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ハイレゾインタビューのトピックス

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L-R : 佐藤純一, yuxuki waga, towana, kevin mitsunaga

 

10月より放送を開始し、ファンタジーとSFの混じりあった世界観、ロボット、そしてストレートなボーイ・ミーツ・ガールの物語が好評をもって受け入れられているアニメ『コメット・ルシファー』。オリジナルアニメならではの、新しい世界へと踏み出すワクワク感をこの上ない形で盛り上げてくれるのが、fhánaの手がける主題歌コメットルシファー 〜The Seed and the Sower〜」です。三人のサウンドプロデューサーを擁する同ユニットならではの作り込まれた音になっているとともに、今年初めの1st アルバム『Outside of Melancholy』発売以降、多くのライブを経験してきたことによる「バンド感」も封じ込められている今回の楽曲。この快作が生まれた背景と経緯、またアニメ本編のテーマに寄り添う、揺るぎない職人気質も垣間見える、素敵なインタビューになりました。ぜひ音源をダウンロードして、一緒にご一読ください!

 

yuxuki waga作曲のライブ映えする一曲「c.a.t」を収録

[アーティスト盤]

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『コメット・ルシファー』イメージソング「コスモスのように」を収録

[アニメ盤]

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※表題曲はどちらのバージョンでも同じです。

 

 

――今年はアニサマや海外公演など、大舞台を経験されたと思うのですが、グループ内の意識として何か明確な変化はありましたか?

佐藤:海外のことをより身近に意識するようになったと思います。あとは、お客さん含め、色々な人たちの期待に応えなきゃな、という気持ちが強くなったと思います。
yuxuki:自分たちの事を知ってくれている人が増えていることを強く感じるとともに、一人ひとりにより深く届く曲を書き、演奏をしていきたいとも感じています。また、現状に満足せず、新たな層にも自分たちの音楽が伝わるよう努力していきたいとより思うようになりました。
kevin: 以前よりも、多くの人に曲が届いているんだなと実感しています。 その結果、これまでよりも更に自分達の外側の世界へ向けた曲作りを意識するようになりました。
towana:グループとしてもわたし個人としても、これまでに比べて意識がより外に向くようになったと思います。ライブに来てくれた方にどうしたら楽しんで帰ってもらえるだろう、ということをより考えるようになりました。

 

――今回の表題曲についてお訊きします。そんな大舞台も共にしているサポートメンバーの方と録っていることもあり、非常に「バンド感」がある仕上がりになっていると思います。多くのステージをこなすことで、制作面にも影響があったと感じますか?

佐藤:サポートメンバーの方々との一体感も出てきたし、信頼関係も構築されてきましたね。制作面では、最初に打ち込みでデモを作っている段階から、それぞれのプレイヤーの特徴をイメージするようになったし、逆に、いざレコーディングのときには、ある程度プレイヤーに任せられるようになってきたと思います。
yuxuki:メンバー、サポートメンバーのどちらとも、それぞれの持つグルーヴ感を以前より理解し、感じられるようになったとともに、自分たちらしい、バンドの持つグルーヴを音源でも表現できるようになってきたと思います。特殊な編成ではありますが、「バンド感」はしっかりと大事にしていきたいと思っています。

 

――生楽器とシンセ音のミックスをこれまで以上に重視した仕上がりになっているとも感じます。今回OPに起用されているアニメ『コメット・ルシファー』は、ロボットものでありながら「土臭い」感じもするというか(主人公も鉱物好きという設定ですし)、そういうところも反映しているのかなと個人的には感じたのですが、どういったイメージから今回のような音作りになっているのでしょうか。

佐藤:それとはちょっと違うのですが、今回は「アニソン」というジャンルをあまり意識せずに、初期衝動的に、学生時代にバンド活動をしていたときのような気持ちで作りました。しかし、何故そうやって自由に作れたのかというと、この作品が、ジュブナイルでボーイ・ミーツ・ガールな物語であり、もともとの自分の好みや趣向と一致していたからですね。

 

――オリジナルアニメのOPを担当されることは初めてと思いますが、どんなところに心を配りましたか(たとえば、最初の「ふわーーーっ」という一音が非常に印象的で、「これから何か新しい世界が始まるぞ!」という期待を抱かせます)。映像とのシンクロも素晴らしいですが、アニメスタッフの方々と事前に打ち合わせなどあったのでしょうか?

佐藤:まさに、イントロ部分は、「これから新しい世界が始まるぞ!」というワクワク感を表現したいと思いながら作っていました。映像チームとの打ち合わせはとくになかったですが、バッチリだったと思います。
kevin: 楽曲のスピード感を増すような、ソリッドでエッジの効いた音を意識的に作っていきました。 OP映像に関する打ち合わせはなく、放送日になるまでどのような映像が付くかは分かりませんでした。 しかしながら、楽曲を作る上で必要な資料(脚本、キャラクター設定、絵コンテなど)はいただいていたので、それらを元に世界観を構築していきました。

 

――まるで劇場アニメのような世界観の広がりを感じさせる楽曲になっています。段階的に盛り上がっていくサビが他のアニメOPと比べても非常にドラマチックですが、ここにも初のオリジナルアニメのOPという思い入れがあるのでしょうか? また、そのサビ部分では男声コーラスが多重的に聴こえますが、メンバーの皆さんが全員で歌っていらっしゃるのでしょうか。

佐藤:確かにワンコーラスのなかにかなり詰め込まれてますね(笑)。これは半分は好みで、半分はアニメの世界観の反映を考えてのことです。趣味だけで作っても独りよがりになるし、かといって完全に作品に合わせて作るだけでも、面白い曲にはならないと思っています。自分のもともと持っている感性と、作品の世界観が、上手くハマるバランスやアイデアを常に探しています。サビのコーラスは全て僕です。

 

――『コメット・ルシファー』は「ロボットもの」でもありますが、過去の「ロボットもの」もしくは「SFもの」のOPを意識することはありましたか?

佐藤:特に意識してないですが、ジュブナイル作品の主題歌を作れるということは嬉しかったです。個人的には、ジュブナイルものでは『ふしぎの海のナディア』、ロボットものでは『機動警察パトレイバー』が好きでした(笑)。
towana:歌を歌う時にはロボットものであるということは特に意識はしませんでした。ロボットものでもありますが、ボーイミーツガールでもあり、作品全体が爽やかな雰囲気なので自然にfhánaの音楽とマッチしていると思います。

 

――ずばり、曲題がアニメのタイトルそのままになっていますが、これはどのような経緯からなのでしょうか? また、副題にはどのような意味合いを込められたのでしょうか。 そしてこれは個人的にとても気になるのですが、なぜアニメのタイトルには中点(・)があるのに、楽曲タイトルにはないのでしょうか?

佐藤:曲タイトルがアニメタイトルなのは、作品に対する最大限のリスペクトですね。副題は、「種と種を蒔く人」という意味で、作品のストーリーとも関係しています。今は詳しくは言えませんが、OP映像でもタンポポが飛んでいたり、副題との関連性も意識しながら見ると楽しめるかもしれません。もうひとつは、fhánaの音楽の種を世界中に蒔く、というような想いも込めています。中点はあまり意味はありません(汗)。

 

――今回のリリースは「アーティスト盤」と「アニメ盤」の二形態となっておりますが、どのような違いがあるのでしょうか? また、それぞれの聴き所もあれば教えてください。

kevin: 収録楽曲が違うことに加え、アーティスト盤は「UHQCD」という、ハイクオリティなプレス方式が採用されています。 これによって、CDプレイヤーなどで再生する際に、通常のCDよりも高音質な音楽を聴くことが出来ます。 ぜひ、音の細部まで聴き込んでみて欲しいですね。
yuxuki:まず、アーティスト盤の収録曲は、僕作曲の「c.a.t.」。こちらはライブで皆で楽しめるように作った楽曲でもあるので、是非多くの人に触れて欲しいと思います。また、アニメ盤は『コメット・ルシファー』のイメージソングの「コスモスのように」が収録。どちらの楽曲もfhánaとして新しい試みになっていると思いますので、是非どちらも聴いていただきたいです。

 

――アニメの公開に先駆けて公開されたイメージソング「コスモスのように」では、『天体のメソッド』や『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』でも同じ作品に携わった加藤達也さんとの共作となっています。作曲段階からの共作は今回が初めてだったかと思いますが、どのようなやり取りを経て今回の楽曲が生まれたのでしょうか?

佐藤:具体的には、加藤さんが10小節のスケッチ的なメロとコードを先に作り、そこから先の展開やイントロなどを僕が作りました。通常のポップスの構成やコード進行ではない作りなので、試行錯誤しつつ。そうやってメロディとコードが出来上がったら、加藤さんがストリングス・アレンジを行ない、fhánaが他の楽器やリズム系のアレンジを行ない、最後に僕がミックスしつつまとめて完成しました。
towana:共作のメロディを歌うのは初めてだったので、とても新鮮な体験でした。過去に加藤達也さんがアレンジした曲を歌ったことも思い出しながらレコーディングしました。fhánaだけでは出来なかった新しいタイプの曲になったと思います。

 


 

<関連ページ>

 

1stアルバム『Outside of Melancholy』発売時インタビュー

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音楽プロデューサー・佐藤純之介さんが語るfhánaの魅力

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fhána 配信一覧はこちら

 


 

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「20代のうちにやれることをがむしゃらにトライして、バンドの可能性を広げたかった」とNICO Touches the Walls のVo.&G. 光村龍哉(以下、光村)は語る。2014年は、ベスト盤『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』を発表し、2度目の日本武道館公演も成功させ、2015年には、彼らにとって初のハイレゾ版を含むアコースティック・アルバム『Howdy!! We are ACO Touches the Walls』を発表するなど、精力的に動いてきた。新章に向け、ニュー・シングル「まっすぐなうた」を発売し、全国ツアーを終えたばかりだが、その勢いのまま、9月2日に「渦と渦」をリリース。彼らの今の歌への思いが、ハイレゾの音で、より鮮明に届けられる!

インタビュー&テキスト:古城久美子

 

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(イラスト:牧野良幸)

 

――ベスト盤から、今回のシングルに至るまでにアコースティック・アルバムを出されていますよね。これはどういうきっかけだったんですか?

光村 アコースティック・アルバムは、自分たちの可能性を広げる目的で作ったんですけど、自分たちの芯というんですかね、本来バンドがどうあるべきか?というのが浮かび上がってきて、手応えがありました。純粋に自分たちが積み重ねてきたものが何かというと、やっぱり「歌」。メロディ、言葉なんですよね。それをわかって、すごく肩の力が抜けたところがあって。6月に出た「まっすぐなうた」は3分ちょっとという、今までになく早い曲ができて、今回リリースされる「渦と渦」とセットで、歌に込めるエネルギーみたいなものが、すごく爆発したなと思って。

――アコースティック・アルバムは、これまでの楽曲をアコースティック・バージョンで録った作品でしたが、やはり違いましたか?

光村 違いますね。よくも悪くも素っ裸になるというか。エレキだったら、エフェクターで音を調整していくんですけど、一切ない。僕らも、純粋にプレイヤーとしての進化がそれぞれ問われる経験でした。歌い方に関しても、一度、録音している曲を歌い直すわけですが、アコースティックで、周りの音が削ぎ落されている分、同じ歌い方をしてもダメで。エレキの場合だとデカい声出して、高い音もワーっと出せるんですけど、アコギと合わせると過剰過ぎてしまう。テクニックでもごまかせないし、歌い方も一から考え直したり、裏声を使えるように練習したり。ベスト盤も出している身分で言うのもなんなんですが……アコースティック・アルバムで、初めて歌の特訓しました(笑)。
対馬祥太郎(Dr. / 以下、対馬) あの経験は、ドラムもベースもそうだし……今一度みんな基礎に返るというか。そう思わせる何かがあったよね。 光村 グルーヴ感がすごく問われるからね。

――そういう意味では、日本武道館のライブを拝見しても思ったんですが、バンドの底力が格段についていて、アコースティック・アルバムでも出せているのでは?

光村 あの武道館って、今、振り返ると、自分たちの中では過渡期、そのど真ん中にあったライブで。バンドの勢いはある種自信があったし、さらなるバンドの可能性を考えて、アコギ1本で弾き語るコーナーもやったんですよね。その日は、実験のつもりでやっていたんですけど。

――チケットも完売していましたね。

光村 9000人入っていたんですよね。でも、その9000人の前でも、アコギ1本でも届いている手応えがあった。それがなかったら、「アコースティック・アルバムは辞めよう」と言っていたと思う。そういう1つ1つの実験を経て、この1年くらいで、バンドの引き出しというか、懐も深くなったのかなと思います。

 

■「渦と渦」のウリは、バンドの芯となる歌

――芯は「歌」だというところで、バンドは?

古村大介(Gt. / 以下、古村) バンドの中で、「歌」を中心にして、曲のアレンジもみんな同じ意識で向かいました。みっちゃん(光村)の歌があって、じゃあ、バンドはどういう温度感がいいのか? さらに歌はどうあるべきか?そういうやり取りが充実していて。だから、武道館以降目まぐるしかったですね。「ここはこうしなきゃ」とか、問題点も含めどんどん出てきたんですよね。でも、まだその途中でもあり、バンドの芯があった上で、進むべき道にどんどん近づいているところというか。
坂倉心悟(Ba. / 以下、坂倉) この2年くらい、みんなの中で自分たちの可能性を考えた時に、芯になる強いものって「歌」だと共有してきて。その中で、ライヴやアコースティック・アルバムを通して、自分の演奏にしても、やればやるほど課題が見えてくる。それは、いつもそうなんですけど、やればやるほどっていうのが正直なところで、基礎的なことも含め自分を見直す期間にもなったし、やればやるほど続けなきゃなって思いました。それを意識していく中で、やはり歌やメロディが一番の武器だなという実感が、今回の全国ツアー(5/21〜7/19、15カ所17公演)を通しても身体に入ってきた。自分たちの芯を体現できた時間だったなと思います。

――そして、「渦と渦」にもつながるわけですね。

光村 そうですね。「渦と渦」はBメロのメロディ・ラインと、サビのコード感ができた時に、もう、これはウリにしたいなと。ウリにすべきポイントが歌なんだぞっていうことを自覚してやれたからこそ、自然と沸いてきた。

――この曲、頭の中でループしていますよ。

光村 よかった、よかった。4人の中で狙いがブレていないからこそ、歌に集約されるエネルギーが今までで一番大きなものになったんじゃないかな。5分弱歌いっぱなしですからね。

――確かに。「渦と渦」をハイレゾ音源で聴かせてもらったのですが、王道のロックではありますが、“矛盾だらけの日々に〜”の節では、何重にも音が重なり作り込んであって面白かったです。

光村 そこは、相当こだわって作っていますからね。王道な曲だし、ストレートに作れば、あそこでギターソロがくるんでしょうけど、あまり今までやったことないような、不思議かつ壮大なコーナーをそこに集約しようって。ここ3、4年、コーラスワークもテーマにしていて。ライヴでは、僕がメインで、ドラムの対馬とハモる感じだったんですけど。今、古君(古村)もコーラスにあがってきたので。
古村 がんばっているところです(照笑)。
光村 だから、ライヴで3声でハモったりできるようになってきたから、新しいことをやろうと思って。あの部分だけで、メイン、上、さらに上、さらに上……オクターブ下も入れたな。全部で5パートを不思議かつ壮大に聴こえるように重ねているんですよ。コーラスラインも違ったメロディも組んだり、あそこだけギターもやたら重なっているしね。そこがあるから、その後、激しくなるところが気持ちいいから、音を重ねた甲斐があった。ハイレゾで聴くと解像度が高くなっている分、より聴きやすくなっているのではないですかね。

――ここは時間がかかったのではないですか?

古村 アレンジの時間はかかっています。
光村 7割方がここじゃないかな。他は、ガーッと歌が引っ張っていく感じですよ。

 

■大瀧詠一『A LONG VACATION』『EACH TIME』

――こういう、重ねた音って、特に、ハイレゾだったり、オーディオで楽しめると思いますが、リスナーとしてはいかがですか?

光村 僕は、最近、ナイアガラ(大瀧詠一のレーベル)ものばかり聴いているので、大瀧さんの本を読みながら、この曲はどうやってレコーディングされたのか?って想像したりしていますよ。『A LONG VACATION』とか『EACH TIME』なんかはフィル・スペクターばりのウォール・オブ・サウンドで、同じ音をいっぱい重ねて自然な残響感を出している。そういう音の重なりもそうですが、余韻みたいなものも意識して聴くことが増えたかな。どういう部屋で鳴っているか想像したり……。
坂倉 僕は基本的に家でもヘッドホンやイヤホンで聴くので、そこで目を閉じて、気持ちがいい音を聴きたいタイプで。それでいくとハイレゾが一番好きかもしれないですね。音の重なりが美しいとか、奥行きがすごく気持ちいいんですよね。ロックのバーーンと音が面になってくるものも、もちろん気持ちがいいんですけど、また違う味わいというか。好みだなー。
古村 僕は、ハイレゾだと、自分が演る側だとしても、演った意味みたいなものがダイレクトに聴こえるので、そういうのが楽しい。だから、ハイレゾだと重ねがいがある。普段、俺ら、楽器をやっていて、楽器耳で聴いちゃうところもあるんですけど、その耳だと、ハイレゾは何を聴いても楽しいなと思ってしまいますね。

――ハイレゾだと制作者の意図がより見えますよね。先ほどの音を重ねている部分は、大変だったろうなとも思いましたし。

光村 ただ、僕らは96kHz/24bitのハイレゾ版も作り始めたのがアコースティック・アルバムからなので、それからは実はレコーディングにあまり時間がかかってないです。ミュージシャン的な観点でいくと、自分で聴いている耳の感覚に近いから、パッと鳴った音の時点で納得できるという、そういうよさはあるかな。アコギなんかは如実で。ホントにたっぷり身体に響く音だと思うので、「渦と渦」のカップリングで「僕は30になるけれど」という曲は、自分がアコギを弾いている時の感覚と近くてびっくりしましたね。

――演奏で聴いてる音とこうして聴いている感覚が近いということですね。

光村 そうですね。この曲は、たまたま、ドラムをタイトな音にしようという作戦を立てていたから、小さな部屋で録ることになって、いつもドラムを録っている大きな部屋が空いたんですよ。それで、アコギをその部屋で1人で録ったんですよ。それで、せっかく広い部屋だから響きも録ろうと思って、いつもだとマイクを立てても2本とかなんですけど、4、5本立てたんですよ。そしたらアコギ1本、1人で弾いているだけなのに、アコギの音に包まれているような感じがして。本当に部屋の中で聴いているみたいな感じがすごくわかった。通常、そういう広がりを出すときは、もう一度アコギで同じことを弾いてダブらせて、左右、音の広がりを持たせるというようなことをやるんですけど。「これ1本でいいじゃん!」って。その感じがね、ハイレゾだとより出ている。僕のあのときの感動が蘇りますよ。

――そのアコギの音をこちらも体験できるという……。

光村 アコギだけでなく、人の声も同じですけどね。僕の声も特にクセがあるというか。レンジが広いので、ハイレゾになると、僕のクセみたいなものがよりくっきりはっきり見えてくる。そのクセも、わざと出している部分もあって、わざとらしいところは、わざとらしく出ているから。

 

■気持ちはスペシャルズでしたが……ハイレゾ先生は厳しい!

――矢野顕子さんの「ラーメンたべたい」をスカ調でカバーしていますが、どうしてこの曲を選んだんでしょうか?

対馬 ラーメンが大好きで(笑)。
光村 NICOのソウルフードなので。各地廻ると、その土地の名物とか食べさせてもらってありがたいんですけど、何日か経つとラーメンが食べたくなる。今回も、ツアー中にすごくラーメンが食べたくなって、「カバーしようか」って。ま、でも、スカって、バンドであまりやっていなかったんですけど、裏打ちのギターがハイレゾになると、なんちゃってでやっている感じがバレちゃってて。気持ちはスペシャルズだったんですけど。

――(笑)。

対馬 やってるときはノリノリ。
光村 ミックスしている時もね、「おお、スカの空気作ってんじゃん」と思ってたんですけど。ハイレゾになった瞬間、お調子もの感が出てて(笑)。厳しいですね、ハイレゾ先生は。

――(笑)。今の、バンドがノッている感じも出ていますから。そういう、バンドのいい時期にハイレゾのフォーマットが出てきたとも思いますが。

光村 僕らは、アコースティック・アルバムというわかりやすいところから入れたというのはあるけど、まだまだ研究しがいがあるなって思うんです。エンジニアの方ともしょっちゅう議論して。レコーディング終わっても、スタジオで遅くまで、いろんなアンプとか、96kHz/24bitが48kHz/24bitになったらどうなるかとか試してて。それで夜更かししちゃって。ホンッと、いろいろとやりようがあるなって。ハイレゾって、とても器の大きなメディアなんですよね。だから、デカい部屋に住んでいるのと同じで、どういうインテリアで彩るか、個性が出てくる。研究のしがいがあるフォーマットだなと思います。

――ストリーミングサービスも出てきて、音楽も、いろんなフォーマットで提供される中で、ハイレゾのような技術革新が音作りにも影響していくわけですね。

光村 選択肢のひとつですよね。
対馬 アコースティック・アルバムを作った時にレコード盤も初めて作って、CD、ハイレゾと、それぞれに味と雰囲気があって音の差をスゴく感じました。ハイレゾは、いい意味でみんなの音がちゃんと分離してよく聴こえるなと。演っている本人にはハイレゾだと恥ずかしいところもあって。ああ、そこも……というところまで、よく聴こえちゃったりするから(笑)。

――いろんな音がクリアに(笑)。

光村 まあ、レコーディングの環境は、ずっと僕らはハイレゾだったわけで、そこで、みんなで吟味して納得して満足して、今までだとCDの音源に圧縮してきた。だから、ミュージシャンの気持ちを知るみたいな、そういう瞬間を聴きたい人には、ひとつの選択肢になりますよね。僕もイチ音楽ファンとして絶対知りたいので。

 

■ジョン・メイヤーのアコースティック音とマイケル・ジャクソンのシンセ音

――音楽ファンなら、ハイレゾはマニアックに楽しめますよね。具体的に感動した作品ってありますか?

光村 僕が、最近感動したのはジョン・メイヤーの『パラダイス・バレー』というアルバムです。アコースティックの楽器の分量が多いというのもあるんですけど。

――アナログレコーディングというより、現代レコーディングされたもののハイレゾ版ですね。

光村 そうですね。ちょうどCD盤を先に買っていて、いいアルバムだなと思っていたものの、ハイレゾで聴いたら、さらに、この人たち楽器ウマいなって。CDでは、衝動が押さえつけられていたんだっていう感動がありました。僕らも、まだもうちょっと慣れないとな。マイケル・ジャクソンのアルバムを聴いたときに思ったのが、結構、迫力があるなと。自分の中では繊細なフォーマットだと思っていたんですけど、こんなにパワーがあって、派手なんだって。

――アナログでシンセを録音するという贅沢なことをしているので、それが煌びやかな表現になっていて、『スリラー』とか本当にすごいんですよね。シンセやストリングスが思いもよらないことになっているパターンは、薬師丸ひろ子さんの「探偵物語」(大瀧詠一作曲)のような歌謡曲もスゴいです。

光村 ハイレゾもいろんな解釈があるから、何を持ってヨシとするのかは、やはり研究ですよね。

――山下達郎さんはロックは48kHz/24bitがベストだとも(引用元:ナタリー)。

光村 そこは僕も感じるところがありますね。だからこそハイレゾはハイレゾでアレンジしたいというのもありますね。マニアックになりすぎるかな(笑)。

 

■選択の幅が広がって、音作りはもっと自由になる!

――ハイレゾで、バンドの可能性を感じるところもありますか?

光村 すごく、機材も好きだし、レコーディングも実験するのが好きだし、かつ、本当に、ケーブル1本、電圧だけでも変わるから、こだわっている部分が如実に反映されるというのは、こだわりがいがあるなって思います。だから、自分たちもより、こだわるポイントがはっきりしてくるのかなと。選択の幅が広がって、自由な分、自分が居心地がいいポイントをより自由に選びやすくなったなと思うので、その中でまた進化していければいいなと思います。既に、現時点で、改良したいポイントがいっぱいあるので。

――おお、例えば、どういうところ?

光村 歌というポイントで考えると、もっと目の前で歌っているように聴こえるんじゃないかなと思うんです。どこまで前に出せるかというのは、過渡期にある気がしていて。他にも、いろいろあるんですよ。Neve(RUPERT NEVE DESIGNS社)の卓(=レコーディングで使用するミキサー)で録ってみたいとか、この機材使ってみたいとか。あと、全部ライン(=マイクを通さずに直接つないで録音すること)で録ってみたいとか。もう、本1冊分くらい語れそう(笑)。そういうのが好きなのは僕だけなんですけど。
対馬 いろいろやってみたいというのはあって、そこで起きる化学反応もあるので。「いいね、それ!」って。
光村 そういう意味では、嫌がるメンバーがいないのがありがたい(笑)。
古村 自分で、いろいろ気づかされる環境にあるので、そこは肝に銘じつつ……。
坂倉 でも、やったことが報われるというか。ちゃんと違いがわかるというところでは、楽しみが増えますよね。だから、ハイレゾって楽しみばっかりかな。ただ、キリがなくなっちゃって、違うところにいっちゃってるんじゃないのっていうような、それだけは気をつけようかな(笑)。

――このあとは、日本武道館が控えていますね。

光村 今度は、大阪城ホールもあるので。自分たちとしては、もっといろんな人を巻き込んでいきたいし、いろんな場所に行って、その思いが伝わればいいなと思います。

――ライヴ音源も、ぜひハイレゾで出してください!

 

New Single『渦と渦』

M1. 渦と渦
M2. 僕は30になるけれど
M3. ラーメンたべたい
 

 

NICO Touches the Walls アーティストページはこちら

 


 

NICO Touches the Walls

2004年4月に光村龍哉(Vo, G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)の3人で結成。同年7月に対馬祥太郎(Dr)が加入し、2005年から東京・渋谷と千葉・柏を中心にライブ活動をスタートさせる。2007年11月にミニアルバム『How are you?』でメジャーデビューを果たし、2008年9月に1stフルアルバム『Who are you?』をリリース。2010年3月には初の日本武道館ワンマンライブを開催した。以降もコンスタントに作品を発表し、2014年2月に初のベストアルバム『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』をリリースした。2014年8月には2度目となる日本武道館単独公演も大成功を収めた。2015年2月に新たな試みとなるアコースティックアルバム『Howdy!! We are ACO Touches the Walls』を発表。同年6月にシングル「まっすぐなうた」を、そして9月2日にニューシングル「渦と渦」をリリースする。

 


 

 

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BUCK-TICK「ハイレゾがバクチクする。」

最新作含むアルバム全20作をハイレゾ化!レーベルの枠を超えて4社が共同キャンペーン!

各レコード会社の担当者にその舞台裏をインタビュー~第二弾~

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ハイレゾ化を記念した購入者特典あり!最後までお見逃しなく!

 

6月26日の第一弾では、徳間ジャパンコミュニケーションズ、ビクターエンタテインメントの12作がハイレゾ配信され、7月29日の今回は第二弾として、ユニバーサルミュージック、アリオラジャパンの8作品がハイレゾ配信される。

『ハイレゾがバクチクする。』というキーワードのもと、話題となった今回のBUCK-TICKのハイレゾ化。第二弾8作品のハイレゾ化により、遂にアルバム全作のハイレゾ音源が出揃うこととなる。

これを記念した特集第二弾の今回は、ユニバーサルミュージック配信作品の担当ディレクター三上栄一氏、アリオラジャパン配信作品の担当ディレクター中里信二氏にインタビューを実施した。

 

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【ユニバーサルミュージック三上栄一氏】

 

――三上さんのご担当内容について教えてください。

ハイレゾでの再発に関する担当です。

 

――ユニバーサルミュージックさんからは、SEXY STREAM LINERハイレゾ化されますが作品の聴きどころを教えてください。

48k/24bitで全くアップコンバートしていない、ハイレゾマスタリングを施してますので、音自体はもちろんですが、全体の空気感も一緒に感じでいただければと思います。

 

――ハイレゾ化にあたって、苦労したエピソードやこだわった点はありますでしょうか。

これは言っていいのかわかりませんが、マスターテープを探すのに苦労したことと、使用したマスターに、同じ曲で実は多数バージョンがあったりしたので、どのテイクがOKだったのかチェックに時間がかかりました。

 

――ハイレゾ化によって、どのような魅力が引き出せたでしょうか。

改めて聞いてくれた方にそれはゆだねます。それぞれ感想があるでしょうから!

 

――4社共同企画のポイントや、その中でのユニバーサルミュージックさんとしての役割と感じていることがあればお聞かせください。

ユニバーサルからはオリジナルアルバムが1枚しかリリースされていませんが、各社それぞれからのアルバムとともにぜひ聴き比べていただいて、さらなる魅力が新たな音となって皆様に伝わればと思います。バンドの変遷(音楽の)にとってはこの1枚も大切なアルバムですから、抜けることなく参加できてとてもよかったです。

 

――ユニバーサルミュージックさんのハイレゾについての取り組みはどのような状況でしょうか。

マスターの問題もあり、何でもかんでもハイレゾにできるという環境ではユニバーサルはないので、現状やりたくてもできないものもたくさんあるのですが、積極的に取り組んでいます。ハイレゾならではのカップリング企画やベスト企画も積極的にやっています。

たとえばハイレゾ×名曲・ハイレゾ×名盤・ハイレゾ×ベストなどのシリーズや、今後はハイレゾ×ライブみたいなものもやり始めます。

 

――ハイレゾ配信におけるユニバーサルミュージックさんの強みはどういった点でしょうか。

これは豊富にあるカタログにつきると思います。新しいものはもちろん、過去の名盤、名曲というものがたくさんありますから、ハイレゾということで作品に新たな魅力を見出し、改めて、若い人にもリアルで体験していた人にも楽しんでもらえればと思います。

 

――最後に、moraの記事を読んでいる方々へ一言お願いします。

音楽の楽しみ方はたくさんあります。それぞれの好きな形で楽しんでもらえればいいと思います。僕らはそんな皆さんに向かって、良質な音楽を届け続けるだけです。

 
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【アリオラジャパン中里信二氏】

 

――中里さんのご担当内容について教えてください。

2009年の「memento mori」と2010年の「RAZZLE DAZZLE」の制作当時、BUCK-TICKアーティスト担当をやっていました。BUCK-TICK移籍後の現在も、カタログの担当として携わっています。

 

――アーティスト担当ということですが、BUCK-TICKにまつわるエピソードがありましたら、教えてください。

実は、もともとBUCK-TICKの大ファンでして(笑)。好きだ好きだと言っているうちに、いつの間にかアーティスト担当をやらせてもらえることになって、非常にありがたかったです。もちろん仕事ですので、BUCK-TICKの優れた作品を世の中に広めるべく、当時も、そして今も奮闘しています。余談ですが、ビクターさんや徳間ジャパンさんからのリリース物もすべて購入しております(笑)。みなさんが思っているBUCK-TICKのイメージと変わらないと思います。裏表のない素晴らしい方々です。

 

――アリオラジャパンさんからは7作品がハイレゾ化されますが、作品群の聴きどころを教えてください。

7作品のうち「ONE LIFE, ONE DEATH」から「天使のリボルバー」までの5作品がアナログハーフのマスターで、よりマスターに近い音でハイレゾ化の作業ができているので、魅力を存分に発揮している作品になっています。また、今回すべての楽曲が96k/24bitでハイレゾ化されています。今まで聞こえなかった繊細なところまで、すべてのアルバムでレコーディング時の音、空気感が忠実に再現されていると思います。

 

――ハイレゾ化にあたって、苦労したエピソードやこだわった点はありますでしょうか。

実は、ハイレゾ化に至るまでに4か月かけているんです。というのも、アナログハーフのマスターが80本以上ありまして…その中からCD使用の音源を探すことは一苦労でした。一本に大体3テイクくらい入ってますので、テイク数でいうと240以上の中から探すことになります。

マスター自体に使われたかどうか書かれているものもあれば、書かれていないものもあるので、テープをひとつひとつ聴いて、さらに事務所の方にも確認してもらい…という作業を続けたんです。地道な作業ですし時間もかかりましたが、みなさんに作品を届けるために、丁寧かつ楽しみながら作業を行いました。

 

〇実際のアナログマスターの写真

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――ハイレゾ化によって、どのような魅力が引き出せたでしょうか。

ハイレゾ化といっても、好みは人それぞれですのでやっぱりCDの方が良い、レコードの方が良いという方もいると思うんです。その中でハイレゾの魅力は、櫻井さんの唄の表現力がより伝わるなとか、各楽器の音がより鮮明に聞こえるなとか、メンバーがそこにいるんじゃないかっていう空間をより感じれるなとか、そういうものが「より」伝わってくることは本当に魅力だと感じています。BUCK-TICKというバンドが表現したい音には近づけたんじゃないかと思っています。

 

――4社共同企画のポイントや、その中でのアリオラジャパンさんとしての役割と感じていることがあればお聞かせください。

BUCK-TICKの楽曲はリリースごと多彩に変わっています。アリオラの時代は2000年からの10年間なんですが、バンドでいうとある意味で円熟期だと思っていて、そこを楽しめるのが今回のハイレゾ作品だと思います。また、先ほども言いましたが、最初の5作品がアナログマスター、最後2作品はデジタルマスターで作成されています。つまり、レコーディング技術の変換期でもあるわけなんです。ハードとしての時代が変わる瞬間でもあるので、そういったポイントも面白いかな、と思います。これらを伝えていくことが、アリオラとしての役割だと感じています。

 

――アリオラジャパンさんのハイレゾについての取り組みはどのような状況でしょうか。

会社としては、ハイレゾをやろうやろうといった空気感満載で、全社的に推進をしています。現在は洋楽の楽曲が多いですが、邦楽もちろん、楽曲をどんどん増やしていきたいと考えています。

 

――最後に、moraの記事を読んでいる方々へ一言お願いします。

アリオラからは7作品がハイレゾ化します。4カ月かけて、80本以上のアナログハーフのマスターからセレクトしハイレゾ化、この工程をものすごく丁寧にやりました。レコード会社とマネジメントとで一緒に作り上げた作品なので、みなさんの期待を裏切らない作品がお手元に届けられるんじゃないかと思っています。圧倒的なサウンドをお楽しみください!

 

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7月29日には8作がハイレゾ化!

 

ユニバーサルミュージック配信 1作品】

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SEXY STREAM LINER

10th AL  1997.12.10

 

【アリオラジャパン配信 7作品

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ONE LIFE, ONE DEATH

11th AL  2000.9.20

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極東 I LOVE YOU

12th AL  2002.3.6

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Mona Lisa OVERDRIVE

13th AL  2003.2.13

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十三階は月光

14th AL  2005.4.6

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天使のリボルバー』 

15th AL  2007.9.19

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memento mori

16th AL  2009.2.18

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RAZZLE DAZZLE

17th AL  2010.10.13

 

 


第一弾インタビューはコチラ

 

【プレゼントキャンペーン】

今回解禁になるハイレゾ20作品の中から1つ以上まとめて購入いただいた方全員に、BUCK-TICKハイレゾキャンペーン記念壁紙をプレゼント!

キャンペーン期間:6月26日(金)~8月31日(月)

『惡の華(1990年オリジナル版)』、『惡の華(2015年ミックス版)』はキャンペーン対象外となります。

※moraアカウントを作成の際にご登録頂いたメールアドレス宛に、ダウンロードURLを送付いたしますので、掲載されているURLのページより特典をDLして下さい。

※メールの送付は1~2週間に一回程度での送付を予定しております。

 

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 2015年moraイチオシのニューカマー・バンドといえばGLIM SPANKY(グリム・スパンキー)。60年代や70年代のロックやブルース、絵画やアート、映像作品などサブカルチャーをルーツに持ちながらも、“いまの時代を熱く感じさせる時代を超越した存在感”のもと、颯爽とテン年代の音楽シーンに登場した2人組新世代ロックユニット。ついにリリースされた7月22日発売の1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』における、生々しくも爆発力のある骨太なロックっぷりが素晴らしい。完全に、“いまの時代の王道のポップミュージックを塗り替えてやろうという気概”を強烈に感じるのです。“大人への階段を登る途中の不安や焦燥を形にしたメッセージ性の高さ”、そして“研ぎすまされた声の魅力”、“こだわりの生音感”が突き刺さりまくりなんです。松尾レミ(Vo,G)と亀本寛貴(G)による最強の2人組ロックバンド。時代を超える音楽の素晴らしさ。そんな可能性に魅了されまくりな、2015年を代表するであろう新しい才能に要注目です!!

 

インタビュー&テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

 


 

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GLIM SPANKY
“オーセンティック・ロックの旗手”
 
松尾レミ Remi Matsuo Vocal/Guitar  1991.12.7
亀本寛貴 Hiroki Kamemoto Guitar  1990.8.24
 
長野県の同じ高校に通っていた2人が出会い、2007年に結成。
2009年「閃光ライオット」のファイナリストに選出。
2013年12月、初の全国流通盤「MUSIC FREAK」をSPACE SHOWER MUSICよりリリース。
 
ロックとブルースを基調にしながらも、新しさを感じさせるサウンドを鳴らす、男女2人組新世代ロックユニット。
ザ・ストライプスやジェイク・バグといった、60年代~70年代のオーセンティックな音楽を鳴らす若手アーティスト達のムーヴメントが世界的に生まれつつある現在、
日本における「オーセンティック・ロック」の旗手として、今後の邦楽音楽シーンにおける台風の目となることは間違いないだろう。
また、「ジャニス・ジョプリンの再来」「10年に1人の歌声」とも称される松尾レミの強烈なボーカルは、多くのオーディエンスを虜にしている。
 
2014年6月11日、1stミニアルバムでメジャーデビューを果たす。

 


 

1st ALBUM『SUNRISE JOURNEY』

M1. 焦燥
M2. サンライズジャーニー
M3. 褒めろよ
M4. MIDNIGHT CIRCUS
M5. 踊りに行こうぜ
M6. 夜が明けたら
M7. さよなら僕の町
M8. WONDER ALONE
M9. ロルカ
M10. 大人になったら
M11. リアル鬼ごっこ
 
 

 

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インタビューの様子。(イラスト:牧野良幸)

 

――moraチームがものすごくGLIM SPANKYにハマっているんですよ。あ、もちろん僕もなんですけどね。

松尾レミ(以下、レミ) ありがとうございます。うれしい限りです。

――もともとは、10代限定フェス『閃光ライオット』に出場されていた頃から観ていて。ズットズレテルズ、THE SALOVERS、挫・人間とか同期ですよね?

レミ え~! 6年前とかですね。よくご存知で(驚)。

――そこから新宿レッドクロス、ロフト、青山レッドシューズなどでのコアなライブ活動があったり、インディー盤『MUSIC FREAK』のリリースがあったり。実はGLIM SPANKYって、若いですけど紆余曲折ありながら成長しつづけてきたバンドなんですよね。ちなみに、お二人の世代にとって『閃光ライオット』っていうのは、とても大事な場所だったんじゃないかなと思うんですが。

レミ そうですね。『閃光ライオット』は、音楽で生きていくことを現実的に夢を見させてくれた第一歩みたいな感覚があります。それまで長野県の田舎の出身なので、音楽で食べていくなんて夢物語だったんですよ。

――なるほどね。

レミ 自分たちの廻りでも、音楽で生活していくなんて絶対に無理だって言われつづけてましたから。たとえば音楽や絵を描くことっていうのは、趣味でやるべきだって諭されるんですね……。でも、『閃光ライオット』に出てみると、10代で音楽で食べたいって人が普通にたくさんいるわけです。実際、その後に成功しているミュージシャンもいっぱいいて。それを目の当たりにした時に、ああ、こうやって生きている人達がこんなにいるのに、思い込みで「なれるはずがない」とか、「そんなのあり得ない」とか言っちゃうのがおかしいってことに気がついて。だから私たちにとって、夢で憧れだった世界が、憧れではなく現実に見えた場所なんですよ。

亀本寛貴(以下、亀本) そうですね。『閃光ライオット』は、都会でバンドをやっている同世代の子たちとはじめて接することが出来た場所なんです。ハマ・オカモトくんとか、とんでもない感じの人たちもいて、やっぱりすごいな、都会は違うなって思いました。その時は、全然自分たちはまだまだ埋もれてるなと思っていたんですね。実際、ぼくらはファイナリストとして残ったんですが、賞はなかったし、特別注目されたというワケではなかったんです。でも都会で最先端でやってる10代の子たちってこんな感じなんだという基準を知れて。よっしゃ、だったらもっと頑張って一丁やってやるかって気持ちになれたんですよ。

――ちょっと前ですが青山レッドシューズで、ロックファンの間で有名な某テレビ局のプロデューサー、YOU-DIEさんのイベントにも出られてたじゃないですか? ああいう目利きの方だったり、紙資料ではリリー・フランキーさんなど、本物の音楽を知ってる方からの応援の声がどんどん高まってますよね。そういう状況でアルバムを完成させてみて、お二人はどんな心境ですか?

レミ そうですね、YOU-DIEさんもそうなんですけど、いとうせいこうさん、リリー・フランキーさん、みうらじゅんさんとか……そういう方たちが気がついたらいろいろ応援してくれていることにまず驚きました。すごくうれしいことですし、光栄ですよね。この1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』は、去年『焦燥』っていうミニアルバムを出してからすぐレコーディングに取りかかったんです。なので早い段階でほぼ完成していました。なので、少しずつ理解してくれる方々が増えている状況は夢のようですね。

亀本 音楽っていま、世の中にめちゃめちゃ溢れ返っているじゃないですか? どれも製品としてちゃんと作られていて、細部まで抜かりがないと思うんですけど。でも、だからなのか逆に自分の中に入ってこなかったり、ということもあると思うんですね。自分の曲をラジオとかで客観的に聴くと、自分だからかもしれないですけど、すごい違和感があるんです。……悪い言い方をすると、整ってないとか、粗削りに聴こえるんですね。でも、普通に人間が歌を歌ったらそうなるはずだし。人間が本気で伝えたいと思ってギター弾いたら、それが気持ちに生々しさとしてあらわれるはずなんですよね。本当の生の音を、生として伝わるように生々しくあったからこそ、耳に引っかかってくれたんじゃないかなって僕は考えていています。ちゃんと作られている音楽ばかりだと飽きちゃうと思うんですよ。聴いたときの存在感というか、他とは違う際立った要素って大事なんだと思っています。GLIM SPANKYのこだわりですね。

――先日、音楽配信の新しい潮流としてApple Musicがサービスを開始しましたけど、YouTubeやmora、iTunesなど配信サービス登場以降、過去のレジェンド作品に触れやすくなって、新作も旧作もフラットな感覚で音楽を楽しめる時代になったと思います。

レミ そうなんですよね。

――GLIM SPANKYのお二人が奏でるサウンドも、今の時代にはいい意味で違和感のあるアナログなロックのセンスを持ちつつも、でも“いま聴くべきだなってセンスを感じさせる”ところが、数々の新人アーティストがデビューしていく中で、GLIM SPANKYが目立っている特徴なのだと思っています。もともと、どんな風に音楽は楽しまれてきたのですか?

レミ 高校まで生活していたのが、とにかく田舎で村だったので(苦笑)。CDショップがあったとしてもTSUTAYAさんだけだったんですね……。

亀本 あとは、地元のローカルなCDショップ。

レミ そこもランキングのトップ10ぐらいしか置いてないところで……。レコードも置いていないし、素敵な本屋さんもないので、情報源といえばテレビか雑誌しかないんです。10代半ばで、やっとYouTubeとか観るようになるような環境でした。でもたまたまうちの実家が、父親がすごいレコード・マニアだったので、あれが聴きたい、これが聴きたいって言えば、それに関連付けて20枚ぐらいレコメンドされたんですね。

――それはすごい。

亀本 生き字引きみたいなね(笑)

レミ 最新のも古いのもいつもチェックしてるし。

――お父さん、何者なんですか(笑)

レミ ただレコード好きな、変なおじさんです(笑)。なので親にすごく助けられたというか。さらに音楽は音だけじゃない、ということも毎日のように言ってまして。音楽とともにカルチャーも教えてくれたんです。60’sのモデルさんがいっぱい載ってる雑誌だったり、ファッション誌を一緒に持ってくるわけです。「これを見とけ!」みたいな感じで(笑)。それを見ながらレコードを聴いていたら、いまの自分が見てもかっこいいと思うセンスに出会えるんですね。それで、だんだん自分の好みがわかってきて、60’sにたどり着きました。でもそれは60’sが大好きって当時から思っていたワケではなくて、知らない間に身の回りのものを見たら、音楽もファッションもそういうモノが好きになってたんです。気づいたらそうなっていたって感じで。

――それは面白いカルチャー体験でしたね。ちなみに、世代的にはBUMP OF CHICKENとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとか好きな感じですか?

レミ そうですね。あとはRADWIMPS。もちろん聴いてましたよ。

――そういうものから入りつつ、ルーツを遡ったりして、自分に合うものが段々わかってきたと。

レミ そうですね。BUMP OF CHICKENも好きで聴いていたんですけど、それと同時進行で、たとえばBUMP OF CHICKENが影響を受けた音楽ってどういうものだろうと辿っていくと、自分が探っていったルーツに辿り着いたんです。BUMPが影響を受けたのは何だろう、って知ったのがThe Whoだったし、ローリング・ストーンズだったりビートルズだったり。そこから派生していきました。それと同時にホワイト・ストライプスに出会ってドハマりして、レッド・ツェッペリンを知って。ウッドストック(・フェスティバル)にも衝撃を受けたり、ツィッギー(60年代に活躍したモデル)がすごく好きになったり、その当時のファッション雑誌をいっぱい見るようになって、どんどん世界が広がっていった感じですね。

――亀本さんもそういう感じですか?

亀本 さっき、話されてましたが、僕らはビートルズを聴いても昔の曲を聴いているという感覚がないんですよ。普通にビートルズの方がBUMP OF CHICKENより後に聴いているので。僕の中ではBUMP OF CHICKENより後の音楽なんですね。時代感とか全く関係なく音楽を聴いてはいるんですけど、ちゃんと自分の好みというのはあって。昨日もオープンしたばかりのApple Musicを試してみて、最初に好きなアーティストを選ぶじゃないですか? そうしたら「For You」というオススメ欄に自分の好きなアーティストが、時代はバラバラなんですけど出てきて。どこかみんな似てるんですよね。時代とかは関係なく。我ながら今時な子の聴き方をしてるんだなと思います(笑)。

――これだけたくさんの音楽を聴ける時代ってすごいなと思いますよね。しかも、より高音質なハイレゾという選択肢も広がっているワケで。こういう時代はかつてなかった。なので、そんな時代から生まれてくる新しい表現、新しいアーティストが登場してくるんだろうなと思っていたんです。なので、GLIM SPANKYの存在にはすごく興味を持っています。

レミ ありがとうございます。

――レミさんは、もともと画家志望だったとか。

レミ そうですね、全然上手というわけではないんですけど、本当に好きで。たまたま祖母の親戚が画家だったり、祖母も絵でお仕事していたり、母親もイラストをやってました。保育園に入る前から絵の具を与えられていたんですよ。街の写生大会に出たりしていたので、好きでした。好きな画家もいたし……だから絵で表現していきたいなってずっと思っていたんですけど、中学生のころにバンドにハマりまして。どっちもやりたいなと思って、じゃあどっちもやればいいじゃんと思って、バンドをやりながら、そのバンドのアートワークだったり、グッズだったり、ファッションだったりを全部プロデュースすればいいじゃんと思って、いまに至りますね。

――全部つながってるんですね。

レミ そうですね。

――グッズだったりアートワークだったりも含めて、GLIM SPANKYのひとつの表現だと。

レミ 音楽って音だけじゃないと思っています。周りのモノも全部含めてのGLIM SPANKYなので。そこは一番こだわりたいところ。ロックスターは見た目が98%って思っています。もちろん、音だけこだわってるというのも素晴らしいと思うし、リスペクトできるんですけど、私のやり方ではないなというか。音だけではない周りの部分も、しっかりと世間に提示していけたらいいなって思ってます。

――ちなみにGLIM SPANKYらしさというのは、どのぐらいのタイミングで掴めてきたんでしょう?

レミ 最初は学園祭でコピーバンドから始まりました。なのでどうやって曲を作ったらいいかわからないし……、自分の表現したいものをどう表現すればいいのか、その術がわからなかったんですよね。でも、中学校からThe Whoとかホワイト・ストライプスにハマったというのもあって、クラシックロック、ブルースロック的な部分も好きでした。たとえばホワイト・ストライプスはアートワークも黒と赤のインパクトで面白いんです。そんな音だけじゃない部分というか、提示をしっかりやりたいなとはずっと思っていました。徐々に成長していくにつれて、表現方法を学んで。なので、GLIM SPANKYらしさが生まれたのは、高校を卒業してからぐらいですかね。『閃光ライオット』が終わったぐらいかな。

――いろいろなものを吸収してきて、自分たちのインスピレーションで、オリジナルなものとして再解釈したと。

亀本 アートワークだったり、着るものだったり、持つ楽器だったり、髪型だったり、靴だったり……自分たちのやりたいことができるようになってきたのはメジャーになったタイミングですね。3年前のライブ映像とか観ると、「何この服!?」とか自分で思ったりするんですよ(苦笑)。ヴィジョンは元々持っていたんですが、思い描いていたものを表現できるようになったのは最近ですよね。

M11. リアル鬼ごっこ

――そんなメジャーデビューして盛り上がりつつあるタイミングで、いま映画『リアル鬼ごっこ』のイメージソング「リアル鬼ごっこ」が話題になっていると思うんですけど。この曲は、ぶっちゃけ別に映画のイメージソングじゃなくても、イントロからポップな要素が上手いバランスで表現されていてめちゃくちゃかっこよくって。この楽曲はどのようにして生まれたんですか?

レミ これは映画のお話をいただいたときに、園子温監督が、以前にも映画化されている『リアル鬼ごっこ』という作品をまったく観たことがなく、原作も読んでいないけれども、「リアル鬼ごっこ」というワードから新しい映画を作ったという話を伺って。こちらもクリエイターとして、「リアル鬼ごっこ」というワードから音楽でどれだけ自分たちの表現ができるかという勝負というか、遊びというか、そういうきっかけで作り始めました。

――なるほどね。

レミ その後、映画の台本を読んで、映画の内容も自分の中に入れて形にしていきました。今回の映画が、高校生から篠田麻里子さんぐらいの年齢までの……トリンドル玲奈さんも私と同世代だし、少女から大人になる時期……いまでも自分の中には焦燥感があるし、いろいろ葛藤があるんですね。なので、リアルに共感できた部分はあって。やっぱりタイアップというか、こういうお話をいただくときでも、自分の心で共鳴できないと作りたくないんです。それで共鳴せずに、作品に迎合して作ったとしたらそれは意味がない、ソウルがないものだし、完全なる商業音楽になってしまうのはすごく嫌なんです。今回は共鳴できてよかった。何かに追われて、何かを追いかけているときが一番素晴らしいという、そのテーマ性に自分でもすごくハマって。死ぬまで青春でいたいんですよ、私は。でも青春ってなんだ?って思ったときに、それって年齢ではなくて、あきらめないことというか、満足しないことが青春だなって思っていて。なので満足しないということは、何かを必死に追い求めて駆けているし、何かから逃げているのかもしれないし。そういうことがすごく輝いているなって思うんです。60歳になっても、80歳になってもそういう魂を持ってる人って絶対にかっこいいな、私もそういう大人になりたいなって。そんな気持ちを自分なりに、リアルな鬼ごっことして捉えて作品にしたのがこの「リアル鬼ごっこ」です。アルバムにはラスト11曲目に収録しています。

――園子温監督の作品は以前から観られていたりしましたか?

レミ いままで観たことがなかったんです。亀本は観てたんですけどね。けっこうグロテスクな表現が多そうじゃないですか? そういう要素がなかなか苦手なもので……。きっかけがなかったんです。でも、あるときに園子温監督のWikipediaを読んだことがあって、一番最初の映画作品の名前が『俺は園子温だ!』という。そして、漫画雑誌の『ガロ』に連載もしていたという話もあって……それを見たときに「あ、私だ」と思ったんですよ(笑)。私も「私がGLIM SPANKYだ!」と思ってるし、『ガロ』も昔から読んでいたし。すごく共鳴することがあって。だからこそ同じベクトルに立って作品を作ってみたいなと思ったんですね。

――バンドの結成の流れでいうと、長野県から亀本さんは名古屋の大学に行かれて、レミさんは東京の大学に進学されたと。で、その後亀本さんは大学を入り直して東京に出てこられるわけですよね。レミさんにすごい才能を感じられていたのですか?

亀本 そうですね、もちろん。一緒にだったら絶対何かできるなと思っていたので。

レミ 私が受験を考えるときに電話して「私は東京に行くけど、一緒に来ない?」って言ったら「大学辞める!」って言ってくれて。幸運でしたね(笑)。その後は、ライブばっかりやってました。

――レッドクロスとかロフトとかで観ましたよ、ライブ。

レミ ええ~! 本当ですか。うれしいです。けっこうライブ終わった後も朝までいるタイプでした(笑)。なので、大学には遅刻して行っちゃったり、授業休んだりとかいろいろあったんですけど。実技だけはやっぱり大好きで(※進学したのは日芸。一限はだいたい英語とか勉強系なので、それはハネて(笑)。午後から行ってひたすら絵を描いて、デッサンして、絵の具やって……という感じで。友達もみんな夢が……デザイナーになりたい、絵本作家になりたい、イラストレーターになりたい、という子ばかりでした。お互い切磋琢磨できる環境にあったので、課題とかもあるし大変でしたけど、楽しかったです。いい大学だったなと思うし、去年中退したんですけど、中退してもずっとみんなとは関わりがあって、一ヶ月に一度ぐらいは連絡取り合って「いまの状況どう?」とか「新しい仕事が決まったよ!」とか、情報を共有してます。「いつか雑誌とかで対談できるといいね!」なんて話したりもして、すごく私の糧になっています。

――いまエンターテインメントでかっこいいものって、アートとしての価値をちゃんと理解しているかどうかって大きいと思うんですね。よい出会いの中から、新しい発想や作品が生まれてくるといいですね。

レミ そうですね、いろいろつながれたらいいなと思います。

M1. 焦燥

――それでは7月22日発売の1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』の話を。ド頭からハマったんですけど、1曲目の「焦燥」は初期からあった曲なんですよね?

レミ この曲は本当に初期で、高校2年のときに作った曲ですね。この曲で『閃光ライオット』にも出ました。GLIM SPANKYとして活動していくきっかけになった曲ですね。

――いしわたり(淳治)さんがサウンド・プロデュースで参加されるなど、アレンジにも変化が起きました?

レミ そうですね、『閃光ライオット』に出たときのアレンジは、曲を作りたての自分の、できることを最大限やったアレンジだったので、どうしても「こうしたらいいのに!」とか、「ああしたらよかったのに!」など、いろいろ思うことがあったんです。ちょっといまの自分ではこの曲はできないなと思っていた時期もあって。でも、歌詞で伝えたいことは変わっていなくて。これをどうにか世間に伝えることはできないかと思ったときに、まずはすべてぶち壊そうと思って。弾き語りの状態にして、イチから構築し直しました。そこに淳治さんを加えて、朝から晩まで唸って唸って考えて、作っていきました。

――歌詞がほんとにすばらしくて。泣けてくるんですよね。そこにドラムがBOBOさんで、ベースにはハマ・オカモトさんが入ってくるとなると、またいろんな融合というか、広がりが生まれてますよね。

レミ ハマ君はやはり『閃光ライオット』でライバルというか、違うバンド(ズットズレテルズ)だったので、この曲を弾いてもらうのは驚きですよね。「ベーシストを誰にしよう?」と考えていたときに、昔から知っている人がいいなって思ったんです。初めてのレコーディングだったし。BOBOさんもすごくタイトで、BOBOさんが叩くと、なぜかルーツロック的なものをやっても新しく感じるみたいな感覚があって。そこは、あえてそういう要素を求めてお願いしましたね。

亀本 全体的にいえることだと思うんですけど、ヘッドフォンで聴いたときに、ドラムがめっちゃいいんですよ。ドラムがリズムも音もタイトなんで、そのおかげでギターもかっこよく聴こえるという。ありがたいですね。

M2. サンライズジャーニー

――2曲目が「サンライズジャーニー」。この曲がまたとても好きで。もともとシングルの中に入っていた曲ですよね?

レミ 「褒めろよ」のシングル盤に入っていた曲ですね。

――歌詞もやっぱり素晴らしくて。この曲はどのようにして生まれたんですか?

レミ これは『焦燥』をリリースしてすぐに作り始めたんです。いままでずっとバンドをやってきて、ライブハウスにお客さんが一人二人来れば良いほう、っていう中でやっていて。たとえば友達のバンドが先にデビューしたり、解散したり、他の事務所やレーベルが声をかけてくれたこともあったけど、それを全部バスに喩えたとするならば、すべて自分たちで自分たちの判断で見送ってきたわけです。で、ずっと私たちはバス停で自分たちの乗るバスを待っていたんですけど、なかなか来なくて。もちろん乗り込もうとすれば乗り込めるバスもたくさんあったんですけど、これは自分たちの乗りたいバスではないなっていうものばかりで。やっと今、いままで見送ったすべてのバスよりも一番人が乗り込みそうで、一番かっこよくて、一番遠くまでいきそうな、でっかいバスが自分たちの目の前にやってきて、それに乗り込んだところっていう気分なんです。もしかしたらつらい旅になるかもしれない、でこぼこの道、坂道もいっぱいあるかもしれないけど、すでに自分たちの前にいた乗客たちは、それさえも一緒に乗り越えてくれそうな人たちに思えて、だから乗り込んだというか。旅の途中でたくさん人が乗ってきて、でもそれもみんな収容できる、すごく魅力的なバスに思えたので。始まりを予感させるというか、自分たちのスタートでもあるし、自分たちのための朝がきて、これから始まるっていう思いを思いっきり込めて書きました。

――実は、誰もの生活や気持ちに当てはまるメッセージ性を持つ曲だと思いますね。

レミ ありがとうございます。人それぞれみんな始まりのときがあって、スタートのときがあると思うので。それぞれのテーマソングにして欲しいなって思っています。

M3. 褒めろよ

――そして3曲目が「褒めろよ」。非常にアッパーな曲なんですけど、これはドラマのタイアップ曲だと思うんですけど、ハマりまくってるんだけど自由度は高いという不思議な感覚があって。何か制約などはあったんですか?

レミ 「褒めろよ」のときは、『太鼓持ちの達人』というドラマのお話と同時に書き下ろしで書いてくださいということで。まずミーティングに行ったんですよ。そうしたら「GLIM SPANKYの曲なら、なんでもいいよ!」と言われて(笑)。テンポも歌詞も曲調もね。だからこそ私たちも燃えるわけです(笑)。なんでもいいんだったら「もうすごいドラマに合ってる曲書いてやる!」って思って(笑)。

――そういうことなんだ。いやぁ、本当にかっこいい曲ですよね。

レミ それでこのドラマの内容が、『リアル鬼ごっこ』のときも言いましたけど、自分とすごくリンクしまして。相手を褒めて、ボスを倒して先に行くというか、上に登っていくというドラマだったので、実際私たちもメジャー・デビュー、スタートのとき、上に登っていきたいと思っている状況なので、まさに自分のことを書きましたって感じです。だからみんなにも「自分のことを歌ってる!」と思ってほしいし、年齢も関係なく、たとえば小学生が「明日クラス替えだ、どうしようこわいな!」って思ってるときにも聴いて自分を奮い立たせてほしいし、疲れて帰ってきたサラリーマンが寝る前に聴いて「よし明日も頑張るぞ!」って思ってほしいし。そうやってみんなの背中をぐいっと押せる一曲にしたいなと思って、このテンポ感だったりこの勢いある曲調に仕上げました。

M4. MIDNIGHT CIRCUS

――次の曲は「MIDNIGHT CIRCUS」。すごくGLIM SPANKYらしい、サイケデリック感が表現されているという。歌詞とサウンドが生み出す世界観が、最高な雰囲気を生み出しているんですよね。

レミ これは元々あった曲なんです。上京してすぐぐらいに書いていて、題名も「キャラバン」っていう全然違うものでした。歌詞もこんなに長くなくて、五行ぐらいの歌詞をずっと歌い続けるっていうものだったんですけど、こうやってもう一度出すっていうことになったときに、もともと自分が好きな幻想的な世界観をより明確に伝えたいなという思いがあって。歌詞も書き足して、サウンドもより風景が浮かぶようにというか、真夜中の幻想的な煙に巻かれたような雰囲気にしたいなと思ってアレンジを進めました。自分が持っている好きな世界……真夜中だったり、幻想文学だったり、絵画の世界だったり。そういうものを落とし込んだ作品ですね。

亀本 これは「キャラバン」から「MIDNIGHT CIRCUS」になったときにかなり作り変えました。より重厚感とか、夜の雰囲気だったり、全体的に作り直しましたね。頭の中で想像していたイメージは変わってないんですけど、ちょうどメジャー・デビューもして、いろいろ曲作りの方法を勉強してたんで。吸収したものは全部出すという感じで詰め込みましたね。

――余談なんですけど、ダイアモンド☆ユカイさんといういまはタレント活動もされてイメージが全然変わっちゃった人がいますが、80年代にRED WARRIORSっていうサイケ要素のあるバンドをやっていて。後期RED WARRIORSの持っていたサイケデリックな要素とGLIM SPANKY「MIDNIGHT CIRCUS」は、自分の中でつながったんですよね。

レミ え~! それは初めて言われました。RED WARRIORSって、ギターが木暮"shake"武彦さんですよね?

――そう。さすが詳しいですね。アルバム『Swingin’ Daze』あたりは、サイケで幻想的なかっこいい曲が多いんですよ。

亀本 和製ジミー・ペイジみたいな感じですよね。

レミ ぜひ聴いてみたいですね。

M5. 踊りに行こうぜ

――次が「踊りに行こうぜ」。これはずばりロックチューンという感じですね。

レミ そうですね。ハードでヘヴィな感じです。

亀本 ベースがくるりの佐藤征史さんなんですよ。

レミ 佐藤さんはみんなのアイドルみたいな感じで。場を和ませてくれて、楽しかったです。

――くるりとの接点はどんなところから?

レミ ディレクターの嶋津さんが提案してくれて。

亀本 「サンライズジャーニー」、「踊りに行こうぜ」、「夜が明けたら」の3曲を同じメンバーで録っているんですね。プロデューサーがいしわたり淳治さんで、ドラムがBOBOさん、ベースが佐藤さんというメンバーで録ったうちの一曲なんですけど。「サンライズジャーニー」を作ったときに、佐藤さんに弾いてほしいなという話をしていたんですよ。

――バンドが二人だからこそ、プレイヤーを都度ピックアップできるというのは面白いですよね。

レミ そうですね、二人だからこそできるスタイルですね。

M6. 夜が明けたら

――で、6曲目は「夜が明けたら」と。すごく優しさの感じられる曲調で。レミさんとしては、歌詞はどんな風に生まれてくるものなんですか? 言葉へのこだわりも半端じゃないですよね?

レミ そうですね……やっぱり感情が爆発したときにしか書けないですね(笑)。なので、感情が爆発すれば一瞬で書けます!

――おお~。

レミ だから大変です(笑)。タイプ的には一日一曲すぐ書けちゃう人と、一ヶ月に一曲しか書けない人ってなったときに、私は完全に一ヶ月に一曲しか書けない人で。どうしても自分が思ってることを書きたいし、きっと私が思ってることなら、他のみんなも思ってるはずって考えているんですね。たとえば「MIDNIGHT CIRCUS」みたいな、幻想的な世界観ももちろん表現したいんですけど、一方で「褒めろよ」だったり「夜が明けたら」みたいな、感情的な世界観も好きなんです。こういう曲は、心のタンクが溢れたときに書けます。この曲が書けたのもそんな時でした。

――GLIM SPANKYって、サブカルチャー的なセンスとメインストリーム的なセンス、実は両方書けるワケですもんね。

レミ そうですね、本当にそういうバランスでやっていきたいなと思ってます。

M7. さよなら僕の町

――7曲目は「さよなら僕の町」。これは一発録りに近い感じでしょうか? 臨場感を大事にしたバイノーラル録音をされていると、資料にはあるんですが。

亀本 そうですね。人形の頭にヘッドセットをつけて。

レミ これは高校三年のとき、大学に合格したときに書いた曲です。リアルに自分が東京に出ていくとき。いままで家族と暮らしていたけど、それも全部田舎に置いて東京に行かなきゃいけない、友達もいない、知らない街にいかなきゃいけないってときに、やっぱり寂しいという気持ちがあったんですけど、憧れも強かったので「やってやるぞ!」って思っていたんです。でも、そのときって「やってやる!」という思いと同じくらい「寂しいな……」という思いもあって。ああ「ママのご飯食べられなくなるのか……」とか。「この自然が見られなくなるのか……」と思うと、寂しい気持ちもあったんですけど、でもその「やってやる!」という、自分の気持ちを奮い立たせるには、その寂しさに鍵をかけるっていう。一聴すると切ない感じもあるんですけど、それよりも「鍵をかける!」というのは上に行くための前向きなことなんですね。すごくポジティブというか、希望に満ち溢れた曲だと思っていて。だからこそ当時の感情もいまも鮮明に思い出せるし、どれだけ当時の感情をこの曲に入れられるんだろうって考えたときに、一本一本スタジオでマイクを立てて防音室で録るよりは、地元の思い出の場所で録りたいと思って、高校の美術室で録音しました。

――それを実現しているってすごいですね。

亀本 そんなに手間なことではない気もするんですけどね。予算的には安いくらいかも。

――卒業された長野の高校で。

レミ いつも大学受験のデッサンを描いてた思い出の場所で完全一発録りで。雑音が入ってもいい、と思っていたので、外で野球部が部活していたんですけど、その音も入ってます。音楽に空気を閉じ込めるにはこの方法が一番かなと思って、このレコーディングを選びました。

M8. WONDER ALONE

――次が「WONDER ALONE」。サウンド・プロデュースが高田漣さんなんですね。この組み合わせも面白いなと……オーセンティックなんだけど、疾走感も出ているという。

レミ (高田漣氏の父親の)高田渡さんが大好きだったので、それは以前にもディレクターに話していて。で、サプライズ的に「高田漣さんどう?」って言われて「わぁ!」ってなって(笑)。細野晴臣さんも大好きなんで、細野バンドの皆さん……伊藤大地さんもそうだし、伊賀さんもそうだし。こういう曲だし、ばっちりだなと思ってやりました。

――となると、自分の中のカルチャーの蓄積でGLIM SPANKYをこういう風にしてみたい、ああいう風にしてみたい、というのがまだまだいろいろあるんじゃないですか?

レミ そうですね。やりたいことだらけなんです。

M9. ロルカ

――次が「ロルカ」。これもサウンド・プロデュースが高田漣さんですね。

レミ そうですね。

――柔らかなテイストで、漣さんらしさも表れていて。

レミ これも「さよなら僕の町」と同時に作ったんですけど、ちょうど高校を風邪で休んでいたときに作って。すごく具合が悪くて、夕方ぐらいに起き出して自分の部屋で曲を作っていたら、友達が“今日のお便り”とかを持ってきてくれたり。そういうのを見たときに「早く学校行きたいな!」と思って。だからこそ「明日もお互い元気でありますように」っていう歌詞を本当にそのまま書いたんですけど。そのころ「ロルカ」って詩集にハマっていて、その世界観と自分の部屋の夕暮れの世界観の切なさというか、感情が溢れているところがすごくリンクしていたんです。

M10.大人になったら

――で、10曲目が「大人になったら」。これがまたものすごいいい歌だなあと。最高ですね。

レミ ありがとうございます。

――GLIM SPANKYの根本というか、大事なところを歌っている曲なんじゃないかなと思ったのですが。

レミ そうですね。これも感情が大爆発して、一瞬のうちに書き上げた歌詞で。ちょうど大学三年で、就職活動の時期でみんなそれぞれ悩んでいたときに、大人もいろいろ言うし、いろんな考えもあるし、というときに、じゃあ自分にとっての就職とはなんだろう?というのも毎日考えていたんです。で、私は音楽でやっていきたいとずっと思っていたし、でも就職ってなると、会社に所属するってことが就職なのか、とか、企業で働くことが就職と呼ぶのか、って考えたときに、いやそれは違う、と思って。私の解釈する本当の意味での就職というのは、自分がやるべき使命感を持って、世間に提示だったり、貢献していったり、そういうのも含めて自分のやりたいこと、自分にしかできないことを還元するというか。そういうことが本当の意味での就職だなと思ったので、私は音楽が就職だと思っているし、一方で友達は「親があの会社に行けって言うから受けたら受かっちゃった、でも本当はやりたくないんだよね」、「でも給料はいいからいっか」って言っていたり。でもそれって本当の就職といえるんだろうか、そうやっていい企業に受かって喜んでるけど、でも「本当は自分はやりたくないんでしょ?」って思いがあったりとか……いろんな感情が渦巻いて。一方である人が「バンドなんて絶対無理だからやめろ!」って言ってきたり。その人はもともとすごく音楽が好きで、自分もずっと楽器をやっていた人なんですけど、叶わずにあきらめちゃった人で……「お前はわかっていない、明日死んでも後悔しないのか。俺は後悔しない。すべてをわかっているから!」みたいなことを言ってきて。でもこの世の全てを本当にわかっているんだったら、決してそんなことは言わないだろうと思ったんですね。音楽をやっている人がこれだけいて、これだけ素晴らしい仕事をしているのにそんなことを言うなんて、逆にお前は何もわかっていないと思ったんです。でも、そういう人も心の中ではまだ音楽をやりたいと思っているかもしれない。夢を自分で閉ざしている人たちに向けても、心の鍵をこじ開けて同じ気持ちにもう一回なろうよって言いたいし、逆に自分たちと同じ年齢の人や高校生や中学生、これから大人になっていく人たちにも聴いてほしい。本当にすべての年代の人たちに対して届けたい曲なんです。

――亀田誠治さんプロデュースなんですよね。一緒にやってみてどうでしたか?

レミ GLIM SPANKYだったらどういう音にするかっていうのをすごく細かくわかってくれて。ロックの中でもたくさん方向性はあるんですけど、すごく的確に「こういう音はどう?」と提示してくれて。レコーディング方法は「こういうのはどう?」とか。私たちにとってはすごく勉強にもなるし、逆に亀田さんのほうがキッズなんじゃないかっていうくらい純粋だったりするんですね。「どんどんハミ出していこう!」みたいなことをずっと言っていて。「GLIM SPANKYはハミ出していたほうがいいから!」と、音もそうしてもらったし、だけどハミ出してるだけじゃ駄目だから、ちゃんと世間に届くものを確立しながら、ハミ出しているという絶妙なバランスを取ってくれた方ですね。

亀本 この曲はそんなにアレンジが大きく変わったわけではないんですけど、やっぱり亀田さんがベースを弾くだけで変わりますね。メロディーをめっちゃ弾きまくるんですけど、他のメロディーを殺さないからすごいなと思いました。

――これでアルバム『SUNRISE JOURNEY』収録楽曲すべてのお話を伺いました。さらに、7月22日にジャニス・ジョプリンのカバー「MOVE OVER」のハイレゾ音源、29日には『SUNRISE JOURNEY』のハイレゾ音源もリリースされます。CDよりも約三倍密度が高い、24bitのハイレゾ高音質サウンドなんですけど、これまではそんなにハイレゾって楽しまれてはなかった?

レミ 全然聴かずに(笑)。プレイヤーを持っていませんでしたから。

亀本 よく電気屋で、それこそソニーのヘッドフォンとウォークマンで試聴できるところってあるじゃないですか? よく電気屋さんで聴いてました(笑)。

――ハイレゾは、スタジオで作っていたときに鳴っていた音に近いサウンドが、リスナー側でも楽しめるんですよね。GLIM SPANKYにぴったりの試聴スタイルかもしれないと思います。

レミ うん、本当に面白いなと思っていて。言ってしまえば全部レコーディングし終わったものを「完成しましたー!」って、みんなで卓の前で聴くのとたぶん似てるんだと思うので。それは迫力もあるし、より生々しく聴こえるので、もちろんヨレてる部分とかもはっきり聴こえるってのもあるけど(笑)、それも良しとしちゃうみたいな。それもその時の空気ですからね。

――そうですね、それも楽しさのひとつなんですよね。

レミ そんな風に聴いてもらえたら面白いな、もっと身近に、生々しい音楽を届けたいですね。

――GLIM SPANKYにとって「生々しさ」っていうのは大事なキーワードですもんね。

レミ そうですね。生々しいものはやっぱり心臓に響くと思ってるので。私がルーツミュージックを好きな理由も、生々しいからというのがあって。現代の音でも、何が好きかって考えたときに、今どきのミュージシャンでも、生々しさをちゃんと音源に込められるミュージシャンが好きなんです。だからその系譜というか、GLIM SPANKYも、空気感だったり、生々しさを大事にしているので、ハイレゾだとどんな反応がくるのか楽しみです。

 

 

 

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BUCK-TICK「ハイレゾがバクチクする。」

最新作含むアルバム全20作をハイレゾ化!レーベルの枠を超えて4社が共同キャンペーン!

各レコード会社の担当者にその舞台裏をインタビュー~第一弾~

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ハイレゾ化を記念した購入者特典あり!最後までお見逃しなく!

 

近年、徐々に注目を浴びている「ハイレゾ音源」、なんと今回、BUCK-TICKのアルバム全20作で「ハイレゾがバクチクする。」

まずは6月26日に第1弾としてアルバム12作がハイレゾ化され、さらに7月29日に第2弾として8作が追加、今年2月に配信された『惡の華』を含め、全アルバムがハイレゾ作品として出揃うことになる。

1987年のデビュー以降、常に躍進を続けてきたBUCK-TICK。国内ロックアーティストとしては最大級のハイレゾ配信だ。

さらに今回は初のレコード会社4社(ビクターエンタテインメント、ユニバーサルミュージック、アリオラジャパン、徳間ジャパンコミュニケーションズ)による合同の企画とのことで、気になるその舞台裏を各レコード会社の担当者にインタビューし、ハイレゾ化に関するエピソードを聞いてみた。

 

第一弾の今回は、6月26日に配信開始となる徳間ジャパンコミュニケーションズ配信作品の担当ディレクター田中亮氏、ビクターエンタテインメント配信作品の担当ディレクター横田直樹氏にインタビューを実施した。

 

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【徳間ジャパンコミュニケーションズ田中亮氏(Lingua Sounda ディレクター)

 

――田中さんのご担当内容について教えてください。

 

BUCK-TICKのA&Rとして、作品のリリースにまつわる全般を担当しています。BUCK-TICKから生み出される楽曲やイメージを、メンバーとともに作品というカタチに具現化して伝えていくことを主におこなっています。

 

――徳間ジャパンコミュニケ―ションズさんからは、「夢見る宇宙」「或いはアナーキー」がハイレゾ化されますが、作品自体の聴きどころを教えてください。

 

常に斬新で新鮮なBUCK-TICKを象徴する最新作2タイトルです。ポップでアヴァンギャルド、ロックでパンク、その純度の高さをあらためて感じることができる作品です。その点において今回のハイレゾ化はロマンチックな要素を秘めた作品といえるのではないでしょうか。

 

――ハイレゾ化にあたって、苦労したエピソードやこだわった点はありますでしょうか。

 

CD音源のイメージや肌触りを壊さずに、オリジナルマスターの延長線上にあるピュアでネイキッドな音の感覚と空間が伝えられるハイレゾの特性を追求しました。そのアプローチとしてオリジナルアルバムのマスタリングを担当したエンジニアに今回のハイレゾ化を手がけていただきました。

 

――ハイレゾ化によって、どのような魅力が引き出せたでしょうか。

 

オリジナルマスターにある音の息吹や空間を感じられるところです。マスターと同じ周波数であることから補正や加工ではないアプローチで、のびのびとしたエッジのたった音のつぶだちを聴くことができ、3次元の奥行きや広がりが見える音源に仕上がりました。

 

――4社共同企画のポイントや、その中での徳間ジャパンコミュニケーションズさんとしての役割と感じていることがあればお聞かせください。

 

今現在、BUCK-TICKの最新にあたるアルバムが徳間ジャパンからの2タイトルです。時代性にとらわれずマスターの質感をストレートに引き出し、かつ新しい発見がある音源にしていくこと。BUCK-TICKメンバーの演奏や音づくりを純度の高い音源で発表すること。4社の中においては、現在進行形のBUCK-TICKの魅力を伝える役割を担い取り組みました。

 

――徳間ジャパンコミュニケ―ションズさんのハイレゾについての取り組みはどのような状況でしょうか。

 

音楽への接し方がそれぞれの好みやライフスタイルに応じて選択できるようになりました。データで音楽を聴くことができる今の時代において、ハイレゾの存在意義は大きいと考えます。新譜はもちろんですが、すでにCDなどで発売されている作品に関しても積極的にハイレゾ音源を提供すべく取り組んでおります。

 

――最後に、moraの記事を読んでいる方々へ一言お願いします。

 

BUCK-TICKのハイレゾ音源、お待たせしました。新しい発見を感じてください。

 

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【ビクターエンタテインメント横田直樹氏(Getting Better Recordsプロデューサー)】

 

――横田さんのご担当内容について教えてください。

BUCK-TICKは1987年にビクターからメジャーデビューして、1996年までビクターに在籍していました。当時の制作ディレクターは、いまでもBUCK-TICKのプロデューサーとして活躍されている田中淳一さんです。

僕は2012年にBUCK-TICKの25周年ボックスが企画されたときに縁あって担当になりまして、その流れで、ビクター時代のライブ映像をBlu-rayボックスにしたり、大ヒットアルバム『惡の華』の25周年ボックスを企画したり、というように、ビクター時代に彼らが残した音源や映像を通じて、BUCK-TICKのカッコよさを改めてお客様にお伝えする、という仕事をさせていただいてます。

 

――今回の4社合同企画の前に、一足早く2月に『惡の華』がハイレゾ化されていますが、その後、全オリジナルアルバムのハイレゾ化に至る経緯を教えてください。

 

ちょっと遠回りな話しになってしまいますが…、時代の変化とともに、音楽作品がどんどん短命化して、使い捨てられているような感覚ってありませんか?そうすると、アルバム単位での「名作」と呼ばれるものがなかなか生まれにくくなっていくんだと思うんです。でも、僕は一音楽ファンとして、「名作」の素晴らしさを伝えていきたい、そう思って、『惡の華』の発売25年をきっかけに、過去の作品に新たな光をあてる一つの方法として、ハイレゾ化を行ったんです。

それがBUCK-TICKにとって、初めてのハイレゾ化ということになったんですが、ちょうどハイレゾ機器を売り出し中のJVCの関連部門が、そのタイミングで共同キャンペーンを行ってくれることになりまして…。じつは、BUCK-TICKが25年以上前に、「JUST ONE MORE KISS」で世に知られるようになった大きなきっかけが、「重低音がバクチクする。」という、ビクターのラジカセのCMだったんですね。僕はそれをよく覚えていて、今回のJVCとのキャンペーンコピーもそれをトレースして、「ハイレゾがバクチクする。」という文句になりました。

で、「ハイレゾがバクチクする。」んであれば、『惡の華』以外の作品群もハイレゾでバクチクしないわけにはいかないでしょう?(笑)

そこで、ビクター時代の作品群のハイレゾ化をアーティストサイドにご提案したところ、バンド側としても最新作のハイレゾ化に大きな関心を寄せていた時期だったようなので、であれば、レーベルの枠を超えてタイミングを合わせていきましょう、ということになったんです。

 

――今回、ビクターエンタテインメントさんからは、6月26日に10タイトルがハイレゾ化されますが、BUCK-TICKのキャリアの中で、どのような作品群でしょうか。

 

大雑把にいうなら、「メジャーデビューをしてトップアーティストに登りつめ、いまに至る礎を築いた作品群」、ということになるんでしょうが、一つ一つの作品は、とにかく革新的なものです。

この時期の作品群を僕はリアルタイムで聴いていたリスナーだったんですが、作品をリリースするたびに進化のスピードが速くて、つねに聴き手の少し先を行くように感じたことを覚えています。

 

――それらの作品群のハイレゾ化について、ワンポイント解説をお願いします。

 

ビクターの作品群は、ビクタースタジオが開発したK2HDマスタリングでハイレゾ化しました。『惡の華』もそうでしたが、デビュー当時の彼らの作品の多くがビクタースタジオで生まれたものですし、ビクターから離れてからいまに至るまでも、じつはマスタリングや映像の作品づくりでビクタースタジオは多少なりとも貢献しているんです。だから、ビクタースタジオが誇るK2HD技術を採用してビクター時代の作品をハイレゾ化することは、彼らの作品づくりの歩みという点でも、理にかなった選択肢だと考えました。

 

――4社共同企画のポイントや、その中でのビクターエンタテインメントさんとしての役割と感じていることがあればお聞かせください。

 

BUCK-TICKがビクターでデビューした当時は、CDがようやく普及し始めたころでしたが、

四半世紀を超えて作品を生みつづけていくうちに時代も進化して、そのCDをも超える音質で音楽を提供できる時代になってしまったわけです。でもそこで過去の作品群が従来のフォーマットのままだけでありつづけるのではなく、新しいフォーマットにも更新できる、それによってこれまでとは違う新しい聴き方や感じ方ができる、というのは画期的なことだと思います。

それができるのも、彼らが長くキャリアを重ねてくれたおかげですし、お客様に長く支えていただいたおかげです。ビクターは、彼らが走り始めた初期の作品群を預からせていただいているわけですから、いろいろな重みも感じながら、BUCK-TICKの作品がもつ色あせない魅力を永く、広くお伝えしつづけたいと思っています。

 

――ビクターエンタテインメントさんのハイレゾについての取り組みはどのような状況でしょうか。

先日も小泉今日子さんの作品群が一斉にハイレゾ化されましたように、ビクターは比較的古い会社ですので、その強みを活かした良質なカタログ群のハイレゾ化を積極的に行っています。

一方で、くるりのような、信頼のあるミュージシャンたちとレーベル、スタジオが一体となってハイレゾ化を積極的に進めるケースも増えてきています。

オーディオメーカーと資本関係にあるレコード会社が減ってきた中で、ビクターはその強みも活かしながら、信頼感の高いハイレゾ作品をお客様にご提供できるようにと考えています。

 

――最後に、moraの記事を読んでいる方々へ一言お願いします。

ハイレゾがバクチクします!(笑)

 

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【徳間ジャパンコミュニケーションズ配信 2作品】

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『或いはアナーキー』

19th AL  2014.6.4

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 『夢見る宇宙』

18th AL  2012.9.19

 

【ビクターエンタテインメント配信 10作品

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『SEXUAL ×××××!』

1st AL  1987.11.21

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『SEVENTH HEAVEN』

2nd AL  1988.6.21

 

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『TABOO

3rd AL  1989.1.18

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『HURRY UP MODE

Indies AL/1990mix 1990.2.8

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狂った太陽』

5th AL  1991.2.21

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『殺シノ調ベ』

BEST AL  1992.3.21

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『darker than darkness

6th AL  1993.6.23

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『Six/Nine

7th AL  1995.5.15 

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『COSMOS

8th AL  1996.6.21

0004264815.130.jpg

『CATALOGUE 1987-1995

SINGLE BEST  1995.12.1

 

【プレゼントキャンペーン】

今回解禁になるハイレゾ20作品の中から1つ以上まとめて購入いただいた方全員に、BUCK-TICKハイレゾキャンペーン記念壁紙をプレゼント!

キャンペーン期間:6月26日(金)~8月31日(月)

『惡の華(1990年オリジナル版)』、『惡の華(2015年ミックス版)』はキャンペーン対象外となります。

※moraアカウントを作成の際にご登録頂いたメールアドレス宛に、ダウンロードURLを送付いたしますので、掲載されているURLのページより特典をDLして下さい。

※メールの送付は1~2週間に一回程度での送付を予定しております。(初回6/26~7/5 購入分は7/6以降に送付予定)

 

第二弾は、ユニバーサルミュージック三上栄一氏、アリオラジャパン中里信二氏にインタビューを実施!

コチラ

 

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