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日高央のトピックス

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Vol.10 Theme : 「昨今のアイドルとポール・ウェラーの親和性

 

 今年に入って女性アーティストのプロデュースをたっくさん手掛けさせていただきました! せっかく音楽ラヴァーズが集まっているmoraなので、一つ一つ元ネタを紐解きながらご紹介します。

 

 まずは美脚と(個人的には美脇だとも思ってる)北欧感で羨望の眼差しを集める美女2人組バニラビーンズ(以下バニビ)。レナ嬢のアイドル好きっぷりや、リサコ嬢のROCKマニアっぷりに歓喜しつつ、マキタ学級(芸人・ミュージシャンのマキタスポーツが率いるバンド)のイベント等で現場がご一緒の機会も多く、自然とご挨拶する仲に……そしてタワレコ渋谷にNOTTV1『MUSICにゅっと。』収録で週2で通うようになり、同じく渋タワで『洋楽第二企画室』MCで通い詰めているリサコ嬢と再会し、今回こうしてプロデュースするチャンスをいただいた感じです。

 アイドルとは言えキャリアの長い2人だし、ブリッブリのアイドル曲よりも、常にスウェディッシュ感やロック感を絶妙にハイブリッドしてきたバニビだけに、俺が書くとなるとやはり80’sの美味しい部分を抽出しつつ、今風にブラッシュアップした楽曲を提供したいなと思い、色々考えた果てに辿り着いたのが……スタイル・カウンシル(The Style Council)でした。

 

 オアシスやブラーといったブリットPOP勢の父・ポール・ウェラーが、オリジナルPUNK期にモッズ・スタイルをリバイバルさせて当時の英国キッズのハートを鷲掴みにしていたTHE JAMをあっさり解散させて、新たに結成したのがスタイル・カウンシル、通称スタカン。それまでのPUNK感の真逆を行くかのような、打ち込みやダンサブルな大人っぽいテイストを打ち出して我々リスナーの度肝を抜いた伝説のバンド……。

 とはいえ誰もがシンプルなR&Rに回帰していたオリジナルPUNK期に、元々R&Bやソウルの影響下にあったモッズ・サウンドを鳴らして唯一無二の音楽性を標榜していたのがTHE JAMだったし、当時のキッズには大人っぽ過ぎると感じられたサウンドもあらためて聴いてみれば、ジャズやフュージョン、クラシックからロックまで貪欲に取り入れたとんでもなくエクスペリメンタルな、でも極上のPOPとして昇華させた非常にハイブリッドなバンドだったことがよく判ります。

 

 デビュー・シングルの「スピーク・ライク・ア・チャイルド」(リンク先M3収録)からブラス全開のダンサブル感が気持ち良いし、当初はドラマーが正式メンバーではなかった点を活かして(ちなみにオアシスのドラマーだったアラン・ホワイトの兄、スティーブ・ホワイトが後にドラマーの座に)、大胆な打ち込みを導入して昨今のR&Bの先駆けとなった「ロング・ホット・サマー」(リンク先M1収録)とかも時代を先取りし過ぎててスゴいです。

 かと思うとイントロの♬チャ・チャ・チャ♬があまりにも有名な「シャウト・トゥ・ザ・トップ」(リンク先M16収録)ではアーバンなROCK感を打ち出したり、個人的なフェイバリット曲「ウォールズ・カム・タンブリング・ダウン」(リンク先M14収録)ではTHE JAM時代を彷彿とさせるシャウトとポリティカルなメッセージで、PUNK&ソウルとでも呼べる新たな疾走感をも獲得。時代やジャンルを超越する卓越したセンスとテクニックを常に披露するポール・ウェラーが、オアシスはじめイギリスの多くのミュージシャンやリスナーから慕われるのも不思議ではない天才っぷりが伺えます。

 

 というわけで天才でもテクニシャンでもない俺が、新人でもベテランでもないバニビに新たな風を吹かせるならば、やはりウェラー師匠のハイブリッド感が不可欠だろう! ということで、スタカン風ブラスROCKに、昨今のEDM的なダンサブル感を加味して制作&提供させて貰ったのが、その名もズバリ「スタイル・アンド・カウンシル」という新曲。バニビのワンマンLIVE限定配布シングルに収録されましたが、いずれ彼女達の新譜にも収録されると思いますので、是非いつかチェックしてみて下さい!

 



ポール・ウェラー関連作からおすすめのタイトルをピックアップ!

In The City(Remastered Version)/The Jam

鋭すぎるリッケンバッカーの音が空を裂く!
パンクの初期衝動溢れる前進バンドの1st

The Jam
『In The City』

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ブラックミュージックのエッセンスを昇華し、
豊かな音楽的広がりを見せる名盤

The Style Council
『Our Favorite Shop』

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むき出しの「歌」の力が顕わになったソロ1st

Paul Weller
『Paul Weller』

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【日高央 プロフィール】
 
ひだか・とおる:1968年生まれ、千葉県出身。1997年BEAT CRUSADERSとして活動開始。2004年、メジャーレーベルに移籍。シングル「HIT IN THE USA」がアニメ『BECK』のオープニングテーマに起用されたことをきっかけにヒット。2010年に解散。ソロやMONOBRIGHTへの参加を経て、2012年12月にTHE STARBEMSを結成。2014年11月に2ndアルバム『Vanishing City』をリリースした。

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Vol.10 Theme : 「虎は皮を残すが、PUNK界のジャイアンは何を残したのか

 

 皆さんは映画『ソレダケ/that's it』をご存知ですか? 自分にとっても特別な作品なのですが、きっと音楽を愛する多くの人々にとって特別な作品になるであろうこの映画のことを、少しお話しさせて下さい。

 始まりはブッチャーズです……PUNK界のみならず、インディーでもメジャーでも、あらゆるギターBANDに影響を与えまくりながら、その名は海外にまで轟き、遂にはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとの共演まで果たしてしまった伝説のBAND、ブラッドサースティー・ブッチャーズ(bloodthirsty butchers)……北海道の荒野から産声を上げた彼らは、そのヒリヒリしたサウンドも特徴的ながら、ギタボ(Gt.Vo.)の吉村秀樹という男のジャイアンっぷり? 愛されっぷりも特殊でした。

 酒乱というかアル中というか、とにかく片時も酒を離さない(特にいいちこ)吉村さんは、図体のデカさと眼力の強さ、腕っぷしの強さやキレるポイントが謎過ぎてw、ライブハウス界隈でも常に一目置かれ……いや、恐れられた存在でした。しかしよくよく話してみると70's~80'sの英米PUNK、そして日本のインディーPUNKへの愛がハンパなく、いつしか俺は吉村さんの博識っぷりに惹かれて随分と親しく、音楽について話し込むようになったのです。

 おかげで俺がビークルやってた時にはたくさん対バンさせて貰ったり、『popdod』というアルバムでは「SUMMEREND」という曲で激烈な爆音ギターを弾いて貰ったり……そのお返しで? 吉村さんはブッチャーズの『NO ALBUM 無題』にて、ツアー中一緒に遊んだ長崎の海の想い出を「OCEAN」という曲に託してくれたり……話し出せば切りがない程たくさんの想い出があります。

 そんな吉村さんがアルバム『youth(青春)』制作後に逝去してしまい、多くのリスナーとバンドマンが途方に暮れてしまったのですが……その喪失感を埋めるが如く発表されたのが、映画『ソレダケ/that's it』。元々は石井岳龍監督に、アルバムと連動した映像作品を依頼しながらも吉村さん逝去で頓挫していたのを、監督自らの意志で新たな映画として再構築し、ブッチャーズのサウンドが新旧問わず流れまくる、まさにロックな映画なのです。

 全編を貫くブッチャーズの楽曲もさることながら、『爆裂都市』や『狂い咲きサンダーロード』でお馴染みの石井監督によるスピード感溢れる映像が、独特の緊張感を生み出している傑作です。キャストの豪華さや話題性云々を置いても一見の価値あり。是非、劇場に足を運んでみて下さい。

 

 

bloodthirsty butchers アーティストページはこちらから

 


 
 
【日高央 プロフィール】
 
ひだか・とおる:1968年生まれ、千葉県出身。1997年BEAT CRUSADERSとして活動開始。2004年、メジャーレーベルに移籍。シングル「HIT IN THE USA」がアニメ『BECK』のオープニングテーマに起用されたことをきっかけにヒット。2010年に解散。ソロやMONOBRIGHTへの参加を経て、2012年12月にTHE STARBEMSを結成。2014年11月に2ndアルバム『Vanishing City』をリリースした。

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Vol.9 Theme : 「LAから幕張へ、伝説から人間へ

 

 様々なアーティストがジャム・セッションする毎年恒例のイベントJAPAN JAMに今年もお邪魔させていただき、TOTALFATと共に「今の目線でのPUNKアンセム」をテーマにセッションさせていただきました。

 今回は幕張のビーチでの開催だったので「海=L.A.?」的に強引な解釈で、カリフォルニアが産んだPUNKレジェンドにしてアメリカンPUNKの伝説、そしてSKA PUNKの元祖でもあるオペレーション・アイヴィー『サウンド・システム』のカヴァーを披露。

 もはや音楽好きなら知らない人はいないであろうSKA PUNK……現在も続いているノー・ダウトマイティ・マイティ・ボストーンズなどを筆頭に世界的に愛され続けているジャンルですが、マイティ・マイティと共に「SKA PUNKの始祖」と言われているのがオペレーション・アイヴィー。1987年の結成から1989年の解散まで、なんとたった3年足らずの活動でアルバムも1枚しか出していないにもかかわらず、いまだに世界中のPUNXに影響を与え続けています。

 現在はランシドとして活動しているティムとマットが在籍していたのも大きいのですが、何よりもその生き急いだかのような性急で荒削りなサウンドが彼らの魅力です……裏打ちのリズムが特徴的なSKAは、通常ゆったり目な曲が多いのですが、オペレーション・アイヴィーはとにかく速いナンバーが目白押し。チョッ速な2ビートPUNKの合間に、SKAナンバーが挟まれる構成の唯一のアルバム『Operation Ivy』は、合間にレゲエを挟んでいたPUNKバンド、ザ・クラッシュのBPMをそのまま押し上げたかのような、荒削りなのにスタイリッシュな雰囲気で、当時のL.A.でも多くのキッズを虜にしました……今の耳で聴いても、そのラフさとクールさの共存は不思議なケミストリーを感じさせ、逆に今の機材では再現出来ないエネルギーに満ち溢れた楽曲達は、ランシドとも違うPUNK感がみなぎった大傑作です。

 荒削りなのはサウンドだけでなくパフォーマンスもまた然りで、カリフォルニアのローカルPUNXに過ぎなかった彼らのライブには、常に人が溢れ暴動状態……そのシーンの中にはグリーン・デイのメンバー達も混じって大暴れしていたり(ビリー・ジョーはランシドのメンバーに誘われていたそうです)、今では名門ライブハウスとなったギルマン・ストリートの名前を一気に有名にしたりもしました。「スカンキン」といった現代に通じるSKAダンスのスタイルもこの頃に形成され、飛び跳ねまくるメンバーと共に、客席もモッシュ&スカンキン状態で、まさに足の踏み場もないような激アツなライブが毎夜開催されていたようです。

 しかしそれは結果的にメンバーを疲弊させます……ローカルPUNXならではの目線で、巨大メディアを疑いながら社会的な正義や真実を訴える歌詞をがむしゃらに叫び続けていたのに、人気が出てしまうと不当にスター扱いされたり、自分たちが逆に大きく影響力のあるメディアのように扱われ始めてしまうことへの違和感が生まれます……いつの時代にも付き物な、ユース・カルチャーの終焉です。潔くバンドを解散させた後、前述の通りティムとマットはランシドを結成。ドラムのデイヴはシュロングというプログレッシブなPUNKバンドを結成し、来日もします(当時俺が働いていたCR JAPANが招聘しました)。

 そしてVo.ジェスは心を病んで半ば隠居状態が続いていましたが……自分がビート・クルセイダーズとして西海岸ツアーに出た2001年、偶然にもジェスに会う機会に恵まれ、直接話を聞くことができました! その頃にはグリーンデイのビリー・ジョーらの協力を得ながら、よりレゲエを中心としたコモン・ライダーというバンドで活動を再開し始めたところで、心身ともに健康を取り戻し始めていました。現在もクラシック・オブ・ラブ名義で元気に活動しており、一昨年にはランシドのティムとコラボ音源を発表したりもしています。

 伝説のバンドと言われたオペレーション・アイヴィーの生の声に触れ、その栄光と挫折のストーリーに胸を焦がしながらも、やはり今でも変わらぬ音楽愛を貫く姿には本当に心を揺さぶられます……この機会に是非、膨大な彼らの活動を追ってみてはいかがでしょうか。

 

オペレーション・アイヴィー、唯一にして傑作のアルバム

Operation Ivy
『Operation Ivy』

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【日高央 プロフィール】
 
ひだか・とおる:1968年生まれ、千葉県出身。1997年BEAT CRUSADERSとして活動開始。2004年、メジャーレーベルに移籍。シングル「HIT IN THE USA」がアニメ『BECK』のオープニングテーマに起用されたことをきっかけにヒット。2010年に解散。ソロやMONOBRIGHTへの参加を経て、2012年12月にTHE STARBEMSを結成。2014年11月に2ndアルバム『Vanishing City』をリリースした。

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Vol.8 Theme : 「ロックの殿堂、いやパンクの殿堂入り

 

 今年も<ロックンロール・ホール・オブ・フェイム>、いわゆる<ロックの殿堂>の式典が華々しく行われ、ビートルズだったリンゴ・スターグリーンデイらが殿堂入りを果たしましたが……そもそも「ロックの殿堂って何?」って方も多いかと思います。

 アメリカはクリーブランド州にあるロック博物館がその正体で、1950年代に現地の人気DJアラン・フリードが、自身のラジオ番組で積極的にロックンロールをオンエアして人気が全国的に、大爆発したことから、かの地に作られたロック全般の記念品や貴重品を展示する、ロック好きにはたまらない場所、それが<ロックの殿堂>なのです。1986年から殿堂入りするアーティストを招いてのコンサート・シリーズを開催しており、先日のリンゴやグリーンデイもそこでパフォーマンスを披露したわけです。

 野球と違い「デビューから25年が経過している」ことがロック殿堂入りの条件で、自然と近年のアーティストはなかなか名前を連ねられないのですが、グリーンデイがもう25年も活動しているのがまずビックリ! そして彼らが受賞出来るなら、元祖PUNKバンドのセックス・ピストルズはどうなんだ? と思ったら、ピストルズは2006年に殿堂入りを蹴っていました……彼ららしいPUNX魂ですw!

 そんなPUNKの起源はピストルズ、ひいてはイギリスのロンドン発信と思われがちですが……そもそも彼らのマネージャーだったマルコム・マクラーレン(ヴィヴィアン・ウェストウッドと共にPUNKファッションも広めた)が、アメリカ滞在中に見初めたあるアーティストのファッション……ビリビリのシャツに、ツンツンのヘアスタイルでLIVEしていたのを観て、それをピストルズに取り入れさせた……というのが定説です。そう、つまりPUNKはそもそもアメリカ発。

 そのアーティストこそリチャード・ヘルで、名前からしてPUNXな彼は、元々ニューヨークにてテレヴィジョンというアートROCKバンドをやっていたものの、サウンドが知的過ぎてメンバーと衝突。脱退後は元ニューヨーク・ドールズのメンバーによる新バンド、ハートブレイカーズ(このバンドのマネージャーがマルコムだった)に加入するも、またもや衝突して脱退……遂に自身のバンド、リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズを結成し、遂に悲願の1stアルバムにして大傑作『ブランク・ジェネレーション』を1977年に発表します。

 決してテクニシャン揃いとは言えないラフな演奏、投げやりで退廃的な歌詞や歌い方は、逆説的に当時の空気を反映し(ニクソン大統領による一大汚職ウォーターゲート事件の余波で、保守的な政治に懐疑的だった)、アルバムのタイトル・トラックでもある「ブランク・ジェネレーション」=「うつろな世代」はシラけきった若者達の声を代弁。ヘルは一躍アンダーグラウンドの寵児となったのです。しかも音楽理論を踏まえなかったおかげで、逆にモダンなロックの手本となったロバート・クワインのギターも秀逸で、M-1「ラヴ・カムズ・イン・スパーツ」での不協和音ギリギリのところでドライブするロックンロールは、ヘルのツンツンなヘア+ビリビリのシャツと共に、その後のPUNKに大きなインパクトを与えました。

 しかし歴史とは残酷なもので、同年イギリスで一大センセーションを巻き起こしたピストルズの陰に隠れ、ヴォイドイズのアルバムは商業的な成功を得ることは出来ませんでした……その後ドラマーがラモーンズに引き抜かれたり、ヘル自身もドラッグに溺れるなど活動は滞り、PUNKの波がすっかり落ち着いた82年に2ndアルバムを出すも殆どのメディアがこれを黙殺……結果、彼は不定期にソロ作を発表するものの、現在では文筆家、詩人としての活動の方がメインになっています。リチャード・ヘルこそ、ロックの殿堂入りしてもおかしくない偉大なアーティストですが、PUNXな彼もきっとそのオファーを断るでしょう……誰かPUNKの殿堂を作ってくれないかな?

 

PUNKの知られざる「傑作」!

Richard Hell and the Voidoids
Blank Generation

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【日高央 プロフィール】
 
ひだか・とおる:1968年生まれ、千葉県出身。1997年BEAT CRUSADERSとして活動開始。2004年、メジャーレーベルに移籍。シングル「HIT IN THE USA」がアニメ『BECK』のオープニングテーマに起用されたことをきっかけにヒット。2010年に解散。ソロやMONOBRIGHTへの参加を経て、2012年12月にTHE STARBEMSを結成。2014年11月に2ndアルバム『Vanishing City』をリリースした。

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Vol.7 Theme : 「音楽で振り返る裏原宿史

 

 以前に楽曲提供させていただいた、ちょっと変わったアイドルBiS(ショッキングなイメージ戦略で、LIVEではモッシュ/ダイブも続出したPUNKなアイドル・グループ。2014年解散)のメンバー、のぞしゃんとウイぽんが新しく始めたBILLIE IDLE®のデビューLIVEを観てきました。

 もはや説明不要のアパレル、A BATHING APE®(ア・ベイシング・エイプ。通称エイプ)創設者NIGO®氏のプロデュースということで、80年代以降の原宿ストリート感(ロカビリーからPUNK、テクノからEDM等々)がそこここに溢れた素晴らしい楽曲が並ぶ1stアルバム『IDLE GOSSIPE』からのナンバーを中心に構成されていましたが、まだアルバム一枚ということでカヴァー曲も数多く披露。TOM☆CAT「ふられ気分でRock n'Roll」やH2O「想い出がいっぱい」といったお馴染みのナンバーから、少女隊「Forever」といった隠れた名曲までカヴァーされてて印象的でした。

 その中でも特に印象的だったのが、80年代を彗星の如く駆け抜けた伝説のモダン・ロカビリーBAND、ヒルビリー・バップスのカヴァーでした。当時チェッカーズのヒットを起爆剤に沢山のロカビリーBANDがデビューしたのですが、その中でも群を抜いたソリッドさと、甘酸っぱいPOPさが他の追随を許さない格好良さだったヒルビリー・バップス……残念ながらVo.宮城さんの逝去によって本当に伝説的な存在になってしまったのですが(2004年の再結成後は断続的に活動中です)、ある意味、知る人ぞ知るグループだったので、ここら辺のチョイスのセンスは流石でした。

 しかも彼ら最大のヒット曲は3rdシングル「ビシバシ純情!」だったと思うのですが、あえてその後の4枚目のシングル「僕たちのピリオド」という、甘酸っぱさ200%増しの隠れた名曲をカヴァーしたセンスにも唸らされました。ヒルビリー・バップスはロカビリーのマナーにのっとりつつも、歌謡曲的なPOPで明るいメロディーを特徴としており、特にこの曲はモータウン風な明るく切ない失恋ソングに仕上がっており、サビのクリシェ(半音ずつ下がっていく切ない効果を出すコード進行)がさりげなく甘酸っぱいのです。リアルタイムで見聴きしていない世代にも、きっとある種の郷愁を誘う美メロは一聴の価値ありです。ちなみに筆者のフェイバリットは5thシングルで、宮城さん在籍時のラスト・ソングとなってしまった「真夜中をつっぱしれ」です。自分的<EMOい曲ベストテン>に必ず入れたくなる超名曲で、ど頭のストリングスから胸キュン必至ですよ。

 

日高さんイチ推し
「真夜中をつっぱしれ」は13曲目に収録!

ゴールデン☆ベスト ヒルビリー・バップス

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【日高央 プロフィール】
 
ひだか・とおる:1968年生まれ、千葉県出身。1997年BEAT CRUSADERSとして活動開始。2004年、メジャーレーベルに移籍。シングル「HIT IN THE USA」がアニメ『BECK』のオープニングテーマに起用されたことをきっかけにヒット。2010年に解散。ソロやMONOBRIGHTへの参加を経て、2012年12月にTHE STARBEMSを結成。2014年11月に2ndアルバム『Vanishing City』をリリースした。
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