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佐藤純之介のトピックス

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Side A:今期、制作に携わったアニソン達

 みなさんこんにちわ。株式会社アイウィル、音楽制作プロデューサーの佐藤純之介です。連載第三回目にして大幅に更新を遅らせてしまいました……。お待ちいただいた皆様申し訳ございません。今回は趣向を変えて、この秋に携わったアニソンを制作時のエピソード等を交えながら紹介させて頂ければと思います!

 

TVアニメ『コメット・ルシファー』
http://comet-lucifer.jp

ハイレゾ有
OP主題歌「コメットルシファー」
イメージソング「コスモスのように」/fhána

 OP主題歌「コメットルシファー」はfhána至上最速BPMにして、アニメタイトルをそのまま楽曲タイトルにした意欲作! タイアップするアニメはfhánaの世界線の一部と捉え、作品世界観とのシンクロを図ってきた彼らの集大成。打ち込みサウンドのイメージが強い彼らが、昨年一緒にツアーを回ったリズム隊であるDr,鈴木達也さん、Bass,田辺トシノさんをレコーディングメンバーに迎えパワフルで勢いのあるグルーヴを纏い制作した今までリリースしたどの楽曲とも異なるロックナンバーです。イメージソング「コスモスのように」は劇伴を担当する加藤達也とのコラボレーションで生まれたバラード。違った角度のインテリジェンスが交差し、高い熱量を持った楽曲に仕上がっています。また今回はハイレゾのみならず、通常CDと新しい高音質ディスクの規格であるUHQCDでの同時リリース等も音にこだわる彼らならではアプローチ。サウンドも楽曲も先端を行く彼らに要注目です!

 

TVアニメ『ヒミツのここたま』
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/cocotama/index2.html

OP主題歌「ころころここたま!」/ERIKA
ED主題歌「ここんぽいぽいここったま!」/メロリーとここたまファイブ

 お子様向けアニメ! OP主題歌にはオーディションで選ばれたシンガーERIKAさんを迎えて、カラフルでキャッチーなアニソンを歌って頂きました! 作曲編曲はTVアニメ『インフィニット・ストラトス』の「SUPER∞STREAM」やラブライブ!の楽曲等を手掛ける山口朗彦氏。子供向け作品の楽曲ながら、細部にまで拘ったサウンドにも注目! ED主題歌はメロリー(CV:豊崎愛生)をメインボーカルに据えた賑やかなキャラクターソング! ここたま達が踊るかわいらしいエンディングムービーにも注目です!

 

TVアニメ『櫻子さんの足元には死体が埋まっている』
http://sakurakosan.jp

ハイレゾ有
ED主題歌「打ち寄せられた忘却の残響に」/TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.大竹佑季

ハイレゾ有
挿入歌「DOKURO ~恍骨礼讃歌 第1章~」/聖鬼Mk-II

 劇伴を担当しているTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによる21年間のキャリアの中で初のシングル「打ち寄せられた忘却の残響に」はシンガーにソロやSnow*として活躍する大竹佑季を向えた意欲作。アニソンとしては非常に珍しい東欧系エレクトロニカをベースにアプローチしつつ、独特のテクノサウンドとクラシカルな大編成ストリングスを融合、大竹佑季の歌声を通じて一本の映画の様な印象を持つ楽曲を目指しました。是非、目を閉じて聴いてもらいたいです。対して挿入歌「DOKURO ~恍骨礼讃歌 第1章~」は完全なヘビメタサウンド! 原作の中で、主人公櫻子さんが大ファンだという劇中バンド”聖鬼Mk-II”について語られる箇所をすべて汲み取り小説の世界から現世に召喚した問題作……。作詞作曲編曲はすべてTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND、参加ミュージシャンもボーカルに冠徹弥さん、ギターにルーク篁参謀を迎えた本格的なヘビメタをテクノバンドに制作依頼をし(笑)、ハイレゾのヘビメタという風変わりな楽曲が生まれました。一聴の価値有りです!

 

TVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』
http://concreterevolutio.com

挿入歌「あの素晴らしい愛をもう一度」/川本真琴
挿入歌「空に星があるように」/宇都宮隆
挿入歌「青年は荒野を目指す」/西寺郷太
挿入歌「風が泣いている」/日高央

 こちら、挿入歌のプロデュースを担当しております。昭和40年代をモチーフにしつつも、テクノロジーが進化したパラレルワールドの作品世界の中で流れるヒット曲というコンセプトの元、ストーリーに彩りを添える”声”に力のあるアーティストの皆様にご協力を頂きました。アニメと参加アーティストによる挿入歌の融合は昭和40年代~50年代生まれの方のハートに強く響くはず……! まだまだ未放送の楽曲も沢山有りますので、お見逃し無きよう!これら楽曲すべてが収録されたTVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』神化・傑作曲集は2015年12月23日発売です!

 

TVアニメ『おそ松さん』
http://osomatsusan.com/index.html

ED主題歌「SIX SAME FACE~今夜は最高!!!!!!~」(TVサイズ)/イヤミ feat.おそ松×カラ松×チョロ松×一松×十四松×トド松

 

 TVアニメ『櫻子さんの足元には死体が埋まっている』ではOP以外の全楽曲、『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』挿入歌への参加等、今期最も働いていると評判のTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの作詞作曲編曲による80年代風ディスコナンバー! メンバーが曲中に「シェーーーー!」を入れたいという発想から作曲がスタート、六つ子達のボヤキとイヤミの歌で飾ってます。前回のこの連載で掲載したビンテージリズムマシンはこの楽曲で使用しています! 仕掛けたっぷりのフルサイズをお楽しみに!

 

TVアニメ『プリパラ』
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/pripara/index2.html

ED主題歌「レインボウ・メロディー♪」/プリパラ ドリーム☆オールスターズ

 今、人気急上昇のアイドルアニメ『プリパラ』のオールキャストで歌うポップソング! 11人分のボーカルレコーディングは大変でしたが、一人ずつ声が重なっていき全員揃った時の感動は何物にも代えがたい感動がありました。作詞はTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの松井洋平、作曲編曲には気鋭の音楽クリエーター集団Arte Refactの桑原聖、酒井拓也コンビが担当。物語を大団円に導き未来に向かう希望の歌です! 

 

スフィア
http://www.planet-sphere.jp/main.php

ハイレゾ有
18thシングル「DREAMS,Count down!」

結成5年目を迎え、ますます歌とパフォーマンスに磨きがかかっていく4人によるニューシングル! アニソンではあまり多用されないスウィングしたビートながら、しっかりと4人の個性をグルーヴで表現できるのは流石! MVも仕掛けが沢山あって見ていて自然と体が動く楽しい内容! 新しいスフィアの一面が見れます!

 

ラブライブ!
http://www.lovelive-anime.jp/otonokizaka/

スマートフォンゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」コラボシングル「HEART to HEART!」/μ’s

 「タカラモノズ」以来のスクフェスコラボシングル! スピード感のあるロックテイストのサウンドと青春メッセージ! 聴くと元気になれる1曲! μ’sの9人にしか表現出来ない輝きを大事にレコーディングしました! CWには変化球、ミュージカルテイストの「嵐のなかの恋だから」は『ラブライブ!』楽曲初参加の酒井陽一君作曲編曲による力作です!

 

ラブライブ!サンシャイン!!
http://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/

1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」/Aqours

「電撃G'sマガジン」の読者参加企画からスタートしたスクールアイドルプロジェクトの新企画! 『ラブライブ!サンシャイン!!』から待望のCDがリリーススタート。10月7日発売のAqoursの1stシングル! ディレクターとしてお手伝いしております。一度聴いたら忘れられない強烈なまでにキラキラ眩しい青春ソング達! これからの彼女達の動向に注目!

 

と言うわけで第三回目、いかがでしたでしょうか??それぞれの現場での想い入れや思い出があり、まだまだ書き足りないのですが……(汗) もうすでに来年放映のアニメ用の楽曲制作が始まっております。今期の反響や意見を活かして皆様に新しい驚きや感動をお届け出来るように頑張りたいと思います。ではまた!

 

 

今日のアニソンハイレゾ!

KMM団「ウィッチ☆アクティビティ」
2014年1月に放送されたアニメ『ウィッチクラフトワークス』のED主題歌。80年代テクノ系歌謡曲の影響を強く濃く受けたサウンドにキュートな声優さんのキャラクターボイスが組み合わさった楽曲は発売当時話題となりスマッシュヒット、作詞作曲編曲を担当したTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDがアニソン業界から注目を浴びる切っ掛けとなった楽曲です! 本物のヴィンテージシンセサイザーを用いたトラックメイク、YMOが所属していたALFAレーベルのエンジニアである寺田康彦氏、飯尾芳文氏がミックスを担当する等、80年代テクノポップへの愛情篭った作品です! 懐メロが好きな人にもオススメ!

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Side B:音楽ガジェット紹介!

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12月5日に劇場公開されるアニメ『紅殻のパンドラ』の音楽を担当するTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのレコーディング風景から。ヴィンテージリズムマシンを一同に集め片っ端からサンプリング、『紅殻のパンドラ』専用のサウンドライブラリーを制作している所です。既存で売られている音色集を避け、作品担当の都度新しいライブラリー作ることで新鮮且つ本物のサウンドを皆様に届けるのが使命……!

『紅殻のパンドラ』オフィシャルサイト

 

 


 

佐藤純之介 プロフィール

株式会社アイウィル音楽制作プロデューサー。 1975年大阪生まれ。YMOに憧れ90年代後期よりテレビや演劇の音楽制作の仕事を始め、2001年に上京。レコーディングエンジニアとしてJ-POPの制作に参加した後に、2006年アニソンレーベル、株式会社ランティスに入社、2011年ランティスの音楽制作部が独立した株式会社アイウィルに転籍。現在はプロデューサー、ディレクター、エンジニアとしてアニソンを中心に音楽制作に携わる。

 


 

佐藤純之介×クラムボン・ミトのスペシャル対談も!「違いのわかるハイレゾ放談

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佐藤さんがディレクターとして携わるμ’sの楽曲はこちらから!「みんなで叶える物語 ラブライブ!特集

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Side A:アニソンアーティストって?

 みなさんこんにちわ。株式会社アイウィル、音楽制作プロデューサー佐藤純之介です。第一回目からマニアックと評判のmora連載第二回目! お待たせしました!

 前回、アニソンとJ-POPの違いやアニソンがアニメファンに深く愛される所以についてお話したのですが、今回は「アニソンアーティスト」についてお話できればと思います。声優さんがキャラクターの名義でアニメのシチュエーションや心象描写を歌うキャラクターソングに対して、主題歌を担うアニソンアーティストの存在も近年のアニメにとって非常に欠かせない存在です。テレビで流れるオープニングやエンディングの89秒の中で、いかにクオリティ高く映像とシンクロするのか、作品が内包する重要なメッセージやテーマをいかに歌で届けるか、がアニメそのもののヒットにも繋がる可能性を秘めており、時としてアニメそのものの話題以上の注目を浴びる事もある程、アニソンアーティストは非常に重要なポジションを担っています。

 では、どうやってアニソンアーティストがアニメ主題歌を作っているのか?ですが、アニメのプロデューサー、監督、音響監督、レーベルのプロデューサー等様々なアニメスタッフの意見や想いをヒントにしつつ、アーティストの方向性、作品との相性や世界観に寄り添い……と様々な意見を踏まえるのですが、すべてを取り入れるとどっち付かずの楽曲になってしまうので、音楽プロデューサーやディレクターが大事な要素を厳選しアーティストやクリエーターと共にデモソングを作成し改めてアニメスタッフにプレゼン、必要に応じてリテイクに応じたり別楽曲の提案を行い採用を受けレコーディングへと進みます。この際大事なのはとにかくバランス!アニメに寄り過ぎた楽曲だとアーティストの主張が消えてしまい、アーティストに寄り過ぎた楽曲だとアニメとのシンクロ二シティが下がってしまう。これでは音楽としてのクオリティが高く出来たとしても、アニソンとしてはあまり良い結果にはなりません。ただのタイアップソングとしてではなく、絶妙なバランスのすべてを包み込み、アーティストとしての主張とアニメ作品の共通のメッセージを見出し、どちらのファンにも喜んでもらえる楽曲を表現できるのが、評価されるアニソンアーティストの持つ実力であり魅力です。

 私が音楽制作プロデューサーを務めるアニソンアーティスト、fhánaを例に具体的なアニソン制作の裏話をご紹介したいと思います。fhánaは3人のサウンドプロデューサー、佐藤純一、yuxuki waga、kevin mitsunagaとボーカルtowanaによる4人組ユニットで、2013年夏にTVアニメ『有頂天家族』エンディング主題歌「ケセラセラ」でランティスよりデビュー。男子メンバーがそれぞれ一人でも楽曲制作出来るだけのスキルを持つ上に、メンバー全員が大のアニメ&ゲームファン!まさにアニソンを歌うために集まったユニットです。彼らのアニメに対する理解力、アニソン制作に対する情熱はとても熱く、作品世界に深く寄り添いすべてを包み込む練られたサウンドとメロディーは業界全体にも評判を呼び、デビュー2年目にして6クール分のアニメ主題歌を担当しています。彼らとの楽曲制作の際に私から提案しているのはスタート地点としてのキーワードと向かうべき方向のみ。TVアニメ『ウィッチクラフトワークス』のOPテーマとなった3rdシングル「divine intervention」では、「魔法」「愛する人を守る」等のキーワードに加え、アニメーション制作プロダクションがバトルシーンの演出や映像のスピード感に定評のあるJ.C.STAFFと言うことで BPMをぐっと早くし、89秒の中で展開を沢山作ることで映像編集ポイントを作りオープニングアニメーションとのシンクロ感を高めれるように作曲をしてもらったり、4thシングル「いつかの、いくつかのきみとのせかい」ではアニメの原作コミック『僕らはみんな河合荘』第4巻の表紙で主人公の律が読んでいる作品世界にだけ存在する架空の本の題名を曲のタイトルとすることで、大きな存在感を示しました。この秋にfhánaがオープニング主題歌を担当するTVアニメ『コメット・ルシファー』のオープニング曲もまだ詳細は言えませんが、これ以上無いほどにアニメへの親和感を表現しているので、発表された暁には制作現場の裏側やアーティストが込めた想いも想像しながら聴いていただけると幸いです。

 と言うわけで第2回目、担当アーティストへの愛ゆえ少し語りすぎましたが、他のジャンルとのアニソンの最大の違いは当然ですがアニメありき。作詞や作曲、編曲をする上で常にアニメ作品のストーリー性、アニメーションの作風を意識することで独自の表現手法が生まれ、まだまだ発展していく新しいジャンルです。新しく登場するアニメ作品の数だけアニソンが生まれていく中でどうやって個性を伸ばしていくのか、リスナーのハートを掴むのか日々トライしています。この連載がキッカケでアニソンに深く興味持って貰える人が増えれば幸いです。ではまた!

 

今日のアニソンハイレゾ!

fhána『Outside of Melancholy』

fhánaの1stアルバム!2013年デビューからのアニメ主題歌5曲を収録。アニソンではない完全書き下ろしのオリジナルの楽曲も多数収録し、全14曲の聴き応えあるアルバムとなっています。関わったアニメの作品世界を一つの世界線に例え、それぞれがすべてfhánaの音楽性そのものと解釈し、軸をブラさない彼らの音楽は時代に囚われない普遍性を持っています。

ハイレゾで購入

 

 

Side B:音楽ガジェット紹介!

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ROLAND TRシリーズ

電子楽器メーカーROLANDが80年代に発売した私物のドラムマシン各種……。10月から始まるとあるアニメのエンディングテーマで使用。ランダムでエンディング主題歌で使用するドラムマシーンが変わります。誰か気づいてくれるマニアックな人はいるのでしょうか……(大汗)

 


 

佐藤純之介 プロフィール

株式会社アイウィル音楽制作プロデューサー。 1975年大阪生まれ。YMOに憧れ90年代後期よりテレビや演劇の音楽制作の仕事を始め、2001年に上京。レコーディングエンジニアとしてJ-POPの制作に参加した後に、2006年アニソンレーベル、株式会社ランティスに入社、2011年ランティスの音楽制作部が独立した株式会社アイウィルに転籍。現在はプロデューサー、ディレクター、エンジニアとしてアニソンを中心に音楽制作に携わる。

 


 

佐藤純之介×クラムボン・ミトのスペシャル対談も!「違いのわかるハイレゾ放談

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Side A:アニソンとハイレゾの密接な関係

 みなさんこんにちわ。アニメや声優さんの音楽制作に携わってます佐藤純之介と申します。ご縁ありましてmoraで連載を始めることとなりました。よろしくお願い致します!

 第一回目は僕が音楽制作に関わっているアニソンの話を中心に、今話題のハイレゾ音源についてお話出来ればと思います。アニソンというと、皆さんどういうイメージをお持ちでしょうか? 最近ではJ-POPより凝っている、クオリティが高いと言われている一方でオタク向けで近づきがたい、音がごちゃごちゃしている、というネガティブな印象もあるかと思います。音楽制作の現場から見ると、実際のノウハウや手法はJ-POPや他のジャンルとなんら変わらず、リスナーの想い入れによって印象が変わっただけだと考えております。好きな曲だと何度でも聴けるけど、一度聴いて興味のない曲は二度と聴きませんよね? 客観的な評価に関係なく、リスナーそれぞれの趣味嗜好で良くも悪くも聴こえているだけでは無いでしょうか?

 アニソンが他のジャンルとは差別化され評価される理由、それは音だけでは語れません。1番大きな要因は「作品とのシンクロ感」だと考えてます。アニメ視聴者とアニメ制作者が同じ1クール12話のストーリーを共有し、密度の濃い意思疎通をすることで刺さる作品を作っているからです。一番わかり易いのが「歌詞」。綿密に作られたシナリオの上で性格や表情を設定されたキャラクター達、そしてそのキャラクターを演じる声優さんの性格までをキャプチャーして世界観とメッセージを創作し歌詞にする。より多くの共感を得るために大きなメッセージを掲げるJ-POPに対し、「このキャラクターの第**話のあのシーンのこの時の気持ち!」をピンポイントで表現することでその作品をより深く理解してもらう、聴く度にそのシーンを想い出す、キャラクターに感情移入する……。そんなニッチを極めた結果が今のアニソンブームの礎になっていると僕は考えています。

 次にハイレゾとアニソンの相性について語る上でもう一つ欠かせないアイテムがあります。それはイヤホン&ヘッドホンです。家族の前、クラスメイトの前では聴きづらい、という要因もあるかと思いますが(汗)、実はこのイヤホン&ヘッドホンでのリスニングが非常にアニソンとの相性が良いのです。テンポが早く音数が多いアニソンはいわゆる大型高級オーディオだと構造上、高音と低音によって耳に届くまでの音のスピードに差異が生じリズム隊と歌、上モノの音がチグハグに聴こえてしまいもっさりした印象になります。ジャズやクラッシックだと音のアタックやテンポが遅い分気にならず、その差異すら豊かで包み込むような膨らみに聴こえるのですが……。イヤホン&ヘッドホンだと耳までの距離が近いのでBPMが200前後の高速曲でも、大勢で歌っている曲でも制作者の意図したバランスに近い状態で聴けます。さらにハイレゾ音源となると、より高い解像度を感じることが出来るようになり情報量の多い楽曲の中から声優さんの歌の息遣いまで感じることが出来ます。アニソン+ハイレゾ+イヤホン&ヘッドホンというのはまさに三種の神器、今後のアニソンハイレゾ配信の普及が、楽曲に込められた歌詞や表情を感じ取っていただき、より作品を好きになっていただけるキッカケになると嬉しいです。

 と言うわけで第一回目、いかがでしたでしょうか? 少し硬すぎたかも……。僕自身、音楽がとにかく好きで一日中音楽に触れていたい性格でして、アニソンの世界に入った時は「SFもファンタジーも学園物も!毎回新しい世界感の音楽が作れるなんて!」と感動したのを今でも覚えています。聴いて頂ける人が少しでも幸せな気分になる音楽を作ることはもちろん、CD、ハイレゾ等増え続ける配信フォーマットに対応しつつ、それぞれでベストを尽くした音源をこれからもリリースしていければと思います。ではまた!

 

今日のアニソンハイレゾ!

μ's「僕らのLIVE 君とのLIFE」

μ’sの1stシングル!先日まで、CD用に作成した24bit/48kHzのマスターをハイレゾ音源として配信していましたが、2015年8月26日よりミックスダウンから新たに作り直した「HD REBUILD MASTER」として24bit/96kHzで再配信スタートしました!アニソンハイレゾが始まってからの約2年、ハイレゾを取り囲む状況が大きく変わり、ユーザーのリスニング環境も揃ってきた昨今、最新の機材と今のクオリティで改めてユーザーが望む音を作りたい衝動に駆られこの企画を提案し制作いたしました。まだ幼い印象も残るμ’sの歌声はハイレゾ版ラブライブ!シリーズの入門用としてもオススメです!

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Side B:音楽ガジェット紹介!

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Bispa Phonoka+

フォノカチャン!(・8・)でお馴染みのポータブル真空管アンプです。ポータブルオーディオプレーヤーと組み合わせて使います。完成品では売ってないパーツセットで自分で作らないといけない一品……。真空管と聞いてイメージするような音ではなく、非常にノイズも少なくキレのある音。

 


 

佐藤純之介 プロフィール

株式会社アイウィル音楽制作プロデューサー。 1975年大阪生まれ。YMOに憧れ90年代後期よりテレビや演劇の音楽制作の仕事を始め、2001年に上京。レコーディングエンジニアとしてJ-POPの制作に参加した後に、2006年アニソンレーベル、株式会社ランティスに入社、2011年ランティスの音楽制作部が独立した株式会社アイウィルに転籍。現在はプロデューサー、ディレクター、エンジニアとしてアニソンを中心に音楽制作に携わる。

 


 

佐藤純之介×クラムボン・ミトのスペシャル対談も!「違いのわかるハイレゾ放談

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佐藤さんがディレクターとして携わるμ’sの楽曲はこちらから!「みんなで叶える物語 ラブライブ!特集

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