Musicによる音楽人育成講座フェス『ソニアカ』の講義など、文化的な活動も行う。
 
Twitter : @tsudanaoshi
ニコニコチャンネル:http://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi
 
 
moraで 津田直士の音楽を聴くことができます。
 
・プロデューサーとして作曲・編曲・ピアノを手がけた 
DSD専門自主レーベル"Onebitious Records" 『あなたの人生を映画に・・・』 
 
・プロデュースを手がける
mora Factory アーティストShiho Rainbow の『虹の世界』『Real』『星空』 
 
 
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File02. スティービー・ワンダー「 Isn't She Lovely」(作曲:スティービー・ワンダー)
 
今回は スティービー・ワンダーの「Isn't She Lovely」をご紹介します。
 
 
☆ 曲とスティーヴィー・ワンダーの作品について
 
この曲は1976年にリリースされたスティーヴィー・ワンダー18枚目のオリジナル・アルバム「Songs in the Key of Life(キー・オブ・ライフ)」に収録された曲です。
このアルバムの中でも人気の高い曲で、日本では過去CMに使用されていることから比較的よく知られた曲です。
愛娘アイシャの誕生を喜ぶ内容の歌詞と、実際彼女(赤ちゃん)の声が曲中に使われていることで、深い愛と喜びに満ちた作品となっていますが、大人になったアイシャはスティーヴィーのステージやアルバムでボーカリストとして共演もしています。
 
私事ですが、大学に入ったばかりの頃、私はスティーヴィー・ワンダーの音楽に心酔していました。
そしてこのアルバム「キー・オブ・ライフ」を、当時流行し始めていたウォークマンにダビング、毎日エンドレスで聴きながら大学へ通っていた記憶があります。
 
クラシック音楽を聴いて音楽の魅力に目覚め、美しいメロディーの名曲を求め続けていた私にとって、ビートルズやポールサイモン、クイーン、そして日本の伊勢正三や松任谷由実の音楽はそのまま体に染み込んだのですが、ブラックミュージックはメロディーに「ブルーノート」があるからでしょうか、なかなか馴染むことがありませんでした。
おそらく私の場合、美しいメロディーというのは、クラシックから受け継がれた「ドレミファソラシド」が基本になっていたのでしょう。
 
そんな中、高校生のある日ちょっとした興味でスティーヴィー・ワンダーの曲をレコード店で試聴した僕は、その音楽が持っている、とてつもなく強くて暖かいエネルギーに圧倒されました。
何か、今まで自分の知っていたアーティストの作品とは別の、未知なる魅力を感じたのです。
そしてあっという間にスティーヴィー・ワンダーのとりこになり、片っ端からその作品を聴くことになったのです。
 
名曲探しの旅をしていた私にとって、スティーヴィー・ワンダーの音楽との出会いは大きなターニングポイントになりました。
それは、ブラックミュージックとの出会いだったのです。
 
 
☆ ブルーノートの不思議
 
スティーヴィー・ワンダーの作品で、「SUPERSTITION(迷信)」という名曲があります。「Talking Book(トーキング・ブック)」という、1972年にリリースされたアルバムの中の一曲です。
その出だし、つまりメインメロディーを聴いた時に僕はあることに気づきました。
 
歌詞の「…on the wall」そして「…to fall」という部分の、スティーヴィー・ワンダーが歌う音程が、音符では表せない高さだ、という事実です。
原曲のキーでいうと、F♯とGの間の音程です。
 
その頃私はすでに「ブルーノート」という言葉とその意味は大体知っていたので、聴いた瞬間に(そうか、これが本物のブルーノートなんだ・・・!)と感動したのです。
 
 
「ブルーノート」という旋律の魅力は、黒人にとってネイチャーな音楽性を、西洋音楽のフレームで表現しようとした時に、ある音程が微妙に、西洋音楽のフレームから外れるところにあります。
ハ長調(Cのキー)でいうと「ドレミファソラシド」のうち、「ミ」や「シ」の音が、少し低くなる(フラットする)。これが、黒人ならではの、ネイチャーな音楽性です。
 
その低くなる度合いを、微妙に、ではなく、無理やり半音にしてしまうと、「ミ」が「ミ♭」に、「シ」が「シ♭」になるので、そこから西洋音楽のフレームに無理やり合わせた「ブルーノートスケール」というのが生まれました。
けれども、それはあくまで便宜上のことなので、黒人であるスティーヴィー・ワンダーが心の中で一番美しく響くメロディーを声で奏でると、西洋音楽の「ミ」でも「ミ♭」でもない音程が自然と生まれてくるわけです。
 
 
☆ スティーヴィー・ワンダーに気づかされた名曲が生まれる背景
 
他にもスティーヴィー・ワンダーの作品には、声そのものや強くうねるリズム、大地から光に向っていくような楽曲の強い生命力など、たくさんの魅力に満ち溢れていますが、その多くはやはり、黒人ならではの魅力、つまりブラックミュージックの魅力と重なっていました。
ですから、私はスティーヴィー・ワンダーとの出会いによって、アース・ウィンド&ファイヤーダニー・ハサウェイルイ・アームストロングジョン・ルイスアル・ジャロウマイケル・ジャクソンといった素晴らしいアーティスト達が生み出すブラックミュージックと、その後巡り会っていったわけです。
 
さて、その一方で、僕はスティーヴィー・ワンダーの音楽から「黒人であるが故の魅力」と「黒人というネイチャーを超えた広がり」のふたつを感じ取っていました。
ネイチャーが持つ魅力には深さとエネルギーがある一方で、それを感じ取ることのできる人だけに伝わりやすい、という狭さが共存しているからです。
 
一方、世の中にはあらゆる民族の、あらゆるスタイル、ジャンル、方向性の音楽が存在しています。
多くの才能あるアーティストは、自らのネイチャーが生み出す魅力だけでなく、世の色々な音楽の可能性を自分に取り入れ、音楽的な広がりを求めていく、という傾向がありますが、スティーヴィー・ワンダーもやはりそうでした。
あらゆるジャンル、音楽表現を取り入れ、いち早くシンセサイザーを活用した多重録音に取り組み、ジャンルにとらわれない作品を生み出し、発表していきました。そしてその姿勢は、スティーヴィーのオリジナリティをより豊かにする結果へつながっていきました。
 
スティーヴィー・ワンダーと出会った高校生の私は、名曲探しの旅の途中で、「自らのネイチャーが生み出す魅力に世の中のあらゆる音楽を取り入れて、全く新たな、オリジナリティに満ちた作品を生み出す」という姿勢がエネルギー溢れる名曲を生み出すのだ、ということを教えられたのです。
これは「オリジナリティ」「ネイチャー」「普遍性」「多様性」といった要素と、名曲の関係の、ある大切な答えだったのです。
 
そして私にとっては、「トーキング・ブック」や「インナーヴィジョンズ」といった名盤がたくさんある中で、「Songs in the Key of Life(キー・オブ・ライフ)」というアルバムが、当時のスティーヴィー・ワンダーのそういったオリジナルな魅力が集約された、神アルバムだったわけです。
 
 
 
☆ 「Isn't She Lovely」
 
「Isn't She Lovely」の魅力は、輝くような明るさと、未来に向かう希望の光、そして深い愛情と幸せに溢れた感情が、そのまま音楽になっているところです。
歌詞を見ると分るように、愛娘アイシャが誕生したことの喜びと、その可愛さへの感動がこの作品を支えているわけですから、音にそのような明るいエネルギーが満ちているのは当然ですね。
 
つまりこういったテーマが、まず「Isn't She Lovely」という作品にはあって、それらを表現するメロディーやハーモニー、リズム、さらには歌や演奏によって、きちんと世界観が表現されるわけです。
 
 
① メロディー
 
この曲が名曲だと私が感じるのは、確固たるオリジナリティと、にもかかわらず誰が聴いてもすぐに口ずさめるシンプルな魅力が共存しているからです。
「その作品が誕生するまでは世の中になかった」のにも関わらず、「多くの人が聴いた時にとても馴染みやすい感じがする」……これは、不思議なくらいに世の名曲が共通して持つ性質です。
 
馴染みやすい理由はメロディーを見ればすぐに分ります。
 
『移動ド』で表記すると、メロディーはしばらくの間、「ミファミレ~ドド~」の繰り返しです。
続くメロディーも「ミファソソ ミファソファ」「ミミミ ミレドレ~ドラ」です。
そして再び「ミファミレ~ドド~」がきて、「ラ~ソ~ レド~」で終わります。
 
非常にシンプルです。
 
 
 
② 和声
 
そして、このシンプルなメロディーは、この曲のコード(和声)進行との関係によって、普遍的でありながらそのオリジナリティを確固たるものにしています。
 
コード進行は、この曲のキーであるEの並行調(Eと同じドレミファソラシドを支えるマイナーキー)のC♯m7から始まり、そのサブドミナントのF♯mをメジャーにして9thの響きでより豊かにしたF♯9、そしてドミナントのB7の代わりに豊かな響きをプラスした分数コードのF♯m7/B、を経てトニックつまりホームのE。これを繰り返します。
 
ちなみに、コードには、あるコードを聴くと、次にあるコードに移った、どんな人でも安心する、という不思議な動きがあります。
ドミナントからトニック」「トニックからサブドミナント」という動きが、まさにそれです。
このコード進行は、ちょうどこの動きがそのまま使われています。しかも一小節ごとに。
このことで、心がとても気持ち良く、次へ次へと移っていきます。
先ほど例で取り上げた「SUPERSTITION(迷信)」が、16小節もの間、ずっとトニックでステイするのと対照的です。
こういったところにも、その作品ごとにスティービー・ワンダーが世界観を創り上げている様子がわかります。
 
続く展開は、Amaj7から、並行調のC♯mに向かうG♯7(※ここでは正確にはG♯♭9というdimに近い複雑な響きのコードが使われます。)、そしてC♯mからはまたさっきと同じF♯9、ドミナントのF♯m7/B、トニックのEへ、と戻ります。
最後に、この曲を象徴するリフがユニゾン(複数の楽器、パートが同じメロディーを奏でること)で演奏されます。
 
 
 
③ リズム
 
そして、そのメロディー、ハーモニーを、6/8拍子の軽快なリズムが支えながら、輝くような明るさと、未来に向かう希望の光を音楽にしているのです。
リズムのポイントは、普通の8ビートではなく、3連によってリズムが跳ねているところですね。
新たな生命の誕生、という躍動感を、跳ねたリズムで表現しています。
 
 
つまり、シンプルなメロディー、そのための和声、それらを支えるリズム、といった3つの要素が、きちんと必然性を持ちながら、明確にひとつのテーマに向って結びついていることで、確固たるオリジナリティが生まれ、また明確なテーマに向っているからこそ、そのテーマが表現する世界観が聴いている人にしっかりと届くわけです。
いわばこれが「名曲の理由」です。
 
私は、このことを分りやすく伝えるために「生きている」という表現を使っています。
 
名曲は生きている
 
僕が人生で常に探し求めているのは、多くの人の心を動かす「生きた作品」なのです。
 
(スティーヴィー・ワンダーのボーカルは世界を代表するほどの魅力と才能を持っており、さらに同じくハーモニカプレイもボーカルと負けないほど、圧倒的な才能と魅力を持っています。それらの豊かで心に沁みる美しさと感動も、この曲ではじっくり味わうことができます)
 
 
 

(つづく)

 
 

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【著者プロフィール】
 
津田直士 (作曲家 / 音楽プロデューサー)
 
小4の時 バッハの「小フーガ・ト短調」を聴き音楽に目覚め、中2でピアノを触っているうちに “ 音の謎 ” が解け て突然ピアノが弾けるようになり、作曲を始める。 大学在学中よりプロ・ミュージシャン活動を始め、'85年よ りSonyMusicのディレクターとしてX (現 X JAPAN)、大貫亜美(Puffy)を始め、数々のアーティストをプロデュ ース。
‘03年よりフリーの作曲家・プロデューサーとして活動。牧野由依(Epic/Sony) や臼澤みさき(TEICHIKU RECORDS) 、BLEACHのキャラソン、 ION化粧品のCM音楽など、多くの作品を手がける。 Xのメンバーと共にインディーズから東京ドームまでを駆け抜けた軌跡を描いた著書「すべての始まり」や、ドワンゴ公式ニコニコチャンネルのブロマガ連載などの執筆、Sony Musicによる音楽人育成講座フェス『ソニアカ』の講義など、文化的な活動も行う。
 
Twitter : @tsudanaoshi
ニコニコチャンネル:http://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi
 
 
moraで 津田直士の音楽を聴くことができます。
 
・プロデューサーとして作曲・編曲・ピアノを手がけた 
DSD専門自主レーベル"Onebitious Records" 『あなたの人生を映画に・・・』 
 
・プロデュースを手がける
mora Factory アーティストShiho Rainbow の『虹の世界』『Real』『星空』 
 
 
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津田直士「名曲の理由」バックナンバーはこちらから
 
 

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☆ 解説の前に・・・(曲を生む、ということ)
 
今日も「ENDLESS RAIN」が名曲である理由を解説していこうと思いますが、解説する前にひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
これからご紹介するメロディーや和声の成り立ちは、解説を見ると、とても良く成り立っていることが分かると思いますが、実は作曲する時に、こういったことを考えながら作っているわけではない、というところが大事なんです。
 
もちろんこういった成り立ちを先に考えた上で曲を作ることも可能です。
しかし残念ながら、そのようにして作った曲は、この連載で取り上げるような名曲とはならないんですね。
 
僕は名曲を生み出すことのできる作曲家については、曲を「作る」のではなく、「生む」という表現をしています。
 
これは、頭で考えるのではなく「心の震えや感情をそのまま音楽にする」という行為が本当の作曲であり、それができる人にしか名曲を生むことはできないから、と僕は考えています。
多くの人が聴いた時、名曲が心にすうーっと滑らかに届いて感情を揺さぶるのは、そのためだと思います。心と心が交信しているような感じですね。
 
 
☆ Aメロからサビへの流れ
 
① Aメロ
 
前回ご紹介した、大きくて美しいメロディーが光るサビ。
このサビに向っていく、AメロとBメロがどうなっているか見てみましょう。
 
動画を見てもらえると分りますが、サビが「下のミから上のシ、ド、レ」という音域でメロディーが展開するのに対して、Aメロは「さらに下のソから下のミ」のあたりでメロディーが展開しています。
サビよりもかなり低い音域で展開することでサビとの違いが明確になっています。
 
あの、ドラマティックで圧倒的な美しさが輝くサビが引き立つような、静かで、穏やかで、優しい世界がAメロの持ち味です。
このAメロも含めて、すべてのメロディーがなめらかで美しいのが「ENDLESS RAIN」の特徴です。
 
和声進行もサビとの違いが明確です。
前回解説したようにサビは下降進行という和声進行ですが、こちらが1小節に2つずつ和音が変わっていくのに対して、Aメロでは基本的に1小節に1つずつ和音が変わっていく展開になっています。
 
また、さらに注意深く和声進行を見てみると、Cの次のコード(和音)Gが、G/C つまりコードのGに対してベース音(根音、ルート音ともいう、和音に対する唯一の低音)がCになっています。
 
これは実は Co Producerだった当時の僕が提案したものなんですが、C~Gとダイナミックにコードが動くのに対し、あえてベース音がC-Cと動かないことで、このAメロが持っている、静かで穏やかで優しい世界を表現できるからなんです。
 
理論的には『通奏低音』や『ペダルポイント』と呼ばれる技法です。
和声自体に透明感が増す、という効果も考えて、このコード進行を使いました。
(イントロの、C-G-F-G というコード進行も、ベース音はすべてC、これも通奏低音です)
 
余談ですが、この曲はストリングス(弦楽オーケストラ)による透明感のある和音(Cadd9)から始まります。
これも僕の提案でした。この「ENDLESS RAIN」という名曲がジャンルを超えてあらゆる人たちに届くように、曲の持つ美しい透明感がより伝わるための演出として、これらをプロデュース上、プラスしたわけです。ちょうどこの曲のプロモーションビデオで観ることのできる、雨の光や透明なグランドピアノのイメージですね。
 
さて、その『通奏低音』にはもう一つのねらいがありました。
それは、Aメロの、CーGという最初のコードの動きが、サビの最初のコードC-Em7/Bと同じ方向性を持っているので、ベース音がCのまま固定されていることで、サビの世界を際立たせるような効果も生まれます。
 
 
 
② Aメロの終わりからBメロへ
 
Aメロは、後半にメロディーが下の「ラ」から上の「ラ」まで突然上がり、変化した表情の流れでBメロに移っていきます。
この、Aメロの終わりでメロディーが高くなるようなところは、何気ないようですが、まさにこの曲が名曲である証であり、心をそのまま曲として表現できるYOSHIKIの素晴らしい才能の表れです。
ちょうどこの曲のハイライトである、サビのメロディーと同じで、『曲を、作るのではなく生んでいる』からこそ、存在できるメロディーです。
 
Bメロのコード進行は、「F- G- C- E7」と展開します。
 
前回お伝えした主要3和音の話を思い出して下さい。
Aメロもサビも、始まりの和音は、ホームのような感じのする「トニック」コード、「C」です。
しかしBメロの始まりの和音だけは、ちょっと横へ移動した感じの「サブドミナント」コード「F」であることが分ります。
 
これもYOSHIKIの心がそのように動いた結果なのでしょう。
そしてメロディーは「下のシからミ」という狭く近接した範囲の4つの音だけで構成されています。その結果、次に登場するサビのメロディーの大きな動きが、とても効果的に心に届きます。
 
このBメロの和声「F- G- C- E7」というコード進行では、「E7」が光ります。
 
キーがCの場合、同じメロディーを支えることのできるマイナー(短調)キーはAmですが、E7というのはAmキーにとって 「ドミナント」なので、いわばAmというキーの「顔」です。
しかも、メジャーキーであるCの基本的なメロディーは「ドレミファソラシド」なので、E7の特性音である「ソ♯」は、本来基本的なメロディーから外れているわけです。
 
そんなこともあって、厳密にいえば Amというキー(=同じメロディーを支えることができる位にCというキーと近いけれど、あくまでも短調、つまり暗い表情を持つキー)に、『一時的な転調』をしていることになります。
このような背景から、メジャーキーの際に、このE7のような和音の響きを聴くと、人はみな、とても切ない、哀しい気持ちになるのです。この「ENDLESS RAIN」は、曲全体がメジャーキーの世界で構築されているため、このE7の部分だけ、響きが特別に切なく哀しく、光るわけです。
 
 
 
☆ サビの後の展開部分
 
2番のサビのあと、新たな展開が広がります。
ここは典型的な転調が広がるメロディーを支えています。
 
Cのキーに対して、短三度上のE♭というキーになります。
 
この転調は心に広がりをもたらしてくれる転調です。短三度、つまり半音の3つ分、音が全て上にあがるため、気持ちも上へあがり、広がりを感じるのです。
(参考までに、このセクションでは、さらに広がりを持たせるために、コードがA♭- B♭- A♭- B♭と変化しているのに対して、ベース音はずっとA♭のままです。 B♭/ A♭というコードが、とても広がりを感じさせてくれる和音だからです。)
 
 
☆ YOSHIKIの才能が生んだ名曲
 
曲としてはその後、間奏であるギターソロへ移り、再び静かなAメロへ、そしてBメロを経てサビが何度か繰り返されて終わるのですが、その美しい流れはぜひ、実際の音源を聴きながら楽しんで頂ければと思います。
 
以上、ご覧頂いて分かるように、このようにていねいに見ていくと「ENDLESS RAIN」は名曲であることが必然であるかのように、名曲の理由がいくつもあります。
しかし最初に書いたように、今回ご紹介した内容の全てが、事前に考えられたわけでも準備されたわけでもなく、YOSHIKIの心の震えと感情からそのまま生みだされ、曲となったのです。
 
私がご紹介した内容は、すべて結果です。YOSHIKIの望むままに紡ぎ出されたものの中に、結果として名曲の理由にあたる要素がたくさんあったわけです。
そしてこの曲が多くの人の心を動かすということは、それだけこの曲の成り立ちが「素直」だということでしょう。
作為もなく計算もなく心のままに生み出されたものが、世界中の人にとって心地よいもので、かつ感動を呼ぶ。
 
それこそが名曲の条件なのかも知れません。
 
今回ご紹介したYOSHIKIは、昨年10月、X JAPANのMSG公演を成功させ、世界的なアーティストとして活動していますが、そこに至るまでの大きなきっかけとなったのが、この「ENDLESS RAIN」です。
そしてその才能ゆえに、その後もずっと数々の名曲を生み出し続けています。YOSHIKIが選ばれた才能の持ち主であることは、彼が20年以上変わらずに名曲を生み続けているという事実が証明しています。
分りやすい例として、最近の作品で「JADE」という曲がありますが、この「ENDLESS RAIN」のような名曲性と、今の世界的な活動を象徴するようなサウンド面でのクオリティーの高さが両立した、圧倒的な名曲です。
 
もし機会があれば、こちらの曲も聴いてみて下さい。
 
 
 
 
(つづく)
 


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【著者プロフィール】
 
津田直士 (作曲家 / 音楽プロデューサー)
 
小4の時 バッハの「小フーガ・ト短調」を聴き音楽に目覚め、中2でピアノを触っているうちに “ 音の謎 ” が解け て突然ピアノが弾けるようになり、作曲を始める。 大学在学中よりプロ・ミュージシャン活動を始め、'85年よ りSonyMusicのディレクターとしてX (現 X JAPAN)、大貫亜美(Puffy)を始め、数々のアーティストをプロデュ ース。
‘03年よりフリーの作曲家・プロデューサーとして活動。牧野由依(Epic/Sony) や臼澤みさき(TEICHIKU RECORDS) 、BLEACHのキャラソン、 ION化粧品のCM音楽など、多くの作品を手がける。 Xのメンバーと共にインディーズから東京ドームまでを駆け抜けた軌跡を描いた著書「すべての始まり」や、ドワンゴ公式ニコニコチャンネルのブロマガ連載などの執筆、Sony Musicによる音楽人育成講座フェス『ソニアカ』の講義など、文化的な活動も行う。
 
Twitter : @tsudanaoshi
ニコニコチャンネル:http://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi
 
 
moraで 津田直士の音楽を聴くことができます。
 
・プロデューサーとして作曲・編曲・ピアノを手がけた 
DSD専門自主レーベル"Onebitious Records" 『あなたの人生を映画に・・・』 
 
・プロデュースを手がける
mora Factory アーティストShiho Rainbow の『虹の世界』『Real』『星空』 
 
 
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では早速、第一回目にご紹介するのは、X JAPANの「ENDLESS RAIN」です。
作曲はX JAPANのリーダーで、ドラムスとピアノを担当しているYOSHIKIです。
 
 
☆ 曲について
 
この曲はX JAPAN(当時はX)の初メジャーリリースアルバム「BLUE BLOOD」に収録されたバラードです。
先行してシングルカットされた当時のXの代表曲「紅」と共に、テレビなどのメディアを通してXというバンドの認知を広める大きなきっかけとなりました。
 
当時、僕はXのディレクターでした。
YOSHIKIという若いアーティストが、ゼロから名曲を生むことのできる「選ばれた才能」を持っていることに気づき、当時のXというバンドのイメージ、つまり
『見た目が派手でコアファンだけに人気の激しいメタルバンド』
というイメージとは全く違った、
『いずれ日本を代表するバンドとなり、世界中に伝わるような100年残る音楽を生み出すアーティスト』
となるはずだ、と信じ、エネルギーを込めてメンバーと共にアルバムを制作していました。
 
「ENDLESS RAIN」は、メジャーキー(長調)の美しいバラードを生むことを僕が勧めた結果、YOSHIKIが1988年に生んだ、美しいメロディーが光る名曲です。
生まれたばかりの曲を聴かせてもらった時の感動は、今でも忘れることはありません。
 
この連載で皆さんにご紹介していこうと思っている名曲はみな、圧倒的で素晴らしい共通点があります。
それは
心を打つメロディーと、それを支える美しい和声が相まって、多くの人に感動を与える曲
であり、
何のマネでもなくオリジナリティの塊で、過去にはない新しいメロディーと和声の関係が光る曲
であり、
意図して作為的に作られた曲ではなく、作曲家の心の震えがそのまま曲となって生まれた、ピュアな曲
です。
 
そんな名曲を生める、選ばれた才能の持ち主なんだ、とYOSHIKIに伝えていた僕は、「ENDLESS RAIN」のサビを聴いた時、改めて驚きました。
これだけ多くの音楽が溢れている今(1988年当時)、まだこれだけシンプルかつ大きなメロディーでどんな曲
にも似ていない魅力ある曲が、新たに生めるのか・・・!
そんな風に驚き、感動したのです。
 
 
 
☆ 和声について(下降進行の和声進行)
 
「ENDLESS RAIN」のサビのメロディーを支える和声は、一般的に『下降進行』と呼ばれるものです。
この和声進行について少し説明してみましょう。
 
① 主要3和音
ひとつのキー(調)に対して、ポップス等でごく一般的に使われる和音は、少なくとも20以上はありますが、
これらの和声の中で、特に重要な役割を果たすのは、主要3和音といわれる3つの和音です。
その響きは、世代や人種を問わず誰もが同じような「感じ」を受ける特性を持っています。
 
トニック」と呼ばれる和声(キーがCの場合、C=ドミソ)
ドミナント」と呼ばれる和声(キーがCの場合、G=ソシレ)
サブドミナント」と呼ばれる和声(キーがCの場合、F=ファラド)
の3つです。
 
そして、マイナーキー(短調)の場合でも同じように3和音はあります。
Cのキーで使われるメロディーをそのままマイナーキー(短調)で支える場合は、Amというキーになるのですが、それぞれ
トニック」(キーがAmの場合、Am=ラドミ)
ドミナント」と呼ばれる和声(キーががAmの場合、Dm=レファラ)
サブドミナント」と呼ばれる和声(キーががAmの場合、E=ミソ#シ またはEm=ミソシ)
となります。
 
 
 
② 下降進行の和声進行
 
これらの和声を、より豊かで複雑な響きにしてバリエーションを増やしていくと、先ほど書いたようにひとつのキー(調)に対して20以上の和声になっていくのですが・・・どんな和音も基本はやはり3和音なんですね。
ですから、どんなに複雑かつ豊かな和声の響きも、分解していくと主要3和音に行き着くのです。
 
そこで今回の「ENDLESS RAIN」で使われている、とても豊かな和声進行『下降進行』を、あえて主要3和音をもとにして解説してみましょう。
 
実は、基本にある和声は、
《 C G Am Am F C F G 》の基本3和音なんですね。
この和声に対して、和声を根元で支えている低音(これはbass音=ルート音といって、1つの音となります)が、
《 C B A G F E D 》と下がっていくんですね。最後はGに上がり、また繰り返しのCへと続きます。
低音が下がっていくから、『下降進行』と呼ばれるんです。
 
この「下がっていく感じ」が心に心地よく響くために、この和声を使用した曲はたくさんあります。
(例:「青い影」プロコルハルム 「青春の影」チューリップ 「妹よ」かぐや姫)
 
 
 
☆ 特徴のある和声にささえられながら・・・美しいメロディー
 
そんな風に心地の良い『下降進行』ですが、和声が心地よくても、メロディーに感動を伝えたり心を打ったりする強いエネルギーというか、生命力のようなものがなければ、名曲とはなりません。
 
では「ENDLESS RAIN」のサビのメロディーを見てみましょう。
 
メロディーは、「ミ」を3拍伸ばした後、「シ」に上がって1拍、そしてに「ド」へ上がり、また3拍伸ばします。
とてもシンプルで大きなメロディーですね。
にもかかわらず、下降進行の和声と相まって、とても胸に響きます。
もちろん、あえて分析をすれば、明るいCの和声で「ミ」が始まり、和声が下がる中メロディーが逆に「シ」と上へ上がり、「ド」へ辿り着いた時に、和声は暗めのAmに落ち着く・・・ので、胸に響く。
とも解釈できますが、これは美味しい料理を分子レベルで分析したり、恋している好きな人のことを細胞やDNAで分析するのと同じで、大した意味はありません。
 
それよりも、人の心を打つ曲をゼロから生むことのできる作曲家の「心」に注目した方が良いでしょう。
 
 
このサビのメロディー、「ミ」を3拍「シ」を1拍、「ド」を3拍 と同じようにとてもシンプルな、誰でも知っている、あるパッセージと比べると、名曲の深淵が見えてきます。
その例は、小学校の授業などで始まりの際にお辞儀をする、あれです。
「ド」を2拍「シ」を2拍「ド」を3拍。
このパッセージを聴きながらお辞儀をする際に、果たして人々は深く感動するでしょうか。
 
「お辞儀の伴奏」と同じくらいにシンプルなのにも関わらず、「ENDLESS RAIN」のサビが聴く人の心を打つのは、作曲したYOSHIKIの心の震えや感情が、そのまま音になっているからです。
 
そして心の震えや感情を、そのまま音楽にするために、メロディーと和声を作的な過程を一切経ず、形にすることができたからです。
 
これは『名曲の理由』の大きなひとつです。
 
作曲をする人が数多くいても、名曲がその数だけ生まれないのは、作曲する人の心の震えや感情を、そのまま音にすることが、とても難しいことを意味しています。
 
そして、この難しいことを、音楽的な素養と、ある心の状態によって実現する方法を自分なりに会得した人だけが『名曲を生む』という素晴らしい行為をものにできるわけです。
 
それは、作曲家の心の中と非常に深い関係があるのです。
 
 
次回も、引き続き「ENDLESS RAIN」が名曲である理由を解説していきたいと思います。
 
 
 
(つづく)
 
 
 
※ 今回ご紹介した和声や和声進行の解説は、音楽理論などに馴染みのない方にも理解しやすいよう、詳細を省いています。実際には下降進行は、
 
C-Gsu4/B-Am-Em13/G-Fadd9-F/E-Dm7-Dm7/G
 
という和声進行や、マイナーキーの
 
Am-AmMaj7/A♭-Am9/G-F#m7♭5-FMaj7-Am/E-B7/D#-Esus4-E7
 
という和声進行など、多様にありますし、「ENDLESS RAIN」の和声進行も、正確に記述すると
 
【C-Em/B-Am-Am/G-F-C/E-Dm7-Gsu4 G7】
 
であったりします。このような詳細については、機会がありましたら、いずれご紹介します。



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【著者プロフィール】
 
津田直士 (作曲家 / 音楽プロデューサー)
 
小4の時 バッハの「小フーガ・ト短調」を聴き音楽に目覚め、中2でピアノを触っているうちに “ 音の謎 ” が解け て突然ピアノが弾けるようになり、作曲を始める。 大学在学中よりプロ・ミュージシャン活動を始め、'85年よ りSonyMusicのディレクターとしてX (現 X JAPAN)、大貫亜美(Puffy)を始め、数々のアーティストをプロデュ ース。
‘03年よりフリーの作曲家・プロデューサーとして活動。牧野由依(Epic/Sony) や臼澤みさき(TEICHIKU RECORDS) 、BLEACHのキャラソン、 ION化粧品のCM音楽など、多くの作品を手がける。 Xのメンバーと共にインディーズから東京ドームまでを駆け抜けた軌跡を描いた著書「すべての始まり」や、ドワンゴ公式ニコニコチャンネルのブロマガ連載などの執筆、Sony Musicによる音楽人育成講座フェス『ソニアカ』の講義など、文化的な活動も行う。
 
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ニコニコチャンネル:http://ch.nicovideo.jp/tsudanaoshi
 
 
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DSD専門自主レーベル"Onebitious Records" 『あなたの人生を映画に・・・』 
 
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