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コラムのトピックス

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1/23(土)と1/24(日)の2日間、日本武道館で開催された「リスアニ!LIVE 2016」。今年で6回目を数え、年始一発目のイベントとしてすっかり定着したアニメソングの祭典の模様を、今回「リスアニ!LIVE」初参戦となったmoraスタッフがお届けする。

 


 

1/23(土)
SATURDAY STAGE

 

前日まで予報されていた雪も降らず、「アニメの神様が我らに微笑んだ!」と思わずガッツポーズしたくなる1日目。ステージ全体をよく見渡せる1Fスタンドエリアの取材席に着席し、開演を待つ。

 

巨大スクリーンにカウントダウンの数字が出現し、いよいよと気持ちが高まったところで登場したのはトップバッターの茅原実里! 「ZONE//ALONE」「TERMINATED」「Paradise Lost」とアッパーな代表曲を立て続けに連射し、会場のボルテージを否応にも引き上げていく。この時点で驚嘆だったのが、メロディに合わせてサイリウムが揺れ、完璧なタイミングで合いの手が入る観客と楽曲とのシンクロニシティだ。まるで会場全体で“何か”を降霊させようとしているかのような……儀式的ともいえるうねりがそこにはあった。全6曲、観ているだけで完全に燃え尽きた……と思わされたがまだまだ一組目。つづいて登場したのは「リスアニ!LIVE」初登場となる分島花音だ。「自らチェロを弾き歌うシンガーソングライター」という独特のスタイルは実際目にするとやはりなかなかのインパクト。今回は同期を使用していたが、新曲のMVにもあるように弦楽隊を従えたライブというのも見てみたいと思わされる。

 

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茅原実里(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

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分島花音(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

三番手として登場したのは、「発表楽曲数こそ少ないものの、大舞台にふさわしい実力を持ったアーティスト」を招くExtra Artist枠で登場の早見沙織。ミディアムテンポ~バラード曲中心のセットリストだったが、しっとりとした中にも凛とした彼女の人柄が見えるような歌声で、会場の気持ちを確実にとらえていた。良い感じにクールダウンしたところで4組目に登場したのは人気声優ユニット・スフィアだ!「リスアニ!LIVE」常連という彼女たちは今年も干支を思わせる(今回は「さる」の)衣装で登場。自身のバンドを従え演奏されたその楽曲はグルーヴィーなディスコチューンあり、疾走感のあるロックあり、そしていわゆる「アニソン」的な昂揚感ある曲もありと、楽曲自体の聴きどころも多く楽しめた。今年は代々木第一体育館にて、2日間各6時間(!)にも及ぶという「スフィアフェス」を開催するというアナウンスにも、確かな人気を実感させられたものである。

 

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早見沙織(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

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スフィア(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

祝祭感のあるステージを終え、残すところ3組というところで「次のアーティストは……このバンドです」の呼び込みとともに登場したのはfhána。個人的にはこのステージに非常な感銘を受けた。というのも、それはMCでも強調されていたように正真正銘「バンドという生き物」のステージだったからである。作曲に関わるメンバー自身がステージ上でラップトップを操作することによって、生音と同期の絶妙な溶け合いも実現。メロディアスな四つ打ちの「星屑のインターリュード」ではKey.佐藤純一やGt.和賀裕希の即興的なフレーズも飛び出し……(特にアウトロで佐藤氏が奏でた繊細なタッチ!)、他の出演者とはひと味違ったサウンドスケープを響かせていた。

 

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fhána(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

いよいよ1日目もクライマックスが近づいている。満を持して登場したのは藍井エイル! 伸びやかで凛とした歌声は疲れ切ったオーディエンスの背筋にぴんと一本の線を通してくれる。「リスアニ!LIVE」には思い入れのあるという彼女。デビュー前には客席から観覧し、出演者としてステージに上がってからは転倒するなどのアクシデントも経験し……ついに昨年、武道館でのワンマンライブを実現させたのだと。着実にステップアップし、そして一度この特別な会場をたったひとりの力で埋めたことのある人の歌声はやはり「強い」。初披露の新曲「アクセンティア」でも会場の昂揚感を一点に集めていたのは、まさに圧巻という他なかった。

 

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藍井エイル(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

そしていよいよ大トリである……「THE IDOLM@STER THREE STARS!!!」。正直に言えば筆者は「アイマス」というものの存在は知っているものの、まったくこのシリーズに触れてきていない。だから大写しになった「THE IDOLM@STER」のロゴとともに9人の出演者が整列し、シリーズ全体のテーマ曲である「THE IDOLM@STER」を歌唱し始めた瞬間のまるで地鳴りのような「ドワーーーーーッ!!!!」という空気の振動には、思わず身をのけぞらせてしまった。「Hoo! Hoo!」という掛け声も適所に入って、何というか……すごい。なんだ、今回の観客はみんなこれ目当てだったんじゃないか?? と、最後にどんでん返しを食らったかのような気分である。

 

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THE IDOLM@STER THREE STARS!!!(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

昨年に10周年を迎えた同シリーズには、その中にさらに3つのシリーズがあるとのことで、それぞれ「765PRO ALLSTARS」「シンデレラガールズ」「ミリオンスターズ」として、各シリーズから3名が代表して出演していた。2曲目からは各シリーズの代表曲を。演者の入れ替わり時(曲の冒頭)には前の演者と後の演者が1フレーズだけ6人で歌う、という演出がなされ、スペシャルな体験を味わわせてくれる。終始、キラキラとした時間が駆け抜け、最後はテレビCMで耳にした人も多いであろう「お願い!シンデレラ」と、『アイドルマスター ミリオンライブ!』のテーマ曲である「Thank You!」を全員で。ラストのサビでは金色のテープが舞い……会場全体がひときわ輝いたところで1日目は終了。多幸感に溢れた計約5時間の突風が、こうして吹き去ったのであった。

 

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「SATURDAY STAGE」フィナーレの様子。(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

 

SATURDAY STAGE セットリスト
※【試聴】リンクからmoraサイト内の商品ページに飛べます

 

茅原実里

1. ZONE//ALONE 【試聴
2. TERMINATED 【試聴
3. Paradise Lost 【試聴
4. 境界の彼方 【試聴
5. 恋 【試聴
6. Freedom Dreamer 【試聴

 

分島花音

1. RIGHT LIGHT RISE 【試聴
2. ツキナミ 【試聴
3. world's end, girl's rondo 【試聴
4. Love your enemies(新曲)
5. killy killy JOKER 【試聴

 

早見沙織

1. その声が地図になる 【試聴
2. Installation 【試聴
3. ブルーアワーに祈りを 【試聴

 

スフィア

1. vivid brilliant door! 【試聴
2. Now loading...SKY!! 【試聴
3. DREAMS, Count down! 【試聴
4. REALOVE:REALIFE 【試聴
5. MOON SIGNAL 【試聴
6. Non stop road 【試聴

 

fhána

1. 虹を編めたら 【試聴
2. コメットルシファー ~The Seed and the Sower~ 【試聴
3. divine intervention 【試聴
4. 星屑のインターリュード 【試聴
5. Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~ 【試聴

 

藍井エイル

1. シリウス 【試聴
2. シューゲイザー 【試聴
3. AURORA 【試聴
4. アクセンティア(新曲)
5. ラピスラズリ 【試聴
6. IGNITE 【試聴

 

THE IDOLM@STER THREE STARS!!!

1. THE IDOLM@STER 【試聴
2. 自分REST@RT 【試聴
3. GOIN’!!! 【試聴
4. Dreaming! ※配信なし
5. お願い!シンデレラ 【試聴
6. Thank You! 【試聴

 


 

1/24(日)
SUNDAY STAGE

 

2日目はfripSideからスタート……と思いきや、最初に謎のVTRが流される。それは「リスアニ!」スタッフ陣がセットリストを決める会議をしている(という体の)もので、「やっぱり“レールガン”は外せないよね」「盛り上がるし」「でも2年前に“レールガン”全部やりますってのやったし」「ここは“レールガン”なしでいこう」「!?」「レールガンなしで盛り上げられたら飛躍の年になりますよ!」「奴らならできるはずだ!!」……とおおよそこういった内容。「そこまで言うならやってやりましょう!」……ということで、実際「“レールガン”なし」のセットリストで進んでいったのだった。さて、蓋を開けてみると、現在放送中の『シュヴァルツェスマーケン』主題歌や「Black Bullet」など、ダークな色彩の濃い楽曲も多いことに気付かされる。八木沼悟志の繰り出すシンセサウンドと生バンドによる重厚なサウンドが「壁」となって迫ってくる迫力は凄まじく、南條愛乃の透き通るボイスは、まるで戦場に咲く一輪の花のよう。“必殺技”を封印された状態でもしっかりと会場を温め、最後には「only my railgun」をワンコーラス分 だけ演奏するという茶目っ気も見せつつ……アトラクションのようなステージはあっという間に終わりを告げた。

 

ここから3組続けてフレッシュなラインナップが続く。まずは昨年5月にデビューしたばかりの声優三人組、TrySail。70年代アイドルを思わせる、つたない感じの歌唱と振付が好感を誘う。近年は本職のアイドルもかくやという完成度の高いパフォーマンスを、結成当初から求められることも多い声優ユニットの世界。そんな中にあって、かえって新鮮な存在感を放っていきそうなユニットだ。続いて登場は昨年末に1stアルバムをリリースしたばかりの内田真礼。いやはや、名前がコールされた瞬間からすごい人気である! タイアップソングでない曲にもしっかり観客がついてきたが、それには楽曲そのものの持つ力も大きいだろう。UNISON SQUARE GARDENの田淵智也作の「ギミー!レボリューション」をはじめ、アルバム全体がライブを意識したロックサウンドでまとめられているからだ。「全編生バンド」を信条とする本イベントにはぴったり……と思いきや、そもそもこの『PENKI』というアルバム、「リスアニ!LIVE」総合司会の冨田氏がプロデュースをしているのだという。先日のfhánaの紹介時にも感じたことだが、氏はロックバンド、ライブハウスの「ファンと観客との距離の近さ」を、アニメソングのライブにおいても持ち込もうとしているのかもしれない……(素晴らしいことだ)。そんなイベントの屋台骨を支える「リスアニ!バンド」の紹介から続けて登場したのは、Extra Artist枠で出演の綾野ましろ。持ち曲の3曲をMCなしで立て続けに披露し、フレッシュさをそのまま加速度に変えたかのようなステージを繰り広げた。正式なデビュー前から「リスアニ!」誌の特典として音源を発表してきたという彼女。終演後に感極まっていた姿が印象的だった。

 

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TrySail(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

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内田真礼(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

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綾野ましろ(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

そして、一気に会場の空気が変わる。登場したのはAimer。ミステリアスなヴェールに覆われた彼女。スウィープギターの響きが張りつめた空気を引き裂き、ヘヴィでエモーショナルなサウンドに乗せて幽玄さを湛えた声が会場を震わせる。それまで散々暴れまくっていたサイリウムの光もいまでは凪のよう。ただ、聴き入るしかない。そんな感じだ。以前、声が出なくなるというライブを経験し、二度と悲しいステージは繰り返さないと誓った曲だという「LAST STARDUST」「Brave Shine」。これはタイアップ先である『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』の主人公、衛宮士郎の決意にも重なる……名シーンを思い出して筆者は感極まってしまった。最後はピアノ伴奏のみの「六等星の夜」でしっとりと締め。静寂と緊張のトンネルをくぐり抜け、ライブはクライマックスへと向けて加速していく。

 

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Aimer(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

イメージカラーのピンクのサイリウムが空間を埋め尽くし準備はOK! LiSA劇場の開幕である。エモーショナルな歌唱とロックサウンドが武道館を“ライブハウス”に変える。昨年は「いろんなフェスにも出させていただいて、“遊び場”どうしをつなげることができた」と語っていた彼女。まさにその通りで、近年の「ロック」と「アニメソング」の融和を推し進めるキーパーソンとなっているのは間違いなくこのLiSAであろう。様々なバンドでライブハウスを転戦してきた歴戦のプレイヤーによって構成される「LiSAバンド」の生み出すドライブ感もまたすごい。日本型ロックの最前線がここにある! と、思わず快哉を叫びたくなる気持ちでいっぱいになった。また、LiSAというシンガーの地力を改めて見せ付けられたのがバラード曲の「シルシ」。武道館の天井を突き抜けどこまでも伸びていくかのようなその歌唱には思わず身震いさせられた。ラストは鉄板の「Rising Hope」で再び会場を狂乱の渦に巻き込み、最高のボルテージで大トリを迎える。

 

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LiSA(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

そして「11年前、この方の曲との出会いで、私はアニソンというもののかっこよさ、可能性に開眼しました」との冨田氏の触れ込みを受け、大トリの川田まみが登場する。冒頭を飾るのはピアノバラードにアレンジされた「緋色の空」。20代後半~30代前半の世代はおそらくジャストであろうアニメ『灼眼のシャナ』のOPテーマである。筆者はドンピシャでその世代なので、「うおーーー懐かしい!!!」と思う一方で、このリスペクト具合はいったいどういうことなんだろうと内心首をかしげてもいた。その理由は新曲として初披露された「Contrail~軌跡~」の演奏後に明かされることなる……年内での歌手活動引退宣言。終演後にネットを大いに沸かせた、突然の発表に、この時の会場は現実を受け止めきれていないようだった。

 

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川田まみ(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

私はといえば、ひとつの歴史が過去のものになっていく様を眼前に見ていた。まあ、確かに2010年代も折り返しなのである。2000年代、川田まみ、そして彼女の楽曲のほとんどを手掛けてきた音楽制作集団I'veは、いわゆる美少女ゲームと呼ばれるPCソフトを中心に、知る人ぞ知る名曲を数多く生み出してきた。まだ2次元文化というものが、ある種後ろ暗い好事家のものに限られていた頃の話である……。しかし時代は変わった。街中のポスターには2次元のキャラクターが溢れ、オープンに「オタク」趣味を吹聴する若い世代も増えた。コンテンツとしても、すきま時間を活用してカジュアルに楽しめるアニメや、ソーシャルゲームが全盛の時代である……川田の引退も、そうした時代の流れと全く無縁とは言えないだろう。

 

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川田まみ(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

しかし、川田自身は引退を「前向きな決断」だと言う。その言葉を裏付けるように、最後まで笑顔で、代表曲が走馬灯のように疾走していく。デビュー曲である、「radiance」。『とある魔術の禁書目録』2期のOPで、「迷えー!」のフレーズでおなじみの、「No buts!」。そしてラストを飾ったのは……『灼眼のシャナⅡ』1期OPである名曲「JOINT」! 自身、ギターを携え、かき鳴らしながらの絶唱である。そうだ、懐かしさに立ち止っている暇なんてない。「だから進むの 更なる時へ」……そう力強く歌われたなら、前に進むしかないじゃないか! 振り返ればトップバッター・fripSideの「レールガン封印」も、過去に安住することなく新たな挑戦を続けていこうという、主催側からのメッセージだったのかもしれない。ラストのサビではこの日も金色のテープが舞い……明転した会場は新時代の幕開けを高らかに謳い上げているかのようだった。

 

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「SUNDAY STAGE」フィナーレの様子。(写真提供:エムオン・エンタテインメント)

 

アニメは、アニソンという文化は、これからも続いていく!!! そのバトンを受け継いだのは、他ならぬ私たちなのだ。

 

 

SUNDAY STAGE セットリスト
※【試聴】リンクからmoraサイト内の商品ページに飛べます

 

fripSide

1. Luminize 【試聴
2. Heaven is a Place on Earth 【試聴
3. white forces(新曲)
4. 1983-schwarzesmarken-(新曲)
5. black bullet 【試聴
6. Two souls -toward the truth- 【試聴】 ~ only my railgun 【試聴

 

TrySail

1. whiz(新曲)
2. Baby My Step(新曲)
3. コバルト 【試聴
4. Youthful Dreamer 【試聴

 

内田真礼

1. からっぽカプセル 【試聴
2. 世界が形失くしても 【試聴
3. Hello,1st contact!~ギミー!レボリューション 【試聴
4. 創傷イノセンス 【試聴
5. Hello,future contact! 【試聴

 

綾野ましろ

1. infinity beyond 【試聴
2. vanilla sky 【試聴
3. ideal white 【試聴

 

Aimer

1. StarRingChild 【試聴
2. RE:I AM 【試聴
3. あなたに出会わなければ~夏雪冬花~ 【試聴
4. LAST STARDUST 【試聴
5. Brave Shine 【試聴
6. 六等星の夜 【試聴

 

LiSA

1. ID 【試聴
2. Rally Go Round 【試聴
3. エレクトリリカル 【試聴
4. Empty MERMAiD 【試聴
5. oath sign 【試聴
6. シルシ 【試聴
7. Rising Hope 【試聴

 

川田まみ

1. 緋色の空 【試聴
2. Borderland 【試聴
3. masterpiece 【試聴
4. Contrail ~軌跡~ 【試聴
5. radiance 【試聴
6. No buts! 【試聴
7. JOINT 【試聴

 

 

 

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 今回は、11月3日からテレビ東京で放送されている「Tokyoハイレゾガール」のオープニングに抜擢されたジャミーメロー「ふつうのcopy cat」のご紹介です。

 この曲もジャミーメローのサウンドの核となるシングルコイル系のギターとエレピが中心となっています。所謂「打ち込み系」の音楽はシンセの音が主流になる事が多いですが、この辺りが他のグループとはちょっと違うジャミーメローの個性と言えるでしょう。無料配信されている「me.」と同じく、ベースが半音下降し代理コードを使用する進行が出てくるのも彼ららしいところです。

 Aメロの最初の方を聴くとハイハットが入っていません。ハイハットとは、ハウスが流行った時に口でリズムを表すのに「ドン、チー、ドン、チー」なんて言ってたのをご存知の方もいるかもしれませんが、その「チー」の部分です。「ドン、パン、ドン、パン」と言ったら「パン」はスネアという種類の太鼓です。「ドン」はよく「四つ打ち」などと言われるバスドラ、キックの事です。ドラムセットの画像を見て頂くとわかりやすいのですが、スネアの横に2枚上下に重なって、足のペダルで開いたり閉じたり出来るシンバルがハイハットです。

 この曲では数種類のハイハットが使用されています。わかりやすいのは32秒辺りから入ってくるハイハットと、54秒から入ってくるハイハットの違いです。よく聴いてみて下さい。32秒からのは空気感がなく、昔のリズムマシンに入っていたような音ですが、54秒から空気感のある生のハイハットのような音になっています。スネアは変わらないのですが、キックもここから変わり、それまでの丸い感じの音から、逆にアタックが強調されたダンス物系の音になっています。

 ジャミーメローの楽曲はこの様に細かく音色が変化します。シンセで次々と派手な音を使用するという訳ではなく、音の定位やミックス、職人的な音作りで独自の世界観を作り出しています。

 「copy cat」とは「真似、模倣する人」のことです。歌詞にも「やめた おんなじなんて きらい」「おんなじなんて いらない 欲しくない」と出てきます。漠然と聴くのも音楽の楽しみ方の一つですが、上記のようにジャミーメローは細部まで楽しめます。是非ハイレゾで、ヘッドフォン推奨です。「ふつう」でないジャミーメローのオリジナルな世界に、是非あなたも触れてみて下さい。

 

ジャミーメロー「ふつうのcopy cat」
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「Tokyoハイレゾガール」特設サイトはこちら

 

 

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 Shiho Rainbow「Color Talk」から曲順毎に紹介している当コラム、今回は4曲目「学園天国」です。この曲はカバー曲で、演奏しているのはダグアウトカヌーというフレッシュなバンドです。その辺りはプロデューサー津田直士さんの解説に詳しく書かれていますので、是非チェックしてみて下さい。

 さて、1曲目から順番に聴いてくると、この曲で雰囲気がガラリと変わります。カバー曲である事、バンドサウンドである事、「学園天国」自体が結構古い曲ですので、他の収録曲と比較して曲調が随分違う事など、原因は色々あります。「ハート 裸」のご紹介の時に触れさせて頂いたのですが、津田さん自身がキーボーディストですので、ギターサウンドが全面に出ているのも他の曲と異なる部分です。

 津田さんの解説に記述がありますが、この曲はShiho Rainbowのライブでの盛り上がり定番曲になっているのです。今までの曲が「聴かす」曲だとすれば、この曲は完全に「一緒に盛り上がろう!!」という曲です。今まで彼女の歌声を「パワフルだけど繊細」という表現をして来ました。しかしこの曲では、気心の知れたバンド仲間と狭いリハスタの中で、メンバーとふざけながら思いっきり弾けている感じ、または仲の良い友達とカラオケに行って、カラオケルームの中で大はしゃぎしている彼女の姿が目に見えるようです。「繊細」とは違う、彼女の明るさや人懐っこさが前面に感じられます。

 実はこの辺りがShiho Rainbowの大きな魅力だと思っています。歌のうまいアーティストは他にもいます。バラードからソウルフルな曲まで歌いこなすアーティストもいます。ただ、そこに「学園天国」をおもいっきり元気に、楽しく、ハッピーに、ライブでみんなを盛り上げられるアーティストは中々いないんじゃないでしょうか?公式サイトにアップされている動画からも彼女のキャラクターがにじみ出ていますが、そういう様々な側面を持つShiho Rainbowの「人」としての魅力が、この「学園天国」のカバーに繋がっているように思います。

 上にも書きましたがこの曲はライブの定番曲です。ライブでShiho Rainbowの生の歌声やパフォーマンスに触れてみませんか?ライブの告知やスケジュール等は公式サイトかShiho RainbowのTwitterFacebookをチェックして下さい。フォローもよろしくお願いします!

 

シングル「虹の世界」
ハイレゾ[無料]

 

アルバム「Color Talk」
通常音源 / ハイレゾ

 


 

Shiho Rainbow(@shihorainbow)オフィシャルTwitter

Shiho Rainbow オフィシャルFacebook

バンド「ダグアウトカヌー」(@dugout_canoe)オフィシャルTwitter

 

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 Shiho Rainbow「Color Talk」から今回は2曲目に収録されている「ハート 裸」をご紹介したいと思います。一番最初のコラムでは先行無料配信されている「虹の世界」、前回が1曲目「Color Talk」でしたが、今後は曲順毎にご紹介させて頂こうと思っています。今はCDの時代ではなく、様々な曲がランダムに聴ける時代ですが、「アルバムの曲順」って、実はアーティスト、スタッフも凄く考えてるんです。そういったところもちょっと考えながら聴いて頂けると、よりShiho Rainbowの世界観に入り込めると思います。

 今回はプロデューサーである津田直士さんのアレンジワークを中心に聴いてみましょう。イントロのピアノに絡むアナログシンセのフレーズ、そのあたたかい音色にかかるディレイ(エコー)やリバーブ(残響)が非常に印象的です。津田さんは元々キーボーディストですので、ピアノは他の曲でも効果的に使用されています。津田さんアレンジの基本というところでしょうか。歌が始る部分ではピアノとキックだけになります。キックというのはドラムのバスドラムの事です。TVでドラムの人を見ると、正面一番下に大きな円形の太鼓が配置されてますよね?あれがバスドラムと言い、足で操作するのでキックと呼ばれます。最近の曲でよく「4つ打ち」という言葉を聞いた事があると思います。JPOPの多くは4分の4拍子で作られていますが、一小節に4分音符が4つあるという意味で、その4分音符毎にキックが持続的に曲の中で使用されているのを総称して「4つ打ち」と言われてます。簡単に言うと「トン、トン、トン、トン」というリズムです。この曲もピアノのバックに「トン、トン」が入っています。よく聴いてみて下さい。ちょっと大きめで太鼓で空洞の中が響いてるような音に聴こえますね。言葉で表すと「トン」より「ぼん」って感じでしょうか。曲が進み「素直に~」の部分から今度はスネアと呼ばれる太鼓が入ってきます。これは2拍、4拍目です。簡単に言いますと、口でドラムを真似する時に「ドン、ぱーん、ドン、ぱーん」の「ドン」がキックで「ぱーん」がスネアです。なのでドラムの基本の音なのですが、ここでのスネアの音はミックスの音量自体も小さく、非常に控え目な音色です。「ぱーん」という印象ではありません。「一人~」から曲のコードのルート音をオクターブで強調した力強いピアノが入ってきて、サビに向かってグっと盛り上がってきます。ピアノの低音が強調されるので、先程のキックがちょっと控え目になります。「自信がない~」からサビですが、よく聴いてみて下さい。前半に出て来たキックとスネアの音が、全然違う力強い音色になっています。スネアの音量も大きいです。まさに「ドン、ぱーん、ドン、ぱーん」って感じです。サビが終わってShiho Rainbowの「ハート 裸」の語りが入り、イントロと同じシンセのフレーズが繰り返されます。そこまでは「ドン、ぱーん」が続きますが、Aメロの歌「コンプレックス~」が始ると、また最初の「ぼん」というキックに戻ります。サビが終わり間奏のShiho Rainbowの語りが始るとキックがなくなります。そして後半に向けまた現れます。

 如何でしょうか?「四つ打ち」と呼ばれる音楽を多数耳にされているかと思いますが、このように1曲の中で歌詞の世界観やメロディーの進行によってドラムの音が変化しています。普通のロックバンドですと、ドラムの人は基本一つのドラムセットで演奏しますので、曲中で劇的にドラムの音色が変化する事はあまりないですが、所謂「打ち込み」と言われるパソコンを使用して制作される音楽にはこういう手法がとられる事があります。使用されているキック、スネアも本物のドラムの音ではなく、シンセサイザーで作ったものや、生音を加工したり、また複数の音を混ぜて音色を作ったりしています。Shiho Rainbowの音楽が、ただパワフルだけでなく繊細な感じを受けるのは、彼女の性格や詞の世界観を理解し、それを最大限に生かし、今回の説明の様に工夫した津田さんのアレンジによるところも大きいのです。ちょっと細かい話になってしまいましたが、時にはこんな風に音楽の細部まで注意して聴いてみると、また新しい発見や感動に出会えるかもしれません。

 

シングル「虹の世界」
ハイレゾ[無料]

 

アルバム「Color Talk」
通常音源 / ハイレゾ

 

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前回はハイレゾの生い立ちやDSDについて少しだけ触れ、とにかく「ハイレゾ関係を真面目に細かく説明し出すとちょっと難しい話になっちゃう」という内容でした。また「最新のヒット曲の通常版とハイレゾ版を聴き比べても違いよくわからない」人がいるであろう事と、iPodのCDより圧縮された音質で十分な人が多かった事がiPodヒットの一要因と考えられる、いうお話まででした。

 

「圧縮された音、MP3などで十分満足」という時代の流れの中で、レコード時代に発売になったものを一度CDで発売したけど、その後で「リマスタリング」してもう一度CD発売した昔のアルバム等がヒットしたりもしていました。「リマスタリング」は、もう一度マスタリングという音の最終調整を行うという事です。大体、昔の音源はステレオにまとめられたアナログテープで保存されています。アナログテープは寿命があります。昔、VHSのビデオを使用していた経験のある方は、ビデオデッキがテープを巻きこんじゃったり、久しぶりに再生したら画像がまともに見れなかったり、井戸が映ったと思ったらテレビの中から髪の長い女の人が出てきたりした事があると思います。いや、最後のは無いでしょうが(泣)とにかくテープは再生や保存が難しいのです。

 

で、マスタリングという「音の最終調整」の技術も進歩しているのです。なのでレコードからCDにしてとっくに発売したけど、数年後に進化した技術でもう一回「リマスタリング」して、更に音がクリアになったCDを発売してもヒットしていたのです。今はその時より更にマスタリングの技術が進化してます。

 

そもそもCDにする時はサンプリング周波数44.1kHzで録音できる最高音の22.05kHz以上の高音を機械でばっさりカットしています。デジタルデータにするのに、記録できない余計な音が入っていたら、もしやノイズやエラーや、何かしら音に不具合が出る可能性もありますし、そもそも人間の可聴範囲以上なので(第18回参照)エイヤッって削っちゃってるのです。よくCDよりレコードのほうが音がいいなんて話も聞くと思いますが、レコードはこのような事を行っていません。そのせいもあるかもしれませんね。

 

で、ハイレゾなんですが、同じようにバッサリ切っていません。ハイレゾの仕様に合わせたマスタリングを行っており、またレコード、CD発売時よりマスタリング技術も飛躍的によくなっています。デジタル写真でも曇りの日に撮ってボケていたのが、今は簡単にまるで晴れの日の様に色を再現できるようになりましたが、あんな感じだと思って下さい。mora readingsに宇多田ヒカルさんのスタッフの方がハイレゾ化について語ってくれている記事がありますが、そこでも「リマスタリング」の重要さをお話されています。是非読んでみて下さい。

 

前述のようにアナログテープ、いや、デジタルテープでも同様に寿命があります。CDも、曲をダウンロードしたハードディスクだって寿命がありますよね?みなさん、そういうデータ、どうされてます?そう!バックアップとりますよね?!私はハイレゾの一つの役割として「元音に限りなく忠実なバックアップ」という側面があると思っています。これ重要ですよね!!

 

また自然界には人間の耳では聴き取れない音が溢れています。第6回でその辺りの事に触れていますが、そこで「北斗星」のラストランのハイレゾです。第1516回でも触れていますが、ハイレゾは環境音の録音にも非常に優位と言えます。以前ご紹介させて頂いたSONYのハイレゾ解説サイトに「「音楽は「聴く」から「感じる」楽しみへ」なんてコピーがあったのはまさにコレなんです!聴こえてない、というか、本人に自覚が無くても実は「感じて」いるんです。この手の研究も色々あるようですが難しくなるので(泣)割愛します。

 

さて、今までの話をまとめるとハイレゾが良いのは「リマスタリング」「バックアップ」「元の音にかなり忠実」って感じになります。それ以外にも再生するハードも進化しています。私も当初、ハイレゾには懐疑的な部分があったのですが、実際に最新のハードで試聴したところ、やはり録音の古いものに関しては違いが顕著でした。なので元から音が良い最新の曲ではわかりにくいかも、と書いているのですが、そこは「感じて」頂きたいのと、「元の音になるべく近いバックアップ」だと思って頂ければ、環境に応じて最新のハードで聴いたり、圧縮変換して容量を少なくして携帯したりと、自由に使い分け出来る訳です。

 

さて、書いていると止まらなくなりダラダラ続けていた当コラムですが、お話したい事はまだあるんですが(笑)一旦ここで終了とさせて頂こうと思います。少しでもハイレゾに興味を持って頂けていたら幸せです(泣)。またお目にかかれる日まで!!!see you~!!

 

文:青山静馬
 
 
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