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[8/26]【連載】牧野良幸のハイレゾ一本釣り! ロジャー・ウォーターズ『Amused to Death』

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第10回:ロジャー・ウォーターズ『Amused to Death』

~DSDで濃厚にプログレを聴く~

 

 ピンク・フロイドの元メンバー、ロジャー・ウォーターズのソロ作品『Amused to Death』(邦題『死滅遊戯』)がハイレゾで配信された。それもFLAC(192kHz96kHz)だけではなくDSDの配信もある。近年のハイレゾ界では間違いなく注目作品と言えよう。

 『Amused to Death』は1992年の作品。ピンク・フロイドのアルバムに匹敵すると言われるほど評価の高いアルバムだ。「ピンク・フロイドの真髄はロジャー・ウォーターズ」と思ってしまうのは僕だけではあるまい。

 その『Amused to Death』が2015年、ピンク・フロイドのエンジニアだったジェームズ・ガスリーによりオリジナル・テープから再ミックスされたのが今回のハイレゾである。さっそく僕もDSDとFLACで聴いてみた。プレーヤーはDSDも再生できるSONYのHAP-S1(※リンク先外部サイト)である。

 虫の音から始まる導入。庭先では犬が吠えている。つけっぱなしのテレビの音。どこか不気味な世界だ。このアルバムの聴き所であるジェフ・ベックのギターが現れるまでもなく“プログレ度”が全開である。

 アルバムの紹介は他に譲るとして、DSDのことを書こう。FLAC(192kHz/24bit)に比べてDSDは音に厚みをもたらす気がした。リン、リン、リンという虫の音でさえ、実体のある音のような気がするのである。

 虫の音で興奮するのは、いかにもオーディオ・マニアの妄想に思われるかもしれないが、バンドの音になると、妄想ではなく確実に、DSDの特徴である厚みのある音を感じるてもらえるだろう。現代でも高音質として人気の高いLPレコードのようにアナログの風味なのだ。時折あらわれるソフルフルな女性ヴォーカルも厚味があり、まろやか。ドラムも弾力感がある。

 『Amused to Death』はスティーヴン・キング的なダークな雰囲気なので、DSDの“とろり”としたアナログ感は重要だ。そのぶ厚いフロントの音場がリスナーの左右にまで広がるのだから、“プログレ度”は満点である。聴ける環境の方はぜひDSDで聴いていただきたいと思う。

 いやあ、プログレをまた濃厚に聴く時代になるとは思わなかった。こうなると『Amused to Death』と並ぶ傑作『The Pros and Cons of Hitch Hiking』や『RADIO K.A.O.S.』もハイレゾ、それもDSDで聴きたくなってくるのである。

 

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■今回ご紹介した作品はこちら!

『Amused to Death』
(2015年リマスター盤)
 

 

ロジャー・ウォーターズ 配信一覧はこちら

ピンク・フロイド 配信一覧はこちら

 


 

【牧野 良幸 プロフィール】
 
1958年 愛知県岡崎市生まれ。
1980関西大学社会学部卒業。
大学卒業後、81年に上京。銅版画、石版画の制作と平行して、イラストレーション、レコード・ジャケット、絵本の仕事をおこなっている。
近年は音楽エッセイを雑誌に連載するようになり、今までの音楽遍歴を綴った『僕の音盤青春記1971-1976』『同1977-1981』『オーディオ小僧の食いのこし』などを出版している。
2015年5月には『僕のビートルズ音盤青春記 Part1 1962-1975』を上梓。
 
 
 
 
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